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お話

日々思いついた「お話」を思いついたまま書く

ブラック・ジョーク『名医ハリー・24』

2009年06月24日 | 名医ハリー(ショートショート)
116
「では明日、午後九時にいらしてね」
「アリス先生、そんな時間じゃ、誰もいないんじゃありませんか?」
「ええ、わたしとあなたと、二人きり、邪魔は入らないわ」
「ええっ! 二人きりって、邪魔は入らないって・・・ 一体どんな検査をしてくれるんですか!」
「あなたの寿命が後どれくらいかの検査よ。そんなの他の人に聞かれるの、いやでしょう?」


117
「あなた、スミスさんに何を言ったのよ? 屋上から飛び降りちゃったじゃないの!」
「検査の結果を教えてくれってしつこく言うから、隣のベッドのアダムスさんの検査結果を教えてあげたの」
「それって余命一ヶ月以内ってやつじゃない! スミスさんは、今週中に退院だったのよ!」
「いいのよ、わたし、スミスさんの事が嫌いだったから・・・」


118
「ねえ、看護師のお姉さん、検査って、上向いたり下向いたり横向いたり、変なもの口に入れられたり飲まされたりで、うんざりしちゃうわ!」
「大人になってからだと、うんざりどころか、毎日でもして欲しくなるものなのよ、メイベルちゃん・・・」


119
「困ったわ。あの患者さん、検査を受けたくないって駄々こねてるの・・・」
「じゃあ、こう言ってあげるといいわ。『駄々こねてると、健康だと見なして退院してお帰りいただきますよ、奥さんの待つお宅に・・・』ってね」


120
「じゃ明日、午後九時にいらしてください」
「ハリー先生、そんな時間じゃ、誰もいないんじゃありませんか?」
「ええ、でも、邪魔が入りませんからね」
「そんなにじっくりと検査をしてくれるんですか!」
「そうじゃありません。何かあった時に、人知れず処理できますから・・・」





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