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 ( 旧 )  しんじぶろぐ  【 ~2010年 】

~車椅子のジャズピアニスト~中村新史 の近況報告ブログ。(2010年12月まで)

ペダルアシスト装具、ほぼ完成。

2009年08月25日 19時34分29秒 | ペダルアシスト装具
(CHIEの投稿です)

ペダルアシスト装具が完成形に近づきました。
SHIN PROJECT の金子さんと滝さんが中心となって今年の4月頃から
いろいろなアイデアを持ち寄り、製作していただきました。

装具の大まかな構造は、
ダンパーペダルに補助ペダルとワイヤーを取り付け、床面の滑車を介して首にかける。
上半身の力を利用してワイヤーを引っ張ると、ペダルが降りてサスティーンがかかる。
というものです。

最初は自宅のアップライト用に作ってもらい、新史が使い方を練習する中で
改良を重ねていきました。皆で試行錯誤した過程をレポートします。

                            

ピアノのダンパーペダルに取り付ける「補助ペダル」は、足が届かないお子様用に
使われる市販の商品で、てこの原理で弱い力でも楽にペダルが動く構造のもの。
その補助ペダルを利用して、ワイヤーが引っ掛けられるように細工を施した。
一方、滑車を木の板取り付けワイヤーを滑らせる。
アップライト用は、板をピアノの下に噛ませることで滑車が固定できた。
これは「試作品第一号」(5月頃)

グランドピアノに応用した図
グランドの場合、板を噛ませることは難しいためガムテープで試みた。
ワイヤーで上に引っ張る力に対し固定が弱く、滑車部分が浮いてしまったため
ペダル効果が得られなかった。

重い鉄板を用いる案や、車椅子を含めた新史の体重を利用して固定する案など
アイデアを持ち寄りディスカッションを重ねて、第二作目の製作へ。

滑車を格子状のパネルに取り付ける

これが「試作品第ニ号」(6月頃)
つっぱり棒でパネルごと固定することにより、滑車部分が浮かなくなった。
ペダル機能が得られたと同時に、足を置く場所が明確になり
新史がピアノの前に座る動作がスムーズに行えるようになった。

装具をつけた時のペダル部分、真上からの図

補助ペダルに靴の一部がひっかかり、演奏中に不具合が起きたこともあった。
特に右足が装具に触れないような工夫として、L字型の部品を設置。
右足をせき止めるL字部品(7月頃)
ピアノに座る時は、L字部品の外側のスペースに右足を置く。
新史がわかりやすい目印として、蛍光+反射シールを貼った。

ワイヤーから上の「首ベルト」の部分も、いろいろなものを試した。
   
①ゴム製のベルト+S字フック        ②チェーン+布製カバー
  
③テナーサックス用ストラップ         装具を首で操作する様子
   
ベルト自体に伸縮性がなく、長さの微調整が簡単にできるという点が
一番のポイントのようで、現時点では②or③が有力候補。

意見を出し合い改良を重ね、ペダルアシスト装具が形になった。
完全にストレスなく使用できるために、新史が使いこなしていく中で
微調整は現在も進行中である。
現在の「自宅用装具」(8月)

持ち運び用バッグと「グランド用装具」

当初はせセンサー等を使った「電気的な装置」を製作する案もあったが、
新史の操作意図が直接伝わる「力学的な装具」が出来上がった。

新史の身体の状態として、5月頃はまだ装具を扱える上半身ではなかったが
装具の仕上がりと平行して、リハビリ効果が目に見えるように回復してきた。
演奏活動の復帰を目指す新史にとって、ペダル装具の実現は
なによりの励みになり、刺激になったのではないだろうか。
PROJECTのメンバーのアイデアと工夫と努力で完成したこの装具を
新史が演奏することで多くの人に知ってもらえれば、と思う。  (レポート:石田ちえ)

                            

PROJECT代表の大塚さん、金子雄太さん 滝幸一郎さん 沖野ゆみさん 

チャリティライブの会場提供、装具試供の機会にご協力いただいた
               KAMOMEの佐々木さん、スタッフの方々
チャリティライブに足を運んでくださったお客様
              一緒に演奏してくれたミュージシャンの方々

大勢の方のご好意で、ペダルアシスト装具が実現しました。
        本当にありがとうございました。     中村新史 石田ちえ

装具完成 茅ヶ崎自宅にて(8月)