旬の魚を食べるのが良いのですが、どの魚が旬なのかを覚えるのは大変です。
よって、好きな寿司を好きなだけ食べるのが良いです。
それでも、築地の寿司屋で数年にわたって毎週のように食べていたときの経験から、少しは分かっているな、と板前に思われる方法はあります。個人的な意見ですので、ご参考まで。
◎ツマミから入ってシメに寿司を頼む場合。普通はこれです。
◎ 刺身、煮魚、焼き魚、魚の揚げ物があるでしょうから、ホワイトボードか別メニューに書いてある今日のお勧め(今日のお勧めは、旬の魚である場合が多い。書いてなければ店員に聞けば良いですが、進んで言ってくる店もある。)やその店の定番らしきもの(これは店の人に聞いても良い。)から2~3品、頼みましょう。その中に、1品であれば、旬とは関係なく、単に自分が好きなものを入れても良いでしょう。
お酒は、ほろ酔いまでなら飲んでも良いですが、お茶でも良いです。
ビールやワインや炭酸飲料は、味が濃いことなどから、刺身や寿司には合わないと思います。
お酒は、日本酒や焼酎やウーロンハイの類が無難です。
◎ 食べ終わる頃に、寿司を頼みましょう。
基本的に、旬のものか、その店で味付けしているものを中心に頼めば、それらしく見えます。
食べる順番は、白身とかの味が薄いものを先に、味が濃いものを後にしておけば無難です。
お茶や少しのガリで口の中をすっきりさせるのは、魚が変わるたびにしておけば無難です。
塩や醤油で味をつけてくれない寿司屋の場合は醤油を自分でつけることになりますが、白身などの味が薄いものはネタに少し(多くても半分まで。)、赤身などの味が濃いものでもネタ全体に付けるようなことはやめましょう。シャリに醤油をつけるのもやめましょう。
口に入れるときは、シャリが上、ネタが下になるよう、寿司を口に入れる直前か直後に箸で上手い具合にひっくり返しましょう(アジなど、ネギが乗っているものをひっくり返すのは難しいので、シャリが下でも可。)。ネタが直に舌に当たり、味が分かりやすくなります。
○ セットを頼むのが無難ですが、それでは少しは分かっているなと思われないですし、既にいくらか食べているので、1人前では多すぎる場合もあるでしょう。
で、1カンずつ(店によっては2カンずつでしか握らない。)頼むなら次のような感じかと。
○ まずはカンピョウ巻。ない店もありますし、メニューにはないけれど頼めば出す店もあります。カンピョウ自体を店で味つけしているのかは店によりますが、店で作っていれば店の味が出ます。
ワサビを入れるかどうかを聞かれたら、お好みでどうぞ。ゴマを入れるかどうかを聞かれたら、これもお好みでどうぞ。
これはさっぱりしているので、時々食べて口直しに良いです。
なお、玉子は自家製が多いので店の味が分かるから玉子を頼むと良いとは相当前から言われていて常識になっているので、分かっていると思われる効果は皆無です。
そして、赤身のヅケや中トロのヅケのようなヅケ。中トロのヅケならより良いです。これは、ない店もありますし、メニューにはないけれど頼めば出す店もあります。マグロをしばらくヅケ醤油につけておくので、出てくるまでに数分かかります。また、赤身より中トロの方が脂が多いため味がしみ込みにくいので、時間がかかります。
中トロが好きなら、中トロのヅケは、是非お試しいただきたいです。
○ その間に、白身魚のような白いものは味が薄いので、まずはそれから数カン頼んで食べましょう。
なお、塩か醤油かを聞かれたら、味が薄い白身魚の類は塩を選びましょう。ユズとかスダチをかけるかと聞かれたら、好きな方を選びましょう。迷ったら、かけてもらいましょう。
それ以外の魚で塩か醤油かを聞かれたら、好きな方を選びましょう。今日は○○で、と慣れた風を装っても良いですが、背伸びは失敗の元ですし。
△△は醤油で良いですか?と聞かれたら、良いです、と答えましょう。
○ 次の順番はどうでも良いですが、数カンを頼みましょう。
ホワイトボードなどに書いてある今日のお勧めの魚は旬である可能性が高いので、その魚か、
