Local-Liner ~静サツ雑記帳

静岡運転所札幌派出所=静サツへようこそ。
札幌圏の鉄道を軸に、気ままに書き連ねていく日記です。

ダイヤ改正に合わせて行った結果がこれだよ! その13 ~「ひたち」の世代交代 上野駅編

2013年06月16日 | 鉄道 ‐ 旅行(2013年)
現在地:上野

静岡まであと 150.7km(直線距離)



 上野駅17番線に停車中のE653系「フレッシュひたち61号」(上野20:30→いわき22:57)。車両については第6回で触れているので、ここでは割愛します。本日は青の編成があたっていました。ここからは見えませんが、奥にはオレンジの付属編成が繋がっているはずです。
 「フレッシュひたち61号」は、勝田までの区間運転の多いフレッシュひたちの中では最長距離を走る列車です(16号も同区間を走る)。スーパーひたちが震災の関係でいわき打ち切りになってからは、常磐線最長距離の特急の一つになっています。
 ちなみに、震災前のスーパーひたちは原ノ町行や仙台行がありました。もっとも、震災が起きていなくても、いわき~原ノ町~仙台間で新たに特急を新設し、スーパーひたちをいわき止まりにする予定でしたが……



 「フレッシュひたち61号」は私の到着とほぼ同時に発車しました。
 その10分後、新たに列車が入ってきました。






 やって来たのは「フレッシュひたち58号」。今回の改正でE653系を置き換えることになったE657系が担当しています。
 色とりどりの帯をまとったE653系とは異なり、E657系は白いボディに赤の帯――恐らくは偕楽園の梅をイメージしたもの――で統一。常磐線の特急は「スーパーひたち」が651系、「フレッシュひたち」がE653系と分けられていましたが、E657系への置き換えでは両方の列車にE657系が用いられています。
 そもそも、485系時代には「ひたち」で統一されていた列車が二つに分けられたのは、需要の棲み分けからでした。「スーパーひたち」はかつての中距離特急時代の流れを汲み、北茨城や福島東部と東京を最速で結ぶ役目をもっています。上野~水戸でノンストップの列車が多いのはそのためです。また、「スーパーひたち」は東京からの観光特急の面を持っています。使用車両の651系は7両(グリーン車込み)+4両と、485系時代(グリーン車・食堂車込みで12両orグリーン車込み9両)に引けを取りません。バブル末期の製造なので設備もハイグレードになっています。
 一方、「フレッシュひたち」は茨城南部を中心としたビジネス特急の側面が大きくでています。E653系がグリーン車なしで製造されたのはそのためです(区間「ひたち」が485系時代に7両モノクラスとなっていたのもある)。車内も実用性が重視された完全なビジネス特急です。
 そんな性格を違う列車を置き換えるE657系は、結果的に二つを折衷した車両となりました。顔は651系とE653系を足して2で割ったような顔ですし、編成もグリーン車込みの10両固定編成。「スーパーひたち」でいえば1両減車です。それ以上に深刻なのは「フレッシュひたち」で、昼間は7両編成がある一方、朝夕は14両編成となり、輸送力過剰/不足です。それを踏まえての10両固定編成ですから、車両を統一してコスト削減を図ろうという意図が露骨に見えています。
 JRはダイヤを組み替えることで輸送力過剰/不足に対応するそうですが、果たして……



 16・17番線前の改札(これも第6回を参照)には、翌日のダイヤ改正に合わせて編成変更の案内が出ていました。

 21時丁度に「スーパーひたち63号」となってE657系が去ると、再びE653系の時間が始まります。



 この日も前日同様、入場券を別途買って中に入ります。



 まずは21時4分に、E657系がいなくなった17番線に、「フレッシュひたち60号」が入線。折り返し21時30分発「フレッシュひたち67号」となる列車です。
 


 赤のK305編成が上野方です。



 勝田側はオレンジのK353編成です。



 背後の高架を常磐線のE231系が動いています。



 続いて向かいの16番線に21時15分発「フレッシュひたち65号」となる回送列車が入ります。





 こちらは黄色とオレンジ(編成番号は確認せず)の2色です。



 わずか5分余りで「フレッシュひたち65号」が発車します。



 同時刻、13番線から寝台特急「あけぼの」が発車。







 E653系の姿を追うように、常磐線のガードをくぐり東北本線の線路に合流します。



 21時30分発車の「フレッシュひたち67号」はまだ余裕があります。



 E653系の横顔。

 

