物語のお蔵

短編から、長編のオリジナル小説のたまり場。(版権物もちょこちょこ)更新は遅め。

背徳の花

2013-02-15 13:18:58 | 版権物
※※※※※ あてんしょん!!!! ※※※※※


VOCALOIDO、鏡音レン・リンの曲『背徳の花』を元にした落乱のくく勘パロです。
腐表現(ぬるい)、流血表現が含まれます。

苦手な方はUターンをお勧めします。
まあ、暇つぶしに見てやるよという方はこのままお進みください。



…思いつきで出たネタなので、話がまだしっかりしていません。
なので、まずちょこちょこ設定をのせます。(万両自身の整理も含め)
今は少ないですが設定がまとまり次第これから色々増えていくかもです。
キャラが迷子です。←重要


◇設定◇

●世界観
落乱の世界とは関係が全く無い。パラレル的な、完璧なオリジナル設定である。ファンタジーかも。


●久々知兵助
レンギョウ城の忍。火薬を使うことに長ける。何でもこなしてきたが最近仕事に熱が入らない(自分と同様、それ以上の者にまみえていないため)。レンギョウ城の城主に仕える前の記憶がない。どこの里に所属していたかも不明。任務先で勘ちゃんと出会う。幼少期に勘ちゃんと会ってる。豆腐に異様な執着を見せる。得意武器は寸鉄。一人称は「俺」。


●尾浜勘右衛門
ドクウツギ城の忍。しっかりしている方だがたまにドジる。←人に囲まれる方。兵助とは対照的。人当たりが良い。穏やかそうに見えて、任務になると才能を発揮する。兵助と幼少期に会ったことは覚えていない。うどん。得意武器は万力鎖。一人称は「俺」。


●その他設定
・季節…春。だいたい卯月。
・書物…人を狂わせる何かこの世のものでない気配をまとった書物。触れる者、近づく者に影響を与える。
・レンギョウ城…名前の由来は「連翹」薬にもなる植物。解毒剤にもなる。
・ドクウツギ城…名前の由来は「毒空木」枝葉、果実に劇毒を含む。
→毒、狂うのが勘ちゃんで抑えるのが兵助的な。そんな関係をほのめかしておく←











◇プロローグ◇


―――舞い散る花(血)に酔い乱されて狂い咲いた恋心―――




***

とある城で催された宴。その城主が所有している書物を持ち帰る任を与えられた兵助は城に忍び込んでいた。
なるべく人目につかぬように城内を動いていく。
目的の場所の目安はついている。瓦に飛び乗り城壁にはりつき中をうかがう。
いつもと変わらない動き、こんな任務、すぐにすませるつもりだった。

ふと血の匂いがただよった。
一人や二人の数ではない。異常を察知し兵助は血の匂いを辿り城の裏庭の瓦へと躍り出た。
暗闇の中で何者かが動いている。普通の人間の動きではない、これは―――

”の動きだ

どうやら兵助の他にも何らかの任を負った忍がいたらしい。
ふと月光が雲の隙間からこぼれた。月の光は次第に姿を照らしていく。
長く、どこかやわらかそうな質感の髪をなびかせ動くはやはり忍であった。
兵助は息を飲んだ。
まるで舞い散る桜と同じように軽く、だが確実に隙のない動きで城の兵を殺めていく。その動きに兵助は魅了された。
最後の兵を殺した後、視線に気付いたのか奴はこちらを見た。

二人の視線が絡み合う

互いに視線が離せなくなった

高鳴る心臓

兵助は何を考えるまでもなく奴に斬りかかっていた。
奴は驚いた表情を最初こそしたが、次の瞬間には本気(殺し)の目になっていた。
その目の冷たさに兵助は恐怖を感じながらも鼓動は高鳴っていた。

―――楽しい―――と、

殺し殺されのこの世界でのこの一秒がたまらなく愉しく(たのしく)感じられた。
久々に自分と互角、いや、それ以上かもしれない相手に巡り会えた喜びに思わず笑みがこぼれた。

