昨日に続いて“千代田競演大会”の舞台から・・
特出の松原神楽社中さんの「天神」です
『これは君の仰せとも覚えず候。
伯夷叔齊(はくいしゅくせい)は周の粟(ぞく)を食(は)まず、
我が君神功皇后は三韓を攻めたまう。
傍若無人(ぼうじゃくぶじん)の左大臣、やがて王位を苦しめ、礎礩(そしつ)を移すは案の内、
御卑怯なることを仰せられ候ものかな。
早や早や御心を飜(ひるが)へし、取りひしぎ給うべし。
自らもこれよりも討ち物を捧げ、御伴仕るべく候。』
『菅原道真』は左大臣『藤原時平』の讒言(ざんげん)によって筑紫に左遷されます。
そこで道真公は、このままでは国の安泰はおぼつかないと、
天拝山に登って帝に無実を訴えようとしますが許されず、随身に命じて時平を懲らしめようとします。
やがて道真公の無念の想いは天に通じ、天は鉄火や雷を時平に降らして、その罪を罰します。
その後時平は、讒言は成功したものの官位が変わらない事から
朝廷を恨み悪心を起こして鬼になりますが、道真と随身により討ち取られます。
今日は長文で大変でしょうが、頑張って読んで下さ~い
一生懸命カキカキしました
この場面、一度討ち物に手を掛けながら、躊躇して後ずさりする道真。
尚も差し出す随身に促され、「よし、分かった!」とばかり、
小さく頷きながら討ち物を手にする、その細やかな動きから、
道真の心情を察する事が出来ます。
二枚目は、時平の登場シーン。
その大きさと形から、「ちりとり面」と言われる大きな面。
威圧感がありますねぇ。
後に本性を現した時の面が、正しく鬼であるのと対比して、
神のような威厳を感じます。
この“ちりとり面”、石見でも三隅以西独特の物だそうです。
独特と言えば、松原の天神では、道真と随身が共に闘いますが、
浜田市内はじめ他の社中では、道真一人というのが多く、
随身一人という社中もあります。
この辺り、社中によって解釈の違いがあって面白いと思います。
ちなみに、先日拝見した東山神楽団さんの「天神記」では、
死した道真が、雷神となって息子・菅秀才と共に闘っておりました。
広島と石見の違いも、興味深いところです。
そう・・この1枚目の場面
道真と随身の心の通い合いは素晴らしい
そして道真の寂しさただよう舞いには惹かれます
あの高貴さは素晴らしいですね
後半の烈しい立会いを一層盛り上げてると思います