 LEDの表示は、この頃(E653系は1997年~1998年製造)から本格的に導入されるようになりました。



 裾絞りに合わせて車番も歪んでいます。



 乗務員室扉の『K305』の表示。



 基本編成中間のサハE653は車端の車掌室が特徴で、窓だけ見るとグリーン車のようです。



 半時間前の自分のように、改札の外からE653系を眺める人も少なくありません。



 1号車のクハE652-5。



 先頭の白い部分には『Hitachi Express』の文字が入ります。転属先の羽越本線ではどうなるのでしょうか。

 21時30分。「フレッシュひたち67号」は高萩に向けて発車していきました。

 特急用の16・17番線ホームは、何も常磐線特急が独占しているわけではありません。





 22時00分発「あかぎ11号」はその典型例です。上野―前橋を結ぶこの列車は、高崎線版の「フレッシュひたち」です。

 この後しばらくはE657系の列車ばかりが続くので、ひとまず改札を出ます。



 折しも本州は梅のシーズン。水戸の偕楽園が見頃を迎えるこの時期、常磐線では臨時駅の偕楽園駅が開業。一部の特急も停車します。下りにしかホームがないのが特徴です。



 改札横のSLパネル展示。高崎支社ではD51-498に加えC61-20が新たに加わり、2機体制で蒸気を運転しています。2種類以上のSLを運転するのは、ここの他に大井川鉄道(C10、C11、C56)があるのみ。しかも、高崎にいるのは幹線用の大型機関車。他の蒸気とは圧倒的なパワーの違いがあります。



 上野駅中央口のほうに歩くと、NREが651系・E653系引退グッズを販売していました。やはりというか、あざと……なんでもないです。
 まあ、買いましたけどね!



 22時を過ぎようとしている今でも、長蛇の列ができています。



 現在も東北本線・高崎線・常磐線のターミナルとなっている上野駅は、発着する列車も膨大な数に上ります。発車時刻表もこの通り。



 表示に入れてもらえない「あかぎ」が可哀想……(同じ高崎線系統でも、「あけぼの」は13番線を、「草津」は14・15番線も使用)

 暇なので他のホームにも行ってみました。



 13番線ホームの終端にある石川啄木の碑。啄木は岩手の玉山村(現:盛岡市)の生まれです。かつてここに発着していた列車は、東北新幹線として生まれ変わり、この碑の10メートル下にある20~23番線に発着しています。



 14番線から高崎線快速「アーバン」が発車。



 多くは高架の5~9番線から発車しますが、今でもホーム数の関係で地上の13~15番線から発車する列車があります。



 16・17番線に戻ると、既に22時50分発「あかぎ13号」が待機中でした。



 再び改札の中へ。



 なにやらさっきより混んでいるようです。



 多くの人が、カメラ片手に17番線で待機しています。



 一方の16番線は人気なし。ホームの中央を境に、人口密度が明らかに違っていました。



 22時35分。『列車がまいります』の表示が出ると、ホームは一気に緊張感に包まれます。

 果たして、「それ」はやってきました。



 来ました! 651系です!

