京都文化博物館のフィルムシアターで【証人の椅子】を観てきた
私の妻が徳島出身だからと云うわけではありませんが
以前から注目していた事件なので、仕事の帰りに鑑賞した
何とも重苦しくて、怒りで身体が震えながらの「終」であった
事件は1953年11月5日早朝に、徳島市のラジオ商〈現・電気店〉で起こった殺人事件
「三枝電気店」の男性店主が自宅店内で殺された事件であった。
内縁の妻・富士茂子〈当時43歳〉も負傷していた・・・当初、徳島市警察〈当時〉は
市内の暴力団関係者二人を強盗殺人容疑で逮捕その内の一人が自供した。
しかし証拠不十分で不起訴処分になる・・・ここから検察側の横暴が始まる
映画では「新田昌玄」演じる、検事が内部の犯行と決めつけて行く
先ず、ラジオ商に住み込んでいた16歳と17歳の少年を逮捕する
しかも、その内一人は45日間、もう一人は28日間身柄を拘束して取り調べ
その結果、「奈良岡朋子」演じる富士茂子の狂言と判定、翌年8月13日に逮捕
映画の奈良岡朋子演じる富士茂子さん こちら実物の富士茂子さん
映画では〈事実であろう〉検事のでっち上げや徹夜の連続による疲労からの自供
最初から内縁の妻の犯行と決めつけての取り調べなので、事実を隠蔽
虚しく時間が過ぎていくだけだった・・・
結局、裁判の費用が続かない事もあって・・上告を取り下げ、懲役13年が確定する
その後が、「福田豊土」演じる主人公の甥が、無実を信じて各地へ行脚
この活躍が・・・この映画のせめてもの救いであり、期待でもでもあった
しかし、この映画の製作時期が富士茂子さんの服役中であったため途中で終わってしまう
映画製作の1965年の翌年に、富士茂子さんは仮出所される
その後も、姉弟や市民団体の支援のもと、再審請求を続けたが・・・
第五次再審請求中の1979年11月15日、肝臓がんのため死亡、享年69歳だった
その後も再審請求がなされ、1980年12月13日に徳島地方裁判所が再審開始を決定
1985年7月9日に徳島地方裁判所は無罪判決を出した
ナント事件発生より32年の歳月が流れていた・・・
冤罪ほど腹立たしいものはない・・・富士茂子さんのご冥福を祈る
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