風邪でぶっ倒れてしまい、久しぶりの更新になって申し訳ありません。
今回から学園都市線の最後を追うシリーズが始まります。
シリーズ名は「学園都市線ディーゼル 最後の日々 ~Focusing the last operations」。「oparation」は、ここでは列車の運用のことです。記事を書くに当たり色々調べていたのですが、今のところこれが一番適当な訳語のようです。もっといい訳語があれば誰か教えてください。
[札幌都市圏の現在の路線図]
学園都市線(札沼線)の札幌~北海道医療大学の区間は、札幌都市圏とともに成長を続けてきました。
発展とともに複線化・高架化が行われましたが、2000年代に入っても非電化のままで残されました。そのため、学園都市線はバラエティに富んだ気動車たちの楽園でした。客車から改造されたキハ141系、キハ40系を種車に急行用に改造したキハ400系を再改造したキハ40形300番台・キハ48形1300番台、JR北海道の最新ディーゼル車キハ201系等々。ある程度流動性のある運用が組まれ、毎日のようにバラエティに富んだ編成を見ることができました。
しかし2012年、そんな楽園にもメスが入ります。学園都市線の電化です。
6月に北海道医療大学まで電化。そして、10月27日改正によって、学園都市線はすべて電車による運転となり、一部を除いて全て廃車となりました。
せめてその最後を見届けたい。その思いから、私は最後の一か月間、時間の許す限り札沼線を撮りに行くと決めたのです。
さて、撮ると決めたはいいものの、実際にはいくつもの問題がありました。
一つ目は、6月の改正で気動車の運用がめっきり減ってしまったことです。特に夕方はそれが顕著で、気動車による札幌発下り(石狩当別方)の最終は19:00(1629D・あいの里公園行)になってしまいました(終電は23:59)。
その上、気動車の運用はキハ201系とそれ以外の一般型(キハ40系列+キハ141系)で分けられていました。これはキハ201系が他と併結できないのが原因なのですが、日中の時間帯はほとんどがキハ201系があてられていました。気動車の最終列車もキハ201系の運転で、一般型による下り最終はなんと15:20(1585D・あいの里公園行)。ほとんどが朝の時間帯に集中していました。また、下り4本に対して上りは9本と、上りに偏っていました。本数の足りない分は苗穂から回送されていたようです。
以下は時刻表から類推された一般型の運用(2012年6月1日改正)です。[番号は仮のもので実際の運用番号とは異なります。また、一部は乗車結果から推測しています]
1 石狩当別5:58発→(520D)→札幌6:40着/6:50頃発→(回送)→あいの里公園7:20頃着/7:34発
→(1530D)→札幌8:09着→苗穂へ
2 石狩当別6:26発→(522D)→札幌7:08着/7:20発→(539D)→石狩当別8:09着/8:15発→
(538D)→札幌9:02→苗穂へ
3 石狩当別6:46発→(524D)→札幌7:35着/7:42発→(541D)→北海道医療大学8:34着/8:53発
→(542D)→札幌9:45着/9:56発→(553D)→石狩当別10:41着/11:29発→(556D※)→12:13着→苗穂へ
4 苗穂7:10頃発→(回送)→あいの里公園7:45頃着/7:54発→(1534D)→札幌8:28→苗穂へ
? 苗穂から→札幌15:20発→(1585D)→あいの里公園15:52着/16:13発→(1582D)→札幌16:46着
(?は1~3のどれかの運用の続きと思われます)
時間順に並べるとこうなります(回送列車除く)
《下り》539D:札幌7:20発→石狩当別8:09着
541D:札幌7:42発→北海道医療大学8:34着
553D:札幌9:56発→石狩当別10:41着
1585D:札幌15:20発→あいの里公園15:52着
《上り》520D:石狩当別5:58発→札幌6:40着
522D:石狩当別6:26発→札幌7:08着
524D:石狩当別6:46発→札幌7:35着
1530D:あいの里公園7:34発→札幌8:09着
1534D:あいの里公園7:54発→札幌8:28着
538D:石狩当別8:15発→札幌9:02着
542D:北海道医療大学8:53発→札幌9:45着
556D※:石狩当別11:29発→札幌12:13着
1582D:あいの里公園16:13発→札幌16:46着
[両表共通]※新十津川発5426D(キハ40‐400による運転)を併結
この、「朝の上りに集中運用」というのが実に厄介なのです。
札沼線の上り運用は石狩当別5:58発の札幌行520Dから三連続で一般型が入り、貴重な乗車チャンスなのですが、札沼線下りの始発は札幌駅6:16(529M)スタート。石狩当別に着く頃(6:59)には、三本目の524D(529Mとは一つ手前の石狩太美ですれ違います)も石狩当別を出発しているという有様。次の石狩当別発の一般型列車は538Dか541D(8:29発)。この時間になると、他の編成は苗穂の奥に引き籠ってしまいます。あいの里公園で折り返すのは手ですが、そうするとやはりほかの気動車列車に乗ることは難しくなります。
