ままならぬ人へ

午前六時はまだ外は暗い．そんな中
明かりをつけずに携帯電話をいじる．
眼鏡をかけていないのにも関わらず
くいっとずれた眼鏡をあげる仕草を
している時点でなにかもう疲れてる．
まだ朝は始まってもないというのに．

おひさまが昇ってから同居のひとは
健康的に起きてきました．それじゃ
朝の支度をしましょう．ちょこまか
服を行き来させて，それではどうか
気をつけていってらしてくださいな．

晴れたり曇ったり雨ったりと不穏な
天気ですが，とりあえず寝てしまえ．
寝逃げじゃ寝逃げ．と思って布団に
駆け込んだところ，チャイムが鳴り
中断される．はいお荷物，判子ぽん．

とどいたのはワイシャツです．さて
ついに5Lという人外魔境に到達して
実に遠い目をする．そもそも現在が
人三化七であることは判っています．
だからこそこんな大きな服を着ると
いう状態になっているわけで．でも
そろそろ人間に戻りたいお年頃です．
痩せなくちゃね．そろそろ収入にも
介護保険料とか引かれるころですし．
ああ世知辛い世知辛い．だけど重要．

同居のひとから連絡，今日は食事を
食べて帰るらしく．お疲れさまです．
ぼくも台所でちょこちょこと軽食を
取ります．ずずず．ゴミを整理して
ちょっとテレビを見て．ぐきぐきと
首を鳴らしながら自分の部屋に戻り
趣味をつらつら．あとお風呂の準備．

同居のひとが戻ったらちょっとだけ
自分の食事を追加．それから風呂で
ひと汗かいて，ゆっくりと就寝へと
姿勢を整えていきます．準備は万端．
イヤホンを装着して，眠くなるのを
待っていれば一日が終わるでしょう．