みなさまお久しぶりです。
ダイヤ改正の
1ヶ月ぶりの更新は、久々の吹奏楽新作でございます。
まずはどうぞお納めください。
ニコニコ動画
Youtube
※同一動画です。どちらも本人による投稿です。
2016年記念すべき第1作は、「あんハピ♪」より、OPの「PUNCH☆MIND☆HAPPINESS」(Happy Clover)です。
2016年春では、「三者三葉」と並んで日常系筆頭です。
そのため、
作詞はおなじみ畑亜貴、作曲は田中秀和です。
初っ端のタイトルといい、作詞作曲といい、いやな予感しかしませんね。その通りです。
フル版はまだ出ていないので、アニメ尺(1分30秒版)での作成となりました。
初めに編成の紹介です。
[編成]
・Flute
・Oboe
・Bassoon
・E♭Clarinet
・B♭Clarinet(1st./2nd./3rd.)
・Bass Clarinet
・Soprano Saxophone
・Alt Saxophone
・Tenor Saxophone
・Baritone Saxophone
・Trumpet(1st./2nd./3rd.)
・Horn(1st.&2nd./3rd.&4th.)
・Trombone(1st./2nd./Bass※) [※……通常のテナートロンボーンも可]
・Euphonium
・Tuba
・Drums
・Glockenspiel
・Xylophone
・Vibraphone
・Tambourine
・Whip[or Hand Clap]
ポップスの標準ともいえる編成。
それでは解説と参りましょう。
・なんで今作ったの?
静サツはこれまで、フル版が出てから製作を始めていました。
というのも、静サツはTVsizeといわれる短縮版があまり好きではないからです。
楽曲を収集するときはフル版を探すことに執念を燃やしており、フルを探すために1曲あたり1時間近くかけたこともあります。
さて、そんな静サツの方法には問題点があります。
それは、「公開が遅くなってしまう」という点です。
このことは前々回の『アイデンティティ(酒井ミキオ)』の時も書いたのですが、最近のアニメのOPやEDは商売商品として見られているためか、CD発売(つまりフル公開)が1クール中盤以降に設定されています。大抵放送開始から6週後ぐらいが通常です。ここ最近のアニメ楽曲は、声優が歌うキャラソンから、通常のバンド曲まで多種多様ですが、放送前にフルが出たことはほとんどありません。放送開始後3週間後に出た『アイデンティティ』が早い部類に入るぐらいですから。
しかし、フルを待ってから製作すると、1クールに2つ作るのがやっととなってしまいます(それが2015年冬)。
静サツに時間があったからいいものの、時間がない場合は製作を諦めざるを得なくなってしまいます。
ex)これまでの例:DayDream Cafe(ごちうさ1期OP)など
そして、この春(2016年春クール)はOP・EDともに豊作ともいえるほど楽曲に恵まれています。
4月半ばにして、既に作りたい曲が5つを超えていました。
そんなわけで、とりあえずTVsizeで1つ目の作成にとりかかりました。
上の理由のため、フル版が出た暁にはフルを作成します。
ちなみにフル版は5月26日に発売予定です(ダイレクトマーケティング)。
・最凶コンビ
この曲の作詞は、驚異の作成速度で知られ、複数人いるとさえ言われる畑亜貴さん。
作曲は、数々の中毒曲を発表し続けてきた田中秀和さん。
この二人が組んで何も起こらないわけがなかった――
なにせこのコンビは、「SAN値!ピンチ!」で知られる稀代の中毒曲『恋は渾沌の隷也』(ニャル子さんWOP)を世に送り出した
ついでに言えば、その前置きともいえる、「(」・ω・)」うー!(/・ω・)/にゃー!」こと『太陽曰く燃えよカオス』(ニャル子さんOP)もこの二人の
まさに中毒曲の権化ともいえます。
ちなみに、私の初期の作品である『めいあいへるぷゆー?』(サーバント×サービス)も田中秀和氏の作品です(作詞はこだまさおり)。
そんな二人ですが、田中氏がアイカツ
まあ、出オチだと思うくらいにやらかしてくれましたよ。
具体的には――
・開幕「パンパン PUNCH MIND! パンパンパンパン PUNCH MIND!」と思い思いに叫ぶキャラたち(音程がない)
・そしてその裏では、開幕から不協和音のPUNCH(ベースコードはFaug)
・開始4小節目でスラップベース
・Aメロの掛け合いの謎和音
・Bメロ開幕から突然始まる高速スウィングタイム おまけに音量ピアノ(p)(※BPM154です)
・8分刻みの高速ウッドベース(スウィングと判断した理由の一つ)
・16分であらぶるシロフォン
・「しぁわせはどこにあ~るの~だ~ろ~」(※本当にこんな感じ)のせいでこれらが全く聞き取れない
(※特にドラムはジャズ式の叩き方なので音の粒が小さく本当に聞き取れない)
・サビからトランペットが発狂気味
・最後の最後で出だしと同じ不協和音
いざ作ろうとなった時に出てきたこれら問題に、静サツの方がPUNCH MINDでした。
全体を通して、畑さんが得意とする掛け合いと、田中さんが得意とする独特の和音感覚が交わった結果、「声ネタで和音がかき消されて和音が分からない」という印象です。
