ぼくはコード進行がわからない.だからせめて
それを抜き出して書き出すのだ.練習曲の譜面に
振られたコード記号を,左手コードボタンの図を
印刷したものの隅に書いてゆく.そして該当する
ボタンに○を付け,それがどの位置にあるのかを
あらかじめ確かめてみる.理屈によると,この
配置を崩すことなくずらして行けば,転調するが
音楽はそのまま保持されていくという話である.
最初は… E.それから B.Bってどこだ.ああ,
H のことか.ということは C♭….隣りかあ.
それから F#….G♭だから,これもまた隣りで.
適当にメロディが盛り上がって,そこから C#.
え? ものすごく遠くないか? 一番下からこんなに
上まで飛ぶのか? そういうもの? …ああ,なんだ
E って一番下の方じゃなくて真ん中にもあるか.
せっかく大きい楽器を買ったのだから,こういう
ところでちゃんと広い鍵盤を活用しなくては.
結局一番最初に手を入れた部分は使わないで,
途中から気づいた真ん中の E あたりを中心に
わーっと左手が動く,予定,である.だけど
実際にそれをたどるのは至難の業であるので,
これから練習するのです.位置について,用意.