「俺は久々知兵助、お前の名は?」

奴は一時置き、

「尾浜勘右衛門」

と応えた




◇エピローグ終◇





ちなみに勘ちゃんが城の兵と戦っていたのはちょっと(うっかり)ミスをやらかして見つかり、口封じの為です。

その内他の五年生も出したい。火薬つながりでバナ丸も。
オリジナル衣装を製作中です。完成したら載せたいです。

キサラギの陰陽録

2013-02-15 04:09:39 | あやかし陰陽録
※※※※※ あてんしょん!!!! ※※※※※

この小説はZynga様のアプリケーション『あやかし陰陽録』の二次創作です。
主人公がオリジナルな上に、オリジナル設定、オリジナルの人物が出てきます。一応ストーリーに添った形にしたい所なのですが、万両は何章か進めてしまっていて会話もうろ覚えという有り様です。所々違うかもしれません。

はっきり言いますと、自己満足な小説です。
しかし、周りにプレイしてる人いないし、『あやかし陰陽録』を知ってもらえるきっかけになれたらと思って書くに至りました。


ありえないと思う方はUターンをお勧めします。
まあ、暇つぶしに見てやるよという方はこのままお進みください






◇序章◇

この世には霊力を持つ人間が存在する。彼らは「陰陽師」と呼ばれ、この世の均衡を保つ役割を果たしている。
そもそも何故陰陽師が生まれたか?
この世には人間以外の意志を持つ力が存在する。


壱、妖魔(ようま)

弐、神霊(しんれい)

参、九十九神(つくもがみ)


である。
彼らは強大な力を持ち、この世の理を覆す可能性を秘めている。この三つ力とこの世の均衡を保っているのが陰陽師なのだ。
そんな陰陽師を束ねるは、京都に本拠地を置く「陰陽院」という。

三つの力と陰陽師は時に協力しあい、時に衝突している。

その事実は歴史の裏側にあり、一般的に知られてはいない…




***

「只今をもってお前が“キサラギ”を襲名する事となる。」

父上は病(やまい)で弱った身体からそう私に告げてきた。

「…御役目、立派に果たして見せます。」

そう私が応えると父上は満足そうに微笑んだ。

***

場所:東京駅前

「ふわあ!ここが東京ですか…。何やら人がごった返していて、にぎやかだなぁ。」

通勤前のラッシュ時なのか、スーツを着た人々が行き交ってゆく。

「カガミ知っていますよ、こういう状態を『ふはは、見ろ!人がゴミのようだ』と言うんですよね。この間の金曜ろーどしょうで観ました!」

ふふん!と少女はつぶやいた後、がっくりと肩を落とした。

「…こんなこと言ってる場合じゃないですね。早く『キサラギ殿』のお住まいに向かわなきゃなのに…。東京、複雑怪奇です…。」

少女は懐から一枚の紙を取り出した。
住所が書いてあるその行き先は…目白。

「うーん…目白駅にはどうやって行けば…?…あ、あの人に聞いてみようかな?」

携帯電話をいじっている女性に声をかけてみた。

「あのーすみません。目白駅にはどうやって行けばいいのでしょうか?」

「……」

「あのーカガミに目白駅への行き方を教えてくれませんか?」

「……」

反応は無し。まるで少女が見えていないかのようだ。

「んー…そうでした。カガミは他の人には見えないんでしたね。うっかりうっかり☆」

聞くことを諦め、少女は地図を片手に歩き出した。


***

場所:目白・キサラギ邸

趣のある日本家屋。庭には沈丁花(じんちょうげ)の花が咲いている。
この家の主、キサラギは縁側で日向ぼっこをしてくつろいでいた。
空は晴天。まさにお昼寝日和…

「キサラギ!昼を食べてから寝ると、身体に悪いとあれほど言ったのに!」

バンッ、と襖を開けてキサラギに牽制チョップを食らわせたのは
猫耳…ではなく、狐の耳を生やした青年だった。
ぐえ、と、うめき声をだし、キサラギは我に返った。

「はっ!みたらし団子!」

「…何の夢を見ていたのか。キサラギ、食っちゃ寝は駄目だと言っただろう!?」

「うー…銀はオカンみたいなこといつも言うよね。」

「だ・れ・が・オ・カ・ン・だ・と」

と、今度はギリギリとキサラギのポニーテールを引っ張った。
痛い痛いハゲる!!とキサラギが悲鳴を上げた所で手を離す。
彼は銀(ぎん)。キサラギの式神である。
本来ならば、あるじに従順なはずなのだが…どうやらこの二人は変わった関係らしい。
そう言えば、とキサラギが銀を振り向いた。

