◎「HELLO WORLD」(ハロー・ワールド)
「たとえ世界が壊れても、もう一度、君に会いたい」
「この秋、日本のアニメーションが加速する」
「この物語(セカイ)は、ラスト1秒でひっくり返る」
2019年9月20日(金)公開、伊藤智彦監督、野崎まど脚本、98分。
総合評価は上中下の中。
堅書直実(かたがき なおみ)(cv北村匠海)、カタガキナオミ/先生(cv松坂桃李)、一行瑠璃(いちぎょう るり)(cv浜辺美波)、カラス(cv釘宮理恵)、勘解由小路三鈴(かでのこうじ みすず)(cv福原遥)、千古の助手の徐依依(しゅーいーいー)(cv寿美菜子)、アルタラを管理する施設のセンター長の千古恒久(cv子安武人)など。



○ メインの高校生、直美と一行を演じる俳優2人が今一つな事を除けば、SFも恋愛もまあいいんじゃないかな。
何でこうなっているのだろう、というところも最後の方で概ね理解できます。
好みはあるでしょうけれど、楽しみどころは多いです。
普通に見る分には、SFも恋愛もキャラも楽しめると思います。
・とは言え、少しもやもやした感じがありました。
他人と関わることが苦手な様子のヒロインの一行の話し方は、うまい人がああいう ぶっきらぼうな話し方で演じたというよりは、下手なのでああいう話し方で誤魔化したという感じ。
外見も話し方も、好きなタイプのキャラなだけに残念。
・SF設定が少し分かりにくいので(それは、今年は似たような設定のアニメ映画がいくつかあって、頭の中で少し混線するからという面もありますが。)、それを追いかけていると2人の恋愛感情に自分の感情を載せにくいです。
見ているときの感情や思考がとぎれとぎれになりがちなのは、2人の演技が今一つな事もけっこう大きな要因でしょうね。
・ではSF設定が凄いのかというと・・・
仮想世界Aの外側に仮想世界Aを認識している仮想世界Bがあり、その外側に仮想世界AとBを認識している現実世界があるという構造(アルタラで、京都の歴史をデータとして保存し、仮想世界としてシミュレーションしている。史実通りに進むようにコントロールされている。)。仮想世界Bが現実世界と客に思わせておいて、Bの外側の本当の現実世界の存在が最後の最後で明かされ、ラスト1秒でひっくり返る、という筋書き。
もっと前なら驚きの展開だったでしょうけれど(せめて、TVアニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション」(SAO3期1部、2018年秋-2019年冬放送。SAO1期は2012年夏秋。)より前かなあ。)、今となっては少し驚くくらいの展開なので、キャッチコピーはこれの事を言っているのか、と思った程度。キャッチコピーで言っているようなことが起きないぞ、どうしたんだ?、と思いながら最後まできたので、やっときたか、と思いました。
○ キャッチコピーで見ようという興味が湧いたとも言えます。
が、それゆえ、最後にどんでん返しがあることが分かるだけならまだしも、見ている間に、この物語の流れからしたらこの方向のどんでん返しだろうなとある程度の予想がついてしまうことになり、どんでん返しの面白さが半減した、とは言えます。
○ 新宿マルイアネックスにて。







【shin】