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「傾物語」感想。真宵というより忍の恋の物語。でも、幽霊になったけれど「総合的には、私は幸せですよ」「悔いを残して死んだおかげで、私は、阿良々木さんと会えたんですから」と言う真宵は素敵過ぎ

◎ 「傾物語」(かぶきものがたり)感想。


 「君の影、探してまよう帰り道。」とのキャッチコピー。

 「《物語》シリーズ セカンドシーズン」も「猫物語(白)」に続いて2つ目の話が終わったことになります。

 羽川翼(cv堀江由衣)の「猫物語(白)」の方が明らかに良かったですし、最初に羽川という5つ星のメインディッシュを出されたので2つ目以降は3つ星であっても見劣りしてしまうのは仕方ないのですが、この真宵というより忍の話も考えさせられつつも楽しい会話であるとともに、ドタバタコメディのような動きで見せるとか、これはこれで悪くはなかったです。
 ただ、今後は戦場ヶ原の話もあるのでしょうから、それは羽川の話に近付くくらいの話、せめて4つ星であるよう、期待しているのですけれど・・・

 (9月8日(9月7日深夜)が最終回だったのに感想が遅くなったのは、「総集篇Ⅱ」(「化物語」から「ひたぎクラブ」「まよいマイマイ」「するがモンキー」「なでこスネイク」の4つを阿良々木の語りで。「化物語」の残り(「つばさキャット」しかないけれど。)はまた今度なのだとか。)の放送(9月15日)を待ったのではなく、睡眠時間を削ってまで感想を書こうとは思わなかったからですが。ただ、総集篇Ⅰ、Ⅱは2クールうめるために放送しているようにしか見えないなあ。復習ができて便利だから構わないですけれど。)


◎ 「まよいキョンシー其ノ壹」(1話)。
 力が弱まった吸血鬼もどきの忍野忍(cv坂本真綾)にタイムワープ能力があったとは驚き。

 阿良々木暦(cv神谷浩史)が夏休み最終日(8月20日)の夜に宿題をしていないことに気付き、宿題を片付けるために前日に戻るつもりが11年前の5月13日にタイムワープしたというのは、忍の力が弱くなったのに随分と前に戻ったのは何故だろうとは思いましたが、逆に、初めてでやり方が良く分からないのにやった上に力が弱くなったからコントロールできなかったということなのでしょう。

 八九寺真宵(cv加藤英美里)は10年以上前に交通事故で死んだとされているので、2人は図らずも、(作者が謀ったとおり、)小学5年で真宵が事故死する母の日の前日という、「傾物語」を始めるために都合の良い日に戻ったということになります。


 「猫物語(白)」の前日と初日の時期の話。今回は忍と阿良々木の出番が多く、真宵が思ったよりは少なかった気がしますが、4話で21~22歳の真宵が出てきましたし、まあ、いいかな。
 2話では、小学1年と思われる羽川翼まで出てくるとは。「小学生は最高だぜ!」とは私には思えませんが、小学生の三つ編み眼鏡の羽川は良かったです。2話はロリ羽川だけで満足でした。









◎ 其ノ貮(2話)。
 阿良々木の、真宵と羽川への変態ロリコンぶりを楽しむ話だったかなあ。
 忍が小学生の阿良々木に襲いかからんばかりのショタコンというのは、忍野メメ(cv櫻井孝宏)が怪異は見た側の問題である旨常々言っているように、怪異である忍が一番影響を受ける御主人の阿良々木の心理の投影ということでしょう。

 阿良々木は、子供の教育上、存在自体が不的確で18禁ですね。
 真宵の母の家を聞いた阿良々木にロリ羽川が交番を指さし、阿良々木が婦警に真宵の母の家を聞いたときに、婦警に捕まるべきでしたね。


○ さて、真宵の母の家をようやく発見。翌朝、既に戦場ヶ原と付き合っているのに羽川のような髪型と眼鏡と中学の制服の恰好をさせるというのは、戦場ヶ原に見られたら阿良々木は殺されそうですが、それはさて置き。


