吹く風ネット

薬害

2003年1月23日の日記です。

1,
 この間、近所のおじさんが入院した。突然倒れて、病院に運ばれたのだ。
 その奥さんが話していたのだが、おじさん、入院してから変な行動を起こすようになったのだそうだ。何でも、病院にいるのに、夜になると決まって家にいるような錯覚に陥り、そこにある物を全部自分の持ち物だと思って、勝手に同じ部屋の人のカバンなどを開けたりするらしい。しかし、朝になるとその記憶はなくなっている、ということだ。

 病院側も、同じ部屋の人とトラブルを起こされたら困るので、このおじさんを個室に移したらしい。何で個室に移ったのかを知らされたおじさんは、現在罪悪感にさいなまれているのだそうだ。

2,
 以前似たようなことが、うちの親戚内であった。
 ある夜のことだった。警察からうちに電話がかかってきた。その親戚から自殺予告の電話があったというのだ。駆けつけてみると、親戚は包丁を首にあて、「死んでやる」などと言って吠えていた。警察も説得を試みたらしいのだが、言うことが支離滅裂で、話にならないと言う。とりあえずぼくは包丁を取り上げ、
「明日話を聞いてやるから、今日は大人しく寝とき」といい、寝付くまでそこにいて、その後凶器になるような物をすべて隠したのだった。
 凶器を隠している時、テーブルの上に親戚が病院からもらった飲み薬があるのに気がついた。近所の人の話では、親戚は腰痛で病院に通っていたらしく、言動がおかしくなったのは、その病院に通い出してからのことだという。ということは、病院からもらった飲み薬と何か関係があるのではないか、そのことも明日聞いてみようと思いながら、ぼくは家に帰った。

 翌朝、親戚宅に電話をしてみると、
「え、そんなことがあったん?」と言う。全く覚えてないのだ。至って冷静で、言うこともはっきりしている。そこでぼくは、
「もしかして、病院からもらった飲み薬がよくないんじゃないんかねえ。病院に行った時にそのことを聞いてみて」
 親戚は「わかった」と言い電話を切った。
 その翌日、親戚は病院に出向き、
「もう飲み薬を入れないでくれ」と医者に頼んだという。その後、そういうことは起こらなくなった。

3,
 実は、先のおじさんが騒ぎを起こしたのは、うちの親戚が通っていた病院と同じ病院なのだ。もしかしたら、親戚と同じ薬を投与されたのかもしれない。いったい何の薬だったんだろう?

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