地下の川がある
夜の翼の間を
わたしの体は漂う
わたしを運ぶ流れはとても黒く
どこへ運ばれるのかわたしは分からない
わたしはここ、川にいる
死と情交を結び
わたしの夜の翼の下で
専ら星たちが
歌うのを聞く
わたしは男の声を持ち
女の洞穴で
彼の声と寝る
わたしは女たちの川へ行き
そこ 流れる水の中で
わたしたちは濡れる
わたしは大地の中の
洞穴だ
雫が井戸へ落ちる
川の水は わたしの
口から生まれる
洞穴の腕の中で
わたしの声は眠っている
星座たちがわたしに
語りかけていることを
わたしは歌おうとしている
わたしの両脚の間に男はいない
子どもたちはいない
わたしは月食
わたしは荒地
月も海もない夜だ
わたしは血ではない
砂に記された一匹の魚の軌跡だ
わたしの死んだ母はここを通った
ここにわたしの祖母がいた
わたしはここにいる
わたしの湿った翼が
開く
アンバル・パストの略歴
1949年米国ノースカロライナ州生まれの女性詩人。父方は、九世紀にポーランドに王朝を開いたピアスト王の末裔で、十八世紀に米国へ移住しパスト姓を名乗った家系に属する。母方は、先住民チェロキー族の血を引く。
1974年にメキシコ文化の豊かさに魅せられ、人間の社会的価値が所有する物質的財産の多寡で計られる米国を捨ててこの国のチアパス州サンクリストバル市へ移住。長年この地に住んで先住民たちと親しく交流したが、現在はインド、ヒマラヤ地方の山中で瞑想と清貧の生活を送る。彼女の詩は、解放された自由な精神と鋭い感性で根源的な問題を捉え、エロスとアイロニーに満ちている。
詩集に、『かたつむり』、『木こりたちの夜想曲』、『わたしが男だったとき』、『ウラカーナ』、『ムンダ 第一のムンダ』など。
夜の翼の間を
わたしの体は漂う
わたしを運ぶ流れはとても黒く
どこへ運ばれるのかわたしは分からない
わたしはここ、川にいる
死と情交を結び
わたしの夜の翼の下で
専ら星たちが
歌うのを聞く
わたしは男の声を持ち
女の洞穴で
彼の声と寝る
わたしは女たちの川へ行き
そこ 流れる水の中で
わたしたちは濡れる
わたしは大地の中の
洞穴だ
雫が井戸へ落ちる
川の水は わたしの
口から生まれる
洞穴の腕の中で
わたしの声は眠っている
星座たちがわたしに
語りかけていることを
わたしは歌おうとしている
わたしの両脚の間に男はいない
子どもたちはいない
わたしは月食
わたしは荒地
月も海もない夜だ
わたしは血ではない
砂に記された一匹の魚の軌跡だ
わたしの死んだ母はここを通った
ここにわたしの祖母がいた
わたしはここにいる
わたしの湿った翼が
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アンバル・パストの略歴
1949年米国ノースカロライナ州生まれの女性詩人。父方は、九世紀にポーランドに王朝を開いたピアスト王の末裔で、十八世紀に米国へ移住しパスト姓を名乗った家系に属する。母方は、先住民チェロキー族の血を引く。
1974年にメキシコ文化の豊かさに魅せられ、人間の社会的価値が所有する物質的財産の多寡で計られる米国を捨ててこの国のチアパス州サンクリストバル市へ移住。長年この地に住んで先住民たちと親しく交流したが、現在はインド、ヒマラヤ地方の山中で瞑想と清貧の生活を送る。彼女の詩は、解放された自由な精神と鋭い感性で根源的な問題を捉え、エロスとアイロニーに満ちている。
詩集に、『かたつむり』、『木こりたちの夜想曲』、『わたしが男だったとき』、『ウラカーナ』、『ムンダ 第一のムンダ』など。
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