 真宵のスカートめくりとか、どう見ても不審者の阿良々木(幸か不幸か、真宵に顔は見られなかった。)。
 真宵に逃げられ、危うく車にひかれそうになったところを阿良々木が助け、母の家までついていくと。
 母に会いに行く途中に交通事故で死んだはずの真宵の運命が変わりました。


 阿良々木が真宵を助けようとしたから真宵が死んだというベタなことにならなくて良かったですが、とは言え、阿良々木が目論んだように、真宵が翌日に事故死したとしても、母に会えたから真宵は幽霊にならないというだけの話では面白くないわけで。


 ここからどう展開するのかと思ったらラスト、その程度の過去改変でどうして、2人が11年後の世界に戻ったら世界が滅んでいたのやら。

 風が吹けば桶屋が儲かる、を超えるぶっ飛びぶり。流石、物語シリーズ?。



◎ 其ノ参(3話)。
 約2ヶ月前の6月14日(文化祭の前々日。ブッラク羽川と阿良々木の対決の日。)の異変で、吸血鬼に戻った忍が人間を吸血鬼のケンゾクにすることに失敗してゾンビのようなキョンシーになっていたのだとか。

 真宵が幽霊にならなかったので真宵と阿良々木は知り合いにならず、家出した忍を見つけるヒント(※)を真宵が阿良々木に示せず、忍が加勢しなかったからブラック羽川と阿良々木が戦って阿良々木が負けたと。
 (※「化物語」13話の「つばさキャット其ノ参」冒頭。ただ、阿良々木は忍を探す努力をしたものの見つけたのではなく、「つばさキャット其ノ伍」で、どこにいるか分からない忍に助けを求めただけだったはずですけれど、私の見落としかな?。「猫物語(黒)」では忍が家出した様子はありませんでしたし。アニメでは描かれていないだけで、原作本では何か記述があるのかも知れませんが。いずれにせよ、何かの事情で阿良々木が忍に助けを求めなかったから負けたということでも説明は付きますが。)

 阿良々木に見つけてもらえなかったら世界を滅ぼすつもりで家出した忍が嫉妬で自暴自棄になり、阿良々木が死んだことにより吸血鬼の本来の力を取り戻していたので、世界を滅ぼすために住民の何人かの血を吸い、その住民が他の人の血を吸い、あっという間に世界中に広まっていったと。

 ただ、忍が直接に手を下せば有り得ますが、核シェルターも軍隊もあれば、誰も来ないようなジャングルの奥地とかにも人は住んでいますし、昼間は活動がにぶくなるケンゾクもどきですから、あっという間どころか2ヶ月で世界中の全員がケンゾクもどきになるとは到底思えませんけれど。ましてや、忍野メメやブラック羽川が直ぐにケンゾクもどきにやられるとも思えませんし、そう考えない阿良々木と忍とも思えませんけれど、2人はそう考えていないのですよね、何故か。
 4話で大人の真宵が、生きている人は結構いると言っていましたが。


○ 4話で、忍野の手紙によると、忍野が「意外なことに」、平行世界の阿良々木は戦場ヶ原と付き合っています(これに驚くということは、多分、元の世界である「猫物語(黒)」の最後の方で忍野が、阿良々木は羽川が好きだと思っていたと言っていましたが、この平行世界でも同様に思っていたということでしょう。)。

 よって、「化物語」15話の「つばさキャット其ノ伍」で阿良々木とブラック羽川の戦いのときに阿良々木が思ったように、ブラック羽川については、羽川に戻ったときに戦場ヶ原が復讐のために羽川を殺し、そして自殺したのでしょうから、2人は死んでいて当然ですが。


○ それはさて置き、神社のお札も効果が異なるものになっていたために神社に力が集まっておらず、また、怪異の忍と怪異もどきの阿良々木にはお札をはがすことが出来ず、よって、過去に戻って元通りにすることも出来ず、八方ふさがりの状況。


 ところで、忍がその程度で世界を滅ぼすのかと考えると、一応理解は出来るけれど・・・という感じ。

 その時の忍は、阿良々木が死んだとは言え、まだ阿良々木の影響を大きく受けている状況だと考えると、阿良々木にもそんな傾向があったということなのでしょう。「猫物語(黒)」で羽川のためなら死んでも良いと言っていたことなども考えれば、一番大事なもの以外はどうでも良いということでもあり、阿良々木にもそんな傾向はあったことは理解出来ます。だとすると、忍にとって阿良々木は大事な存在であり、恋でもしていたと考える方が妥当でしょう。

