吹く風ネット

習い性

 小学生の頃ぼくは、年上の人であろうが、同級生や年下の者と話しゃべるように、誰彼かまわずしゃべることが出来た。例えば、近所のおっさんのみならず、見ず知らずのおっさんとかにも気軽に話しかけていた。中学生の頃もそれは同じで、会う人会う人に気軽に声をかけていた。
 街で外国人を見かけると、習い始めたばかりの英語を駆使して話しかけたりもした。また、そのへんの不良たちと話すことにも頓着はしなかった。

 ところが高校生になってから、それができなくなった。何となく、しゃべるのに違和感を感じるのだ。
 理由はわかっている。部活に入った時、先輩から嫌と言うほど、
「先輩に会ったら必ず挨拶する」
「先輩としゃべる時は敬語を使う」
 をたたき込まれたのだ。
 ぼくが、年上とうまく話が出来なくなったのは、それ以来である。

 まあ、挨拶はともかくも、ぼくは元々敬語を使うのが苦手だった。話すとどうしても地が出てしまい、友だち言葉になってしまうからだ。
 小学生や中学生の頃、学校の先生としゃべる時、最初の2,3言は敬語で言うのだが、しゃべり出すとつい友だち言葉が出てしまい、それをずっと通してしまう。最初は寛大に構えていた先生も、最後にはいつも「調子に乗るな」と怒りだしたものだった。
 そういった調子で先輩に友だち言葉を出してしまうと、確実に鉄拳制裁が待っている。そこで、なるべく先輩とは話さないようにしていたのだが、それが習い性になってしまい、そのうち「先輩」が「年上」にすり替わってしまった、というわけだ。

 敬語さえ使わなければ、ぼくはいつでもしゃべり好きに戻っていける。その証拠に、年上に何人かは敬語を使わずに話せる人がいるが、そういう人たちの中では、ぼくは決して浮いた存在になっていない。
 年上の人とコミュニケーションを図るためにも、この際、敬語の壁を取り払おうかなあ…。


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