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「整形水」感想。どんでん返しが良い

【ネタバレ】

◎「整形水」

 「美(にく)をください。」
 「底なしの欲望が暴れ、狂い出す。韓国発!容赦なき整形サイコホラー」

 2020年の韓国アニメで、2021年9月23日(木・祝)に日本公開、監督はチョ・ギョンフン、脚本はイ・ハンビン、原作はオ・ソンデ、PG12、85分。

 総合評価は、3DCGは全体としては今一つな感じはしましたが物語が良いので、上中下で上くらい。吹替え版で見ました。
 「白蛇:縁起」は3DCGで見せる、「整形水」は物語で見せる、といったところです。



○HPに監督のコメントとして「最高のアニメーション大国である日本で公開されることになり大変光栄です。既存の日本のアニメーションとは明らかに異なるものの、これまでにない味わいがあると思います。外見への恐怖、他人の視線に対する恐怖を観客にストレートに投げかけ、私たちが作り出し、抜け出せないでいる、“外見至上主義”に対する絶望と悲しみを表現しようと思いました。アニメーションというよりホラー映画として気軽に楽しんで欲しいです。」とありますが、まさにそう。

 裸はありますがいやらしさはないので、グロテスクな面でPG12と思った方が良いです。気持ち悪いシーンがいくつかありますのでご注意を。

 イェジ(整形前)/ソレ(整形後)(cv沢城みゆき)、ジフン(cv諏訪部順一)、ミリ(cv上坂すみれ)、キム(cv日野聡)など。

○整形水で整形したけれど、それが崩れるとか副作用が出るとか、そういうのがクライマックスかと思って気楽に見ていましたが、序盤でそれが起きて、少し驚きました。

 最後のジフンのアレ、大どんでん返し、あれでもグロテスクさは抑えた絵柄にしたのだろうと推測しますが、それでも状況がグロテスク過ぎます。確かに20代女性が行方不明になるという事件が続いているというニュースが序盤で示され、途中でも示され、この伏線が回収されていないなとは思っていましたが、そうくるか!、という感じ。
 そのシーンがまたグロテスクで、気持ち悪いです。それ故、行き過ぎたルッキズム(外見至上主義)というのが強く印象に残ります。
 最後のグロテスクな大どんでん返しの印象が強すぎて、それによって本作の評価も上がったとは言えます。一方、それによってルッキズムのグロテスクさが際立って、現実への問題提起の面が薄れた感じがするのですが、エンタメとして一定以上の興行収入が見込めないといけませんし、薄れたかなという程度ですから、それはそれとして受け止めるべきでしょう。

○韓国では顔の整形が珍しくはないという話しは相当前から聞くことですが、女性芸能人だと、美人ですが似たような顔が多い、整っているけれど魅力に少し欠ける、という印象があります。
 美人とか可愛いとか、その方がそうではないより評価されるのは日本でもあることですから、整形はしても個々の特徴は残せるようにした方が良いのでは、くらいには思います。

 なお、イケメンとか美男子とか、日本では男であっても女同様に外見で評価される面があることは言うまでもありません(たぶん、韓国でもそのはずですが。)。男に女を、女に男を、外見で評価するなと言いつつ、女は男を、男は女を、外見で評価するということはないようにしてもらいたいものです。

 私は、外見も才能の一種ですから、ある程度は外見で評価されるのはアリだと思いますが(例えば、俳優やモデルなど。)、外見が関係ない事について外見で評価することはすべきではないと思います。

 外見のせいで、その外見に産んだ親のせいで、損ばかりしてきたと思っているイェジも、整形水で美人になって美男子と結婚しようとします。つまり、外見で差別されてきたと思っているのに外見で他人を差別していますから、イェジの場合は内面をどうにかしないといけないのですが。
 親に八つ当たりもしていますし、足りない「肉」を両親に無理矢理出させたので両親はげっそりとやつれていますし、うまく行かないのは何でも自分の外見のせいにして八つ当たりしていますから、イェジは少しは考えを変えないと(それができない人ではあるのでしょうけれど。)。


【shin】


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