塩川昇 Performance Report

塩川昇 ライブのセットリストとオーディエンスからの感想

9.2 南阿佐ヶ谷 ひつじ座

2005-09-04 14:17:19 | Weblog
 小劇場「ひつじ座」のオープニングイベント『MOH DASH』。
9月1日、2日と2夜連続のこの日は二日目。
塩川昇(以下:のぼ)がプロデュースする「アコギな夜」。新しいハコなので、観る側も行く前から楽しみだった。


1番目『アーモンド』女性二人組。70年代ヒット曲を歌う。グループ名は「ザ・ピーナッツ」へのリスペクトに由来しているらしい。

2番目『辻盛ハヤト』悪たれ詩人。何故か観客全員に謝罪を要求する。しかしさもなくば「俺が謝罪する」優しい男。褒められて伸びるタイプ。絶叫するが本当は穏やかな性格。(本人談)
 彼のパフォーマンスは会場を大爆笑の渦に巻き込んだが、お笑い芸人ではない。辻盛ハヤトは詩人なのだ。詩人なのだが面白い。 
 詩人に向かって面白いと感想を述べることは失礼なのかもしれないが、今後の生活の中で彼のフレーズをこっそり拝借したくなってしまうくらい面白い。それを聞いた相手は私が面白い人間だと勘違いしてくれるだろう。
 前半は単身軍服に身を包み、絶叫。後半はギタリスト:安達大輔のレスポールが絶叫する中、やはり絶叫。私は客席の後ろから2列目の席で見ていたが、観客の震える肩、照明に照らされる頬の盛り上がり、思わず自然発生する拍手といったのリアクションの発生が、どんどん短いスパンで沸き起こっていくのが見えていた。 
 自身は一人で観に行ったため、照れもあり、声を出して笑うことはなかったが、脳が笑っていた。余談だが顔は笑うが声にならない笑いはレベルが高いと私はいつも思っている。
 そんな辻盛氏は笑いの中にふっと真剣なメッセージをしたためているように感じた。勝手な予測だが「おばあちゃんと猫」という詩、山を越えてもまた山があるだけさ、汚れた軍手を全部焼いてやる、でそれを感じた。
 でも私にとってのMVP作品は「天気予報」だが(独笑)。←Blog上の言葉では伝えきれないので是非生の辻盛氏をご覧になってください。面白すぎてジェラシーさえ感じます。

3番目『春』三角堂で活躍中の春さん。
 この日はご本人曰く、中学3年生以来2度目のソロステージ。
 春さんご自身、そして多くのファンの皆さんには失礼ですが、私は今回はじめて春さんの存在を知り、パフォーマンスを拝見したのですが・・
 圧倒されました。
 打ちのめされました。

別格ですね!!
 ハイトーンなのに太いボーカル。
 抜群のギターテクニック。
 心憎いばかりのコード進行。
 厚みのある音作り。
 
 そんな余裕が伝わり、ご本人が楽しんでいる感覚が感じられ、聞いている側に心地よさが生まれた。
早く帰って自分もギターを弾きたいという衝動に駆られた。
 この後春さんは、のぼのIt’s All Rightにも参加。
 彼はのぼとは10年以上の付き合いになり、今回のぼが「是非」とオファーしたそうだ。春さんものぼなら是非ということで、
タイトルをアコースティックギターの「アコギな夜」と命名。
ところがその後辻盛ハヤト氏の参戦も決まり
あこぎな商売、で使う意味での「あこぎな夜」に改名。春さん談です(汗)。

※どなたか、この日のセットリストがわかる方、教えてくださいm(_ _)m

トリ『塩川昇』
≪セットリスト≫

MidnightJunky
少年とナイフ

Bird
スケアクロウ
切なさの行方
トビラヲアケロ
It'sallright

ありがとう

・Midnight Junky:この夜の1曲目は、叫びでもなく、アコースティックな響きでもなく、Grooveでキた。
初っ端から掴んできた。私はソロバージョンしか聞いたことがなかったが、ギタリスト:安達大輔(以下:安達っつぁん)とのからみで、夜っぽい感じ、悪っぽい感じを演出。
安達っつぁんの叫びは、以前よりも歪み、ラウドになっているような気がした。これが噂の「爆音」だったのかと。
・少年とナイフ:今夜はボーカルが非常にノッているなと感じた。詩尻の表現ひとつひとつが、気持ちを込めてるが故、コンディションの良さ故にいつもと違う捻り方をしたのか?
・Bird:JALやANAのコマーシャルに合いそうな、ドライブ感のある曲。『この夏、JALでいく、沖縄・・』みたいなコピーに合いそう。次回作のアルバムには是非収録して欲しい。
・スケアクロウ:名曲。私的にはずばりストライク。この作品も次回のアルバムには必ず入れていただきたい。
只、この曲まではちょっと弾きすぎかなと感じた。音と音がぶつかって勿体無い部分がいくつかあった。特に安達っつぁんとの絡みでは、のぼはリズムだけでも良いと思った。
春さんとは対称的に、15年の音楽生活の中で8割はソロステージだったのぼは、リズム、コード、リード、魂の全てを6弦で表現することに全力を注いできたのだと思う。
・切なさの行方:以前、ツアーから帰ってきたら、置手紙がおいてあった・・・そんな思い出を苦笑い交じりに話すのぼだが、CD通販サイト「Jet Robot」http://www.jetrobot.com/rock/shiokawa/shiokawa.html
でも試聴ではなくダウンロードになっているくらい、のぼにとって思い出深く、大切な曲。昔から聞いているファンにとっては。これぞ塩川節という感じがする。
・トビラヲアケロ:人を殺すことで、儲かる奴がいるらしい・・・そんな前ふりのMCから始まった怒りの曲。
メッセージは勿論だが、サウンドそのものも熱く研ぎ覚まされており、日本圏以外の人が聞いてもその気持ちは伝わるのではないだろうか。我々が洋楽を聴いて熱くなるように。
・It’s All Right:ライブのエンディングではもう定番の「大騒ぎ用」ナンバー。「It's all right♪」は観客との掛け合いが出来る構成になっているのだが、のぼはステージを飛び出し、煽る煽る。更に前列席の椅子に飛び乗り、煽る煽る煽る。
安達っつぁん、春さんとのギターバトルは圧巻。ベースもドラムも入っていないのになんと分厚いサウンドなことか!
アンコールが出なかったのが不思議な位だった。
・ありがとう:井上陽水・奥田民生の’97のシングル。本日出演メンバー全員でのスウィングアウト風パフォーマンス。
のぼがこの曲を選び、そして人前で歌うことは非常に意外だった。ヒット曲を持ってきたことは、自分の出番だけでなく、イベント全体を考えてのフィナーレだったのかなと思う。

 この日、珍しく1本も弦を切らなかったのぼ。
 弦を切ってしまうことは激しいパフォーマンスの証でもあり、個人的にはそんなに悪いことではないと思うが、勿論切らないほうがライブ全体の流れを自在に作れる。それにしてもあれだけ全力疾走したのにこの夜はなぜ切らなかったのだろう?弾き方を微妙に変えたのだろうか。メーカーを変えたのか・・・・??
 1,500円のチャージを払ったのだが、のぼは勿論、他の出演者のパフォーマンスも、もう終わってしまうのか、まだ聴きたいと思わせるものがあった。

文:塩川昇公式サイト管理人(ファン歴14年目突入)

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