「陰陽院から来る子って確か今日来るんだよね?」

「そうだな。予定ではそのはずだ。…しかし、遅い気がする。」

「ねーねー銀、迷ってるのかもしれないね?迎えに行った方がいいかな?」

「行き違いになるかもしれないからあまり動かぬ方がいいのではないか?」

そっか…と答えたものの、やはり心配でソワソワする。何か自分に出来ることはあるだろうか…?
「あ」とキサラギの頭にアイディアが浮かんだ。

「ねえ、銀。その子の名前って…」


***

場所:東京のどこか


「うう…完璧に迷子です…。ここはどこなんでしょう…」

進めば進ほどゴールに遠ざかっている気がする。日も落ちてきて、気持ちはさらに暗くなる。

「カガミはここで力尽きてしまうのでしょうか…?お腹も空いてきました…」

路地にうずくまりため息をついていると、目の前に小さな花びらが落ちてきた。

「わぁ、きれい、」

そっと手を伸ばすとふわりと手のひらにおさまる。するとかすかに花びらから霊力を感じ取った。

「花びらから…どうして…?」

疑問に思っていると花びらがひとりでに漂い始めた。ふわふわと移動していく。

「あっ!待ってください!」

カガミは慌てて花びらを追いかけた。




細い道を通り、橋を渡って、花びらを追いかけ、歩き続けること約一時間。
カガミは一軒の家へとたどり着いた。花びらはその家の庭へと移動していく。
恐る恐るカガミは足を踏み入れた。
不思議な感覚がカガミを包んだ。今までの東京の町はどこか空気がくすんでいる感覚があったが、この家の敷地内に入った瞬間それが無くなったのだ。

(…ゴクリ)

カガミは庭の方へと進んだ。
人がいた。先ほどの花びらを手にして、カガミの方を向いた。

「君がカガミちゃん?」

「はっ、はい!カガミです!」

「初めまして!私がキサラギだよ。よろしくね!」

夕日が彼女の銀髪を橙色に染めている。不思議な雰囲気のするキサラギからカガミは目が離せなかった。


***

場所:キサラギ邸


「キサラギ殿の術のおかげで無事たどり着くことができました!ありがとうございます!改めまして、陰陽院から来たカガミです。これからキサラギ殿にお仕えする事になります。どうぞよろしくお願いします!」

「よろしくね、カガミちゃん!私は陰陽師のキサラギだよ。そして私の隣にいるのが…」

「銀と名乗っている。妖魔の管狐(くだぎつね)という種族だ。キサラギの式神をつとめている。」

「よ、よろしくお願いします!」

「ねえねえカガミちゃんは妖魔?神霊?九十九神?」

「カガミは鏡の九十九神です。あるじのお役にたてるよう頑張りますね!」

そう言うとキサラギは目を輝かせた。

「銀、聞いた?“あるじ”だって!“あーるーじー”!何ともいえない響きだねぇ…。ねぇ、銀も“あるじ”って言ってみてよ!せーのっ、“あるじ”!ほい、一二の三はいっ、あーるー…」

「言わないからな」

ピシャリと断られた。なんだか仲の良い友達みたいだとカガミは思った。
同時に、仲間に入りたくなった。

「カガミのことはカガミってよんでください!」

「りようかーい!カガミ♪カガミ♪」

「あるじ♪あるじ♪」

「はぁ…、キサラギが二人に増えるなど、今日は厄日か…?」

(新しい所でやっていけるか不安でしたが、心配はいらなかったみたいです。カガミは頑張ります!応援してくださいね、師匠!)

これから始まる毎日にカガミは心を弾ませていた。
誰も予想だにしなかっただろう。この後、東京に起こる異変を……



◇序章・終◇