吹く風ネット

再録 入院日記(6)(7)

2020年10月2日 入院日記(6)
 入院というのは集団生活だ。生まれてからずっと少ない家族で暮らしてきたぼくにとって、集団生活で一番困るのがトイレである。小ではない。大の方だ。

 トイレの数が少ない所だと、人と被った時に困る。
 先に入っていて、ドアノックされると、焦ってしまい、出るものも出さずに退散してしまう。
 逆に誰か入っている場合は、その人の臭いを嗅ぐのがいやだ。

 この病院はトイレの数が多いので、そういうことは気にしなくてもいいのだが、一点だけ困ることがある。それは音である。ぼくは、他人の「ブリブリ」を聞くのが嫌なのだ。逆にぼくの「ブリブリ」を他人に聞かせるのも嫌なのだ。
 ということで、今回は早朝誰もいないのを見計らって行っている。


2020年10月3日 入院日記(7)
 1日に点滴治療が終わり、2日に検査が行われた。

 結果は良好で、主治医から、
「明日退院していいですよ」
 と言われた。
「えっ、もう退院ですか?」
「ええ、しんたさんの場合、すでに治療は終わっています。残るのはリハビリになるんですけど、これは実生活の中でやった方がいいと、私は思います。患者さんの中には、長く入院したがる方もいるんですけどね。あまりおすすめしません」

 もしかしたら、『後が詰まっているから、早く出てくれ』と言っていたのかもしれないが、主治医は好人物そうだったので、そうは思いたくない。

 入院生活がだんだん楽しくなってきたところだったので、何か物足りなさを感じる結末になってしまった。しかしいったん退院してしまうと、『二度と入院などしたくない』となるに違いない。
 明日から、また日常の生活に戻る。

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