特にBメロは、出だしの花小泉杏(CV花守ゆみり)が歌う「しぁわせはどこにあ~るの~だ~ろ~」があまりに強すぎてまともに聞き取るのは不可能です。
どのくらいやばかったかというと、今のところ出ているこの曲のアレンジ(4人ほど居ます)で、音の取り方が全員違うという有様です。そうでなくともバックの音量が小さくて聞き取れないのに。
実際どのように鳴っているかは、instrumentalが出ないことには分からないですね……
一方で、Aメロ前の軽快なメロディーや、キャラを順々に出していく畑スタイル、疾走感というより”颯爽”感あふれるサビは、さすがだなあと思います。
・では、どうやって作るのか
あまりの難しさにリアル発狂しかけた静サツですが、スウィング区間以外はなんとかKIAIで耳コピを行いました。
上に書いたようにメロディー回りは厄介ですが、逆にドラムとベースは簡単(というほど簡単でもなかったけど)だったので、初めにメロディー・ドラム・ベースを固め、その上から肉付けする方法で書き上げました。
最初と最後の「パンパン(以下略)」はどうしようもないので削除。裏が不協和音のためどうしても音響的に無理はあるのですが、音程がないものを楽器にやらせても特に面白い気もしなかったのでばっさりカットしました。
こうして、2日でスウィング区間6小節を残して大体完成させましたが、この6小節が予想以上の鬼門でした。
Instrumentalはまだないので、とりあえずAudacityでテンポを遅くして(154→132→108)みましたが、半分以上が聞き取れませんでした。
最終的に96まで落としてみましたが、シロフォンとベースの一部は最後まで聞き取れませんでした。
これ以上落としても、ノイズが増えるだけだったので、あとは音的に無理がないよう勘で埋めました。
聞き取れる部分だけでも十分おかしいんですけど……
フル版になったらここも変わるかもしれませんね。
・構成は意外にもシンプル
様々な
要するに聞き取れればどうということもないのです。聞き取れれば。
メロディーのキャラが切り替わる部分は、メロディー担当の楽器を入れ替えることでばっちり再現。Aメロは木管、サビは木管+トランペットです。
なお、サビにトランペットを入れた関係で、原曲のブラスの一部は他の楽器で置き換えています。そうでもしないと、サビ前が最後の華になってしまうという……
・ホルン大活躍(?)
さて、今回のアレンジではホルンが大活躍してくれています。
出だしのバックで流れる弦から始まり、Aメロのカッティング。Bメロではなんと主役を張り、サビでは伸ばし音を中心に、メロディを支える立役者です。
まあ、サビに使おうとすると微妙に音域が高いのが原因なんですけどね。
ベース群と並んで、今回の「縁の下の力持ち」ともいえる存在です。
ほら、大体A以下に抑えたよ! これで『ホルンが異常に高い』なんていわれないよ! やったね(以下略)
一方、ホルン以外の金管は正直活躍の場を見出せず、手持ちぶさたな感はあります。
特にトロンボーンはいまいち使いどころがなく、最後にサビがあるくらいです。特に3rd.はバストロンボーン前提で書いている(一応テナーでも吹けます)ので、1st.や2nd.に比べて火ましております。
なお、サビのブラス部分はきちんとトランペットとその他で補っていますのでご安心ください。
え? またペッター殺しかって? そのぐらい働いてくださいよ。ほら、一応高音吹けなくてもほかで補えるシステム(フルート・オーボエ・エスクラが同音域でカバー)だし。
ということで、早いけど楽曲紹介の記事でした。
現在書こうと思っている曲でフル版が出るのが最も早い曲は5月11日なので、それまでにいくつかつくっていきたい所存です。
それではみなさん、楽しいゴールデンウィークを。
おまけ
・この曲ドラムの叩き方講座
元パーカッションとして、一応この曲の叩き方を解説しておきましょう。
この曲は全体として基本的な8ビートで構成されています。ハイハットオープンもほとんど出てこないので、テンポさえ守れば叩くのは難しくないと思います。
唯一の難関として、Bメロのスウィング区間ではBPM300オーバーの高速レガートが出てきますが、私が見た中ではこの動画が参考になりそうです。
英語なので何を言ってるのかわからないかも知れませんが、要は「通常のシンバルレガートを速くするだけ」です。
シンバルレガートは変則的ではあるものの、ダウン・タップ・アップの組み合わせです。
ここで、タップ→アップの時に腕を使わないようにすることで、腕を下げて(ダウン)から上げる(タップ→アップ)間に「3発」打てることになります。
さらに、腕の動きをひとつなぎにすることで、一振りで3発になるはずです。
ついでに、この区間はジャズ区間なので、マッチドグリップでもレギュラーグリップを意識した叩き方が必要です。
左手のスネアはスネアに寝かせ、押さえつけるように叩くとよいでしょう。
ちなみに、途中左手だけのタム回しがあるので、レギュラーグリップで叩くのは難しいと思います。
以上、元パーカスによるアドバイスでした。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます