誰も現実を見てない

朝，目が醒めたら雨が降っていて．
しんどいけど自転車は使わないで
歩いて行こう．この調子だと少し
遅刻してしまうな．少しだけだけど．

10分ほど遅れて到着，暖房を入れて
お湯を沸かして，お茶を淹れながら
自分のマシンを立ち上げる．今日も
いろんな疑問や質問に答える生協の
白石さんのような仕事をいたします．
プログラムをください．という端的な
質問が来る．著作権だとかこのひと
わかってるのかしらん，と思いつつも
申し訳ございませんがそれは会社的に
いたしかねますと丁重な返事を出す．
まあ，そんな仕事です．中にはとても
ユニークな質問をされるお客さまも
いらっしゃるので，文面はほがらかに
笑いつつ心でじとじと泣いております．
みんな，サポートセンターに無茶な
質問を振ったりしちゃいけませんよ．

さて．このところ音信不通となってる
バイトさんの住所を突き止め，直接
交渉のミッションがついに発生する．
地図を片手に寒い中をうろうろ歩く．
幸い雨はぱらぱらと小雪となっていて
歩くのに不自由はない．住所にある
マンション名は表示されていなくて
探すのに骨が折れました．でもドアの
チャイムを押しても無人のようです．

このマンションは一階部分が店舗に
なっていて，そこの女主人へと少し
聞き込みを開始．ちゃんと住所自体は
ここで間違いないらしい．でも部屋の
番号が違いますよと．で，当人は一応
生きてることが昨夜確認されてました．
ただ，見たところ郵便受けは郵便物で
いっぱいになっており，頻繁に内容を
チェックしているわけではなさそう．
郵便受けに入れると気づかれないと
思ったので，ドアを開けると落ちる
メモを挟んでおきました．このメモを
読んだら至急電話して来てください．
みんな困ってますよう．もし仕事を
辞めるとしても，後始末はちゃんと…．

会社に戻り報告書をまとめていると
胸の携帯電話が鳴る．親のひとから．
いったん風吹きすさぶ外に出てから
電話に出る．やっぱりぼくの名義で
住宅ローン借りないとやってけないと
いう話だそうで．その話って長くなる?
ちょっと家に帰ってからにして下さい．

ひねた質問に斜めな答えを返しつつ
定時に仕事を終えて家に帰る．すると
郵便受けに荷物が．ディスプレイが
運ばれたらしいが不在のため帰ると．
電話して持ってきて下さいとお願い．
マシンの調子を整えながら待ってると
再度実家からのお電話．あれやこれや
話をするが，ぼくの現在の年収では
ローンなんて組めませんよ．という
お話を少々．親のひとたちはひどく
がっかりしていたが，現実を見てね．
できることからゆっくりやりましょ．

とりあえず，年末実家に帰ることに
しました．まだ未確定だけど．んで
必要なものと必要でないものを分けて
できるだけこっちに持ってきます．
今回が人生最後の里帰りになります．
もう帰る場所はなくなるのですから．