松凬からくり帖

松凬さんが73年の人生と吟道50年からの体験や、これから起こるであろう!未体験談を写真と共にお届け!

近江聖人【中江藤樹】の記念館には〖王陽明〗像が!

2018-05-25 15:55:51 | 日記

「近江聖人」と親しまれている【中江藤樹】先生

詩吟を続けてきて52年の私には、先生の【忍】と云う漢詩がある

             【忍】     中江藤樹作

 一たび忍べば七情 皆中和し   〈ひとたびしのべばしちじょう みなちゅうわし〉

 再び忍べば五福 皆駢び至る   〈ふたたびしのべばごふく みなならびいたる〉

 忍んで百忍に至れば 満腔の春  〈しのんでひゃくにんにいたれば まんこうのはる〉

 熙々たる宇宙 都て真境     〈ききたるうちゅう すべてしんきょう〉

中江藤樹の人間像がこの詩で、自然と浮かび上がってくるようで、生誕の地へ

今から8年前の2010年10月、湖西線の「安曇川」の駅に降り立った。

 

 

藤樹先生の生誕400年の年に当たっていた   「安曇川」の駅から東へ?真っ直ぐの道を15分ほど

 

立派な白壁の塀が現れた、記念館かな、と思いながら入って行くと〖王陽明〗の像が・・

あまり詳しく調べなくて、行ったので何故,〖王陽明〗が??とびっくりでした

と云うのも我が吟道松凬流では〖王陽明〗の漢詩「山中諸生に示す」を勉強していたから

     王陽明作    山中諸生に示す

 渓の辺 流るる水に坐す    〈たにのほとり ながるるみずにざす〉

 水流れて 心と共に閑なり   〈みずながれて こころとともにしずかなり〉

 知らず 山月の上るを     〈しらず さんげつののぼるを〉  

 松の影 衣に落ちて斑なり   〈まつのかげ ころもにおちてまだらなり〉 

と云う、心洗われる見事な詩である・・我が松凬流では人気のある詩だ。

まさか中江藤樹記念館の庭で巡り合うとは

しかもこの庭園の名称が・・【陽明園】となっていた 

 

陽明園を通り過ぎると、正面の「中江藤樹記念館」に出て来た

 

館内には「王陽明全集」も展示してあって・・・  中江藤樹先生宅の模型もあった

 

 

見事な庭園「陽明園」をご覧いただいた後、最後に先生の教えを・・・

藤樹先生の塾では、身分も学識も問題にせず・・・誰でも教えを受けることが出来た

晩年を迎えようとした時、郷土へ戻って来て「藤樹院」を開きます

郷土の人々や、先生を求めてくる人々と共に人の道を中心に・・・

人間としての大切な道を学び、その道を実行し【近江聖人】と称えられました

その代表的な教えに【致良知】〈ちりょうち〉があります

~人は誰でも「良知」と云う美しい心を持って生まれています

 この美しい心とは、誰とでも仲良く親しみあい

 尊敬しあい、認め合う心を云います。

 ところが人々は、次第に醜い色々な欲望が起きて、

 ついには、良知を曇らせてしまうのです。

 私たちは、自分の醜い欲望に打ち克って、良知を鏡の如く磨き

 その良知に従って、行いを正しくする努力が大切です。~

その他にも色々な教えがありますが、もう一つ代表的な教えが

~五事を正す〈ごじをただす〉と云う教えです

 五事とは「貌・言・視・聴・思」〈ぼう・げん・し・ちょう・し〉を云い

 「貌」とは・・・なごやかな顔つきをし

 「言」とは・・・思いやりのある言葉で話しかけ

 「視」とは・・・澄んだ目で物事を見つめ

 「聴」とは・・・耳を傾けて人の話を聴き

 「思」とは・・・真心をこめて相手の事を思う事

 普段の生活や、周りの人々との交わりの中で、

 自ら五事を正すことで、すなわち良知を磨き

 良知に至る大切な道なのです~

また後日、もっと詳しく中江藤樹先生の教えを伝えたいです

 


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