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篠崎博見ミュージアム

篠崎博見作品ギャラリー、受賞歴、活動歴は「カテゴリー」から!

ギャラリーの展示替え

2015-10-13 10:18:30 | アート・文化
ギャラリーの展示替えをしました。
今回の二科入選作品も載せました。
左の「カテゴリー」の「ギャラリー」をクリックしてね!

さて、今回の二科作品「スマホ対戦」
これは、偶然出会った老婆のおかげで誕生した作品なのである。

今年始め、参加していた展覧会のため、常磐線に乗り東京へ向かっていたときの事である。
暇つぶしに本を読んでいると、隣に白髪の老婆が座った。
見たところ、80才は過ぎているであろうその老婆が、おもむろに手提げからスマホを取り出したのである。
機種はよくわからないが、少なくとも簡単スマホではない。
私は、電車でスマホを取り出す姿に少々感心しながらもちょっとした興味にかられた。
いったいこの老婆は、スマホで何をするのだろう。

今どき老人であっても、携帯電話を持っている人は珍しくもないし、機種変のときにスマホへの乗り換えを勧められるというのはよくある話である。
そして、そのままなし崩しに、通信料の高いスマホに乗り換えさせられてしまうという事もありえる。
しかしその場合、スマホは携帯電話のかわりでしかないから、アプリを活用するような事もないであろう。
電車でスマホを取り出すという事は、ある程度スマホを活用している証である。

好奇心を抑えられなかった私は、失礼だと思いながらも、その老婆の手元へ目をやった。
すると、その老婆は「ツムツム」を始めたのである!
感動!
これぞ私が画題にしている「ランニングおじさん」ではないか。
性別こそ違えど、私のテーマである明るく元気な老後をリアルに実践しているのである。
ちょっと嬉しい気持ちになりながら、私は、自分の本の続きを読む事にした。
しばらくして、無意識ではあるが、再び隣の老婆の手元に目がいった。
すると、その老婆はいつの間にか「ツムツム」は終わりにして、何やら「ロープレ」に夢中になっているのである!
私は、電車のシートに座ったまま腰をぬかしてしまった。

もうこうなると、私の好奇心は止まらない。
次は何のゲームを始めるのか、気になって気になってしょうがない。
そして、この老婆の腕前も気になってしまう。
「ツムツム」もタイトル不明の「ロープレ」もゲームのルールはわからないが、私の見立ててでは、そこそこの手だれのようである。
その後も、この老婆は、別のロープレやパズルゲームを数種類こなして、数駅先で電車を降りていった。

そして私は、これをテーマにした絵を描かずにはいられなくなっていた。

これが第100回記念二科展入選作「スマホ対戦」誕生秘話である。



私は、通信対戦が好きにはなれない。
やはりゲームは、気心知れた友人と、同じ部屋でワイワイやるから楽しいのである。
この絵の二人の老人は、スマートフォンという現代のアイテムに果敢に挑みながらも、やはり面と向かって対戦してしまうのである。
同じ場にいるからこそ生まれるあの空気感は、通信対戦では生まれないのである。

そして私は、この記念すべき第100回記念展入選に導いてくれたあの老婆に感謝しなければならない。

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