また、学園都市線にはこれといってフリーに乗降できる切符がありません。八軒と北海道医療大学を単純に往復するだけで1000円は軽く飛びます。近距離切符ですから改札を出たら無効になりますし、不正乗車はもっての外。せめて土日ならば一日お散歩切符で乗り放題なのですが、それでも2200円しますし、札幌⇔北海道医療大学の往復で1320円なのでわざわざ買う必要はありません。
時間的にも金銭的にも、本数は一往復が限度。それでもなんとか多くの気動車を――そのためには、一般型で運転される貴重な下り列車539D/541Dに乗車するのが一番です。全区間走破できる上に、下り列車の先頭からはすれ違う上りの一般型車両を見ることができます。
こうして必然的に、「八軒(自宅から一番近いため)→539D→石狩当別→541D→北海道医療大学→542D→札幌→1555D→八軒」というのが基本乗車スタイルとなりました。
これで万事解決かといえば、そんなことはありませんでした。
弱り目に祟り目とはよく言ったもので、9月の帰省後にカメラが故障してしまったのです。はじめはファインダーが閉まらないだけだったのですが、なぜか起動してもファインダーが閉じたままになってしまい撮影ができなくなりました。修復を試みましたが、そのまま帰らぬ人(物?)となってしまいました。携帯にカメラはついていますが、私の携帯のカメラでは画質が劣りますし、なによりもピントの精度が悪いです。鉄道撮影に携帯カメラは向いていないといってもいいでしょう。
10月から大学が再開してしまったのも、撮りに行けなかった原因の一つです。朝の運用が多いとはいえ、一往復していると一限が始まってしまうので、一限の無い日にしか乗れないことになります。土日は部活で忙しく、自動的に行ける日が限られてしまったのです。上記の列車のうち、一限に間に合うのは1534Dまでです。また、カメラを買いに行く時間がつけられなかったというのもあります。
時間とお金に何とか折り目を付けて札沼線に出かけることができたのは、ダイヤ改正二週間前となった10月13日となってまったのです。
(次回に続く)
次回からはそれぞれの日ごとの撮影記録を載せていきたいと思います。
追記:更新が遅れてしまったお詫びに、OuDia(OuDiaについてはこちらから)で作成した札沼線・新ダイヤグラムを載せておき ます。
ファイル:札沼線.oud
(ファイルを開くにはOuDiaをインストール必要があります。上のOuDiaのリンクからダウンロードできます。フリーです)
今回から学園都市線の最後を追うシリーズが始まります。
シリーズ名は「学園都市線ディーゼル 最後の日々 ~Focusing the last operations」。「oparation」は、ここでは列車の運用のことです。記事を書くに当たり色々調べていたのですが、今のところこれが一番適当な訳語のようです。もっといい訳語があれば誰か教えてください。
[札幌都市圏の現在の路線図]
学園都市線(札沼線)の札幌~北海道医療大学の区間は、札幌都市圏とともに成長を続けてきました。
発展とともに複線化・高架化が行われましたが、2000年代に入っても非電化のままで残されました。そのため、学園都市線はバラエティに富んだ気動車たちの楽園でした。客車から改造されたキハ141系、キハ40系を種車に急行用に改造したキハ400系を再改造したキハ40形300番台・キハ48形1300番台、JR北海道の最新ディーゼル車キハ201系等々。ある程度流動性のある運用が組まれ、毎日のようにバラエティに富んだ編成を見ることができました。
しかし2012年、そんな楽園にもメスが入ります。学園都市線の電化です。
6月に北海道医療大学まで電化。そして、10月27日改正によって、学園都市線はすべて電車による運転となり、一部を除いて全て廃車となりました。
せめてその最後を見届けたい。その思いから、私は最後の一か月間、時間の許す限り札沼線を撮りに行くと決めたのです。
さて、撮ると決めたはいいものの、実際にはいくつもの問題がありました。
一つ目は、6月の改正で気動車の運用がめっきり減ってしまったことです。特に夕方はそれが顕著で、気動車による札幌発下り(石狩当別方)の最終は19:00(1629D・あいの里公園行)になってしまいました(終電は23:59)。
その上、気動車の運用はキハ201系とそれ以外の一般型(キハ40系列+キハ141系)で分けられていました。これはキハ201系が他と併結できないのが原因なのですが、日中の時間帯はほとんどがキハ201系があてられていました。気動車の最終列車もキハ201系の運転で、一般型による下り最終はなんと15:20(1585D・あいの里公園行)。ほとんどが朝の時間帯に集中していました。また、下り4本に対して上りは9本と、上りに偏っていました。本数の足りない分は苗穂から回送されていたようです。
以下は時刻表から類推された一般型の運用(2012年6月1日改正)です。[番号は仮のもので実際の運用番号とは異なります。また、一部は乗車結果から推測しています]