 阿良々木が死んだのだから忍は阿良々木の影響はほとんど受けなくなったと考えると、忍は本来の吸血鬼に戻る前から阿良々木に恋をしていたと考えるしかないでしょう。

 結局、忍は阿良々木に恋をしていたので(「猫物語(黒)」でもそれらしいことは描かれていましたが。)、阿良々木が死んだから嫉妬で自暴自棄になって世界を滅ぼしたというお話になります。

 吸血鬼である忍にとって人間はどうでも良いのかも知れませんが、阿良々木に会う前の本来の吸血鬼のときにも同様な方法で世界を滅ぼす力はあったのに何百年にもわたってそれをしてこなかったのにここではそうしたということになりますから、恋の力というのは恐ろしいものです。


 「猫物語(黒)」のコピーは「知らぬまに、落ちているのが初恋だ。」でしたし。


○ ラスト、人がいれば気付いてもらおうと期待せずに曇った昼間に花火をする2人。随分と大きな花火が沢山上がっていたのは謎として、取り敢えず、千近いケンゾクもどきが集まってきてピンチ!

 しかし、真宵の話のはずなのに忍の話のようだなあ。これはこれで話としては悪くないですけれど。


◎ 其ノ肆(最終4話)。
 忍野メメの手紙によると、2人がタイムワープをした先は平行世界の11年前で、その後、元の世界の11年後に戻ったのではなく、平行世界の11年後に戻ったのだとか。なるほど。

 結局、真宵や忍野などは生きていましたが、この辺では真宵のみになったとの21~22歳の真宵の弁。

 真宵が預かった忍野の手紙によると、(忍野がタイムワープを見抜いていたのも凄い洞察力ですが、)阿良々木と忍が、自殺に失敗した全盛期の吸血鬼の前に現れるだけで、2人が仲良くできるという未来があることを知った吸血鬼が生きるのを諦めると見抜いたのも凄い洞察力。

 結局、何百年も生きてきたのに、阿良々木と一緒にいたかった、構って欲しかった、頭をなでて欲しかったとか、吸血鬼は子供、だだっ子だったというだけでした(それは阿良々木の心理の投影でもあるのでしょうけれど。)。

 長生きすれば大人になるわけではないという、単純な真実です。


○ 吸血鬼が死ねばケンゾクもどきは人間に戻れるとのことなので、概ねメデタシメデタシなのですが、ケンゾクもどき化しないうちに死んだはずの平行世界の羽川と戦場ヶ原と阿良々木は生き返らないはずです。

 後半で阿良々木は、「それじゃ、まるであいつが世界に必要ないみたいじゃないか。そんなわけがないんだ。」と思った後に、「あいつがいてこその世界じゃないか。」と忍に言って吸血鬼との戦いに臨んでいますが、小学5年で真宵が死ななかったことで3人が死ぬことになったところが悲しいところです。
 阿良々木は気にしていませんが。


 ただ、元の世界に戻ってからのラストで阿良々木に幸せかと聞かれて、
 「幽霊になったことは不幸せです。
 でも、阿良々木さんに会えたことは、幸せですね。
 だからまあ、総合的には、私は幸せですよ。
 生きている間にお母さんに会うことは出来ませんでしたけれど。
 悔いを残して死んだおかげで、私は、阿良々木さんと会えたんですから。」

 と答えられる真宵の言葉が素敵過ぎます。


 良いこともあれば悪いこともあるし、悪いことばかりにこだわっていては損するだけだし、全体として良ければ良しとすべきだろうということを小学生の幽霊が言うのですから。


 さて、となると、母に会う前に事故死したから母の家を捜すために幽霊になった真宵が「化物語」の「まよいマイマイ」篇で問題が解決されたのに未だに成仏しない理由は、やはり、阿良々木といると楽しいからか惚れたから、ということかな。


【shin】
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