 651系は、485系だらけだった常磐線に新たな風をもたらすべく開発された車両です。高運転台・流線型をとる前面はそれまでの特急のイメージを覆す画期的なデザインでした。白いボディとあいまって、つけられた愛称は「タキシードボディ」(※公式の売り文句です)。
 JR車としてはJR九州の783系(ハイパーサルーン)に続き現れた651系は内装でも初採用のものが多く、扉上部のヘッドサインや読書灯設置、運転台や車掌室へのモニタ設置など、現在の特急車につながるシステムを積極的に取り入れました。もちろん、性能は日本初の130㎞/h営業運転を達成するほどのハイパワー仕様です。
 しかし、既に登場から20年がたち、機器の老朽化がきていることから、E653系のような他線への転用の話はありません。おそらくは廃車になってしまうと思われます。



 到着後すぐ、ヘッドライトはあっという間にテールライトに切り替わりました。

 周囲が見守る中、幕回し(方向幕の切り替え)が始まります。



 今は亡き原ノ町行。



 651系のいわき行は上野19時丁度発の「スーパーひたち53号」で幕を閉じています。



 原ノ町行同様運行実績のなくなった仙台行。しかし、多くの列車は付属編成のみで、この1号車を含む基本編成はお盆など1年のうちわずかな時期のみの運行でした。



 過去に存在した「スーパーひたち」の勝田行。

 

 名称すら消えた「おはようフレッシュひたち」の文字も……



 幕の回転が止まりました。「フレッシュひたち」勝田行――651系最後の旅路は、このフレッシュひたち75号勝田行です。常に「スーパーひたち」に入る651系が、唯一「フレッシュひたち」となる列車です。



 薄くなった1号車の表示が年月を感じさせます。

 以下、恒例の側面大集合シリーズです。
 各車両ごとの解説は割愛します。

      

 基本編成・K106編成の7両。



 4号車のサロ651-6は、サハE653と同じく車掌室部分が大きく取られています。



 連結面。

   

 付属編成・K209編成の4両。

 で、両方とも先頭側から撮った写真が少ないのですが、



 理由は簡単。案の定、先頭はこんな感じで祭でした。



 隣で「あかぎ13号」が発車しても、ほとんど気づく人はいません。



 なんとか身を差し込んで撮影します。黄色の線はぎりぎり守りましたよ?

 ところで皆さんお気づきでしょうか。



 よく見ると、先頭の表示が「スーパーひたち75号」になっています。
 「スーパーひたち」と「フレッシュひたち」は連番で振られているので、「スーパーひたち75号」は存在できません。
 気付いたのは私だけではありませんでした。あたりでは疑問符が飛び交いますが、真相はいまだ謎のままです。



 少し651系から身を離せばご覧の通り。ケーキにたかるアリのようです。



 パンタグラフを撮ろうとしたのですが、夜なので上手く撮れませんでした。



 本日の目的地はもう決まっています。

 ここまで来たら、この列車で勝田に行くほかないでしょう。


 ……と、盛り上がってきたところで次回に続きます。
 予想以上に長引いてしまい、私も驚いております。
 次回で本当に終了しますので、どうか最後までお付き合いください。




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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
間違いがありますよ~ (常磐線復旧祈念)
2014-07-28 01:52:37
スーパーひたちの基本編成は繁忙期に限り、仙台まで入線してましたよ。 (原ノ町発着は1往復、基本編成の入線がありました)

また、勝田行のスーパーひたちも設定された実績があります。
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Re:間違いがありますよ~ (shizusatsu113)
2014-07-30 18:07:21
常磐線復旧祈念様

ご指摘ありがとうございます。コメントに基づき記事の修正を行いました。よろしければ勝田行きのスーパーひたちの詳細を伺いたいです。
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勝田発着のスーパーひたちについて (常磐線復旧祈念)
2014-08-11 23:24:18
度々失礼いたします
勝田発着のスーパーひたちですが、1998年から2002年まで設定がありました。

2002年ダイヤ改正時に、いわき・原ノ町・仙台発着はスーパーひたちに、勝田・高萩発着を原則フレッシュひたちに変更したようです。 (いわき発着のフレッシュひたちがありますので「原則」という言葉を使用しています)

今は無き原ノ町・仙台行の方向幕が見ることができて、嬉しく思います。
いつの日かスーパーひたちが再び仙台駅まで走ることを祈念して…。
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