1 石狩当別5:58発→(520D)→札幌6:40着/6:50頃発→(回送)→あいの里公園7:20頃着/7:34発
→(1530D)→札幌8:09着→苗穂へ
2 石狩当別6:26発→(522D)→札幌7:08着/7:20発→(539D)→石狩当別8:09着/8:15発→
(538D)→札幌9:02→苗穂へ
3 石狩当別6:46発→(524D)→札幌7:35着/7:42発→(541D)→北海道医療大学8:34着/8:53発
→(542D)→札幌9:45着/9:56発→(553D)→石狩当別10:41着/11:29発→(556D※)→12:13着→苗穂へ
4 苗穂7:10頃発→(回送)→あいの里公園7:45頃着/7:54発→(1534D)→札幌8:28→苗穂へ
? 苗穂から→札幌15:20発→(1585D)→あいの里公園15:52着/16:13発→(1582D)→札幌16:46着
(?は1~3のどれかの運用の続きと思われます)
時間順に並べるとこうなります(回送列車除く)
《下り》539D:札幌7:20発→石狩当別8:09着
541D:札幌7:42発→北海道医療大学8:34着
553D:札幌9:56発→石狩当別10:41着
1585D:札幌15:20発→あいの里公園15:52着
《上り》520D:石狩当別5:58発→札幌6:40着
522D:石狩当別6:26発→札幌7:08着
524D:石狩当別6:46発→札幌7:35着
1530D:あいの里公園7:34発→札幌8:09着
1534D:あいの里公園7:54発→札幌8:28着
538D:石狩当別8:15発→札幌9:02着
542D:北海道医療大学8:53発→札幌9:45着
556D※:石狩当別11:29発→札幌12:13着
1582D:あいの里公園16:13発→札幌16:46着
[両表共通]※新十津川発5426D(キハ40‐400による運転)を併結
この、「朝の上りに集中運用」というのが実に厄介なのです。
札沼線の上り運用は石狩当別5:58発の札幌行520Dから三連続で一般型が入り、貴重な乗車チャンスなのですが、札沼線下りの始発は札幌駅6:16(529M)スタート。石狩当別に着く頃(6:59)には、三本目の524D(529Mとは一つ手前の石狩太美ですれ違います)も石狩当別を出発しているという有様。次の石狩当別発の一般型列車は538Dか541D(8:29発)。この時間になると、他の編成は苗穂の奥に引き籠ってしまいます。あいの里公園で折り返すのは手ですが、そうするとやはりほかの気動車列車に乗ることは難しくなります。
また、学園都市線にはこれといってフリーに乗降できる切符がありません。八軒と北海道医療大学を単純に往復するだけで1000円は軽く飛びます。近距離切符ですから改札を出たら無効になりますし、不正乗車はもっての外。せめて土日ならば一日お散歩切符で乗り放題なのですが、それでも2200円しますし、札幌⇔北海道医療大学の往復で1320円なのでわざわざ買う必要はありません。
時間的にも金銭的にも、本数は一往復が限度。それでもなんとか多くの気動車を――そのためには、一般型で運転される貴重な下り列車539D/541Dに乗車するのが一番です。全区間走破できる上に、下り列車の先頭からはすれ違う上りの一般型車両を見ることができます。
こうして必然的に、「八軒(自宅から一番近いため)→539D→石狩当別→541D→北海道医療大学→542D→札幌→1555D→八軒」というのが基本乗車スタイルとなりました。
これで万事解決かといえば、そんなことはありませんでした。
弱り目に祟り目とはよく言ったもので、9月の帰省後にカメラが故障してしまったのです。はじめはファインダーが閉まらないだけだったのですが、なぜか起動してもファインダーが閉じたままになってしまい撮影ができなくなりました。修復を試みましたが、そのまま帰らぬ人(物?)となってしまいました。携帯にカメラはついていますが、私の携帯のカメラでは画質が劣りますし、なによりもピントの精度が悪いです。鉄道撮影に携帯カメラは向いていないといってもいいでしょう。
10月から大学が再開してしまったのも、撮りに行けなかった原因の一つです。朝の運用が多いとはいえ、一往復していると一限が始まってしまうので、一限の無い日にしか乗れないことになります。土日は部活で忙しく、自動的に行ける日が限られてしまったのです。上記の列車のうち、一限に間に合うのは1534Dまでです。また、カメラを買いに行く時間がつけられなかったというのもあります。
時間とお金に何とか折り目を付けて札沼線に出かけることができたのは、ダイヤ改正二週間前となった10月13日となってまったのです。
(次回に続く)
次回からはそれぞれの日ごとの撮影記録を載せていきたいと思います。
追記:更新が遅れてしまったお詫びに、OuDia(OuDiaについてはこちらから)で作成した札沼線・新ダイヤグラムを載せておき ます。
ファイル:札沼線.oud
(ファイルを開くにはOuDiaをインストール必要があります。上のOuDiaのリンクからダウンロードできます。フリーです)
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