煮穴子、煮ハマグリ、金目鯛とかの昆布〆、シメサバといった仕事をしてある魚か、あぶりホタテのようなあぶった魚を頼みましょう(仕事がしてある魚は、店の味が出るので。)。
因みに、煮穴子は薄味がついているのでタレ抜きという手もあり、こうすると穴子の味自体を楽しむことが出来ますが、穴子自体は薄味なので、好みが分かれるところです。私は、タレは濃すぎてあまり好きではないのでタレ抜きは美味しいと思いますが。
因みに、あぶりホタテはホタテの甘みが引き立つ一方、臭みが出る場合があるので、好みが分かれるところです。私は、臭みが出なければたまに食べたくなりますが、出来上がってみないと臭みの有無は分からないのでギャンブルです。
○ 旬に関係なく、好きなタイミングで、好きなものを数カン頼んでも良いです(玉子を頼んでも良いです。)。
但し、納豆巻とかトロタクとかサーモンは避けましょう。尤も、それなりの寿司屋では置いないでしょうけれど(サーモンは結構人気なので、置いている店もありますが。)。それなりの寿司屋は、少し気取っているのです(私はサーモンも好きなので、気にせず頼みますが。)。
○ その他、メニューにないものを頼むのも有効です。例えば、中トロ鉄火巻は、脂とノリのコラボが絶妙です(でも、1000円から2000円はするかも。)。
これが大トロ鉄火巻になると(1500円から2000円以上はするかも。)、これも美味しいですが、中トロ好きより大トロ好きの方がミーハーに思われかねないので、避けた方が良いです(私は気にせず頼みますが。)。
ワサビ好きならワサビ巻という手もあります。ノリとシャリとワサビ。これもさっぱりですが、私には物足りないです。
あぶりホタテ、中トロのヅケも、メニューにない場合が多いです。
なお、これは食べたことがない人に対しては説明がしにくいのですが、ふわっと巻いたネギトロ巻。
通常は海苔の上のシャリをある程度固めて、その上にネギトロを置いて巻きますが、シャリをほとんど固めずに巻くというもの。
シャリが口の中でとろけるような感じで、変わった食感で美味しいです。
ただ、最近のシャリは粘り気のあるコシヒカリ系であること(ササニシキ系の方が合いますが、そもそもササニシキ系はほとんど作られなくなった。)、そもそもこれを握れる板前は少ないですし、知らない板前もいるので、きちんとしたものが食べられる保証は全くありません。
○ 以上で6~8カン+巻物となり、1人前よりは少し少ない程度になります。
◎ 寿司のみの場合。
お好みで1カンずつ頼む場合は、上と同じです。
セットを頼み、プラスして数カンを頼む場合は、セットを頼むと少しは分かっているなと思われるのは難しいですが(会話をしながら旬のものが分かっているとかを示すことは出来ますが、そもそも旬とかが分からない人が会話をするとボロが出るので、してはいけません。)、強いて言えば、旬のものか仕事をしているものを頼みましょう。
◎ 尤も、そもそもツウでもないのに、そもそも分かっているわけでもないのに、そう思われようとする必要性はないはずです。
一昔前かそれ以上前と違って、気難しい板前は少ないです。
そんなことで格好つける意味はありません。(とか書きつつ、味が分かる客や常連の客には、いいところを握ってくれる場合がありますけれど、それとて、明らかにプロやグルメ系のマスコミと分かる場合を除けば、何回も通ってからでしょう。)
店としては、沢山払ってくれる客が良い客なわけです(1回で沢山食べるとか、何回も行くとか。)。
なので私は、旬の時期が一番美味しいわけですから、分からなければどの魚が旬かを聞きながら頼みますし(旬であってもその日は今一つという場合もありますが。)、これは旬ではないけれど今日の味はどうかと聞きながら頼みますし、つまり、旬とは関係なく食べたいものを頼みますけれど。
【shin】
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