野口雨情と本居長世コンビの【青い目のお人形】【赤い靴】【七つの子】
最初の二曲が、異人さんを扱った・・・当時としては珍しい題材
しかし【七つの子】はカラスを題材にしている・・・何故カラスなん
この歌は大正10年〈1921〉に「金の船」7月号に発表され
翌年に本居長世の作曲で、童謡としてデビューしています
~ カラスなぜ啼くの カラスは山に
可愛い七つの 子があるからよ
可愛い可愛いと カラスは啼くの
可愛い可愛いと 啼くんだよ
山の古巣へ 行って見てご覧
丸い眼をした いい子だよ ~
〈1995年に著作権消滅〉
私的には、何でカラスなの、と思うわけです
このころは、今の様なカラスに対して悪感情を持ってなかったのかな~
我が家の周りの・・・カラスたちを見ているとこの歌とのギャップを
大人になって悪役呼ばわりされているので・・余計に可愛い子に歌うの???
ところでこの歌、以前から論争があるんですって
「七つ」に関してなんです、「七歳」か「七羽」かと云う数の話
カラスは一度に7羽も育てることはなく・・・
「7歳」なら・・・もう可愛い子供ではない、と云うわけです
私の思うのには、野口雨情には、八人の子供があった事が・・
何らかの影響として、歌の中に現れているのでは???
【青い目のお人形】のブログでも綴りましたが、太平洋戦争勃発で
みんなから白眼視されて、妻と8人の子供を連れて疎開しています
そんな貧乏のどん底で、一人寂しくひっそりと63歳の生涯を閉じます
【青い目のお人形】も【赤い靴】も、そして【七つの子】も・・・
本居長世と云う雨情の良き理解者によって感慨深い作品に
三曲とも、三つのパートに分かれていて、それが盛り上がりを形成して
まるで・・・大人の童謡と云った感じに出来上がっていて
三曲とも私の大好きな童謡です
永遠に歌い継がれることでしょう・・・ただ残念なのが
現在ならば、印税が入り・・もっと楽な生活がと思う事です
心より・・・野口雨情と本居長世のご冥福をお祈りします
その、「詩経」曹風・尸鳩篇に、
「尸鳩在桑,其子七兮。淑人君子,其儀一兮。 其儀一兮,心如結兮。」で始まる詩があります。
「尸鳩」がどういう鳥かは、専門家でないので、よく知りませんが、歌うことを前提に詩を作ったのであるとすれば、その音節数等の都合から、「尸鳩」を「カラス」に変えたのではないか、という気がします。