乳癌
●:乳癌取扱い規約、第15版、日本乳癌学会(編)金原出版、東京、2004
【乳癌の理解に必要な解剖】
●腋窩動脈 A. axillaris
○最上胸動脈 A. thoracica suprema 大胸筋と小胸筋の間に入る。小胸筋と前鋸筋に分布
○胸肩峰動脈 A. thoracoacrominalis
-鎖骨枝 R. clavicularis
-胸筋枝 R. pectorales
-三角筋枝 R. deltoideus
-肩峰枝 R. acrominalis
○外側胸動脈 A. thoracica lateralis 前鋸筋の上を垂直にさがりこの筋に分布。長胸筋とは無関係に走ることも多い
-外側乳腺枝 R. mammarii laterales
○肩甲下動脈 A. subscapularis
-胸腹壁静脈 Vv. thoracoepigastricae
-肩甲回旋動脈 A. circumflexa scapulae
-胸背動脈 A. thoracodorsalis 肩甲骨外側縁に沿って走り、広背筋と前鋸筋に分布。
○前上腕回旋動脈 A.circumflexa humeri anterior
○後上腕回旋動脈 A.circumflexa humeri posterior
●腕神経叢 Plexus brachialis
○鎖骨上部 Pars supraclavicularis
1.肩甲背神経 N. dorsalis scapulae
2.長胸神経 N.thoracicus longus 外側胸動脈に沿って前鋸筋に分布
3.鎖骨下筋神経 N. subclavius
4.肩甲上神経 N. suprascapularis
5.肩甲下神経 N. subrascapularis
6.胸背神経 N. thoracodorsalis 広背筋へ分布
○鎖骨下部 Pars infraclavicularis
1.内側胸筋神経 N. pectoralis medialis 大、小胸筋に分布
2.外側胸筋神経 N. pectoralis lateralis 大胸筋に分布
3.筋皮神経 N. musculocutaneus
4.内側上腕皮神経 N. cutaneus brachi medialis
5.肋間上腕神経 Nn. intercostobrachiales
●浸潤性乳管癌 infiltrating ductal carcinoma / invasive ductal carcinoma
●非浸潤性乳管癌 ductal carcinoma in situ; DCIS
●乳管内進展巣 extensive intraductal component; EIC
●EICの中でもcomedoタイプは広範囲に広がりやすく再発しやすい
●乳管内癌の局所再発の予測 Van Nuys Prognostic Index; VNPI
●MMGのEIC検出感度は40~80%
●USではEICは主腫瘤の周囲に低エコーの管状構造物として描出されることもある
●乳がん診断能として造影CTとMRIとは施設で違う
●乳頭分泌液擦過細胞診
●穿刺吸引細胞診 Fine needle aspiration cytology; FNAC
●Core needle biopsy; CNB
●vacuum-assisted large core needle biopsy; Mammotome TM
●胸筋合併(定型)乳房切除術 Halsted-Meyer法 =乳房+大胸筋+小胸筋+腋窩リンパ節 適応:大胸筋広範囲浸潤
●胸筋温存(非定型)乳房切除術(Patey法) =乳房+小胸筋+腋窩リンパ節 適応:腋窩リンパ節転移が著しい
●胸筋温存(非定型)乳房切除術(Auchincloss法)=乳房+腋窩リンパ節
●乳房扇状部分切除術 quadrantectomy =Bq+Ax
●乳房円状部分切除術 wide excision =Bp+Ax
●腫瘤摘出術 tumorectomy, local excision, lumpectomy =Tm+Ax
●腋窩リンパ節Level I:小胸筋外側縁より外側(brachial, subscapular,central,pectral)
●腋窩リンパ節Level II:小胸筋背側(Subpectoral)、および胸筋間(Interpectoral; Rotter)
●腋窩リンパ節Level III:小胸筋内側縁より内側
●鎖骨下リンパ節:最上部鎖骨下リンパ節(Halsted)を含む
●胸骨傍リンパ節
●鎖骨上リンパ節
●乳房温存療法の適応 :日本乳癌学会「乳房温存療法のガイドライン1999」
1. 腫瘍の大きさが3.0cm以下であること
2. マンモグラフィーなど画像上、広範な乳管内進展を示す所見がないこと
3. 多発病巣がないこと
4. 放射線照射が可能であること(重篤な膠原病、放射線照射の既往、患者が放射線を希望しない場合などは適応外)
5. 患者が乳房温存療法を希望していること
●Bqの適応
1. 腫瘍-乳頭間が2cm以上ある
2. 術後照射しないつもりで手術的に根治する(美容的側面を犠牲にしない)
3. 乳管内進展による切除断端陽性を回避するために円状部分切除では不十分な場合
●乳癌のTNM分類
T0:原発巣を認めないもの
T1:しこりの大きさが2cm以下
T2:しこりの大きさが2cmより大きく5cm以下
T3:しこりの大きさが5cmより大きい
T4:しこりの大きさに関わらず、胸壁が固定されたり、皮膚の浮腫や潰瘍、衛星皮膚結節を生じているような場合。炎症性乳がんも含む
N0:リンパ節転移が無い
N1:乳がんが見つかった乳房と同じ側(同側)のわきの下のリンパ節に転移を認めるが、可動性良好
N2:わきの下のリンパ節に転移があり、かつリンパ節ががっちりと互いに癒着したり、周辺の組織に固定している状態
N3:わきの下のリンパ節に転移があり、また/もしくは胸骨の近くのリンパ節に転移がある
M0:遠隔転移がない
M1:遠隔転移がある
●ステージ分類: http://www.csp.or.jp/network/kisoChisiki/nw_Kensa_L1.html
●早期乳癌とは腫瘤の大きさが触診上2.0cm以下で、転移を思わせるリンパ節を触れず、遠隔転移のないもの
●リンパ節転移 0個: 5生率=90%以上 10生率=80%以上 再発なしの10生率=70%以上
●リンパ節転移 1-3個: 5生率=60-70% 10生率=40-50% 再発なしの10生率=25-40%
●リンパ節転移 4個以上: 5生率=40-50% 10生率=25-40% 再発なしの10生率=15-35%
●術後薬物治療のストラテジー
ER(+) PR(+) → ホルモン療法 : 閉経前 (1)LH-RH アゴニスト (2)抗エストロゲン (3)黄体ホルモン剤
: 閉経後 (1)抗エストロゲン剤 (2)アロマターゼ阻害薬
HER2(+) →分子標的療法: トラスツマブ(ハーセプチン)・・・(1/W 1.5hr 単独またはタキソールと)
【ホルモン薬】
●抗エストロゲン剤
TAM タモキシフェン(ノルバテックス):10年後の生存率20%増加、骨粗鬆症リスク減、子宮体癌リスク増
TORトレミフェン(フェアストン)
●LH-RHアゴニスト
ブセレリン(ゾラデックス)
リューブロレリン(リュープリン)
●アロマターゼ阻害薬
ファドロゾール(アフェマ)
ANZアナストロゾール(アリミデックス)
EXEエキセメスタン(アロマシン)
●黄体ホルモン剤
MPAメドロキシプロゲストテロン(ヒスロンH)
【分子標的薬】
●トラスツマブ(ハーセプチン)には心筋抑制作用がある
かきかけ
●:乳癌取扱い規約、第15版、日本乳癌学会(編)金原出版、東京、2004
【乳癌の理解に必要な解剖】
●腋窩動脈 A. axillaris
○最上胸動脈 A. thoracica suprema 大胸筋と小胸筋の間に入る。小胸筋と前鋸筋に分布
○胸肩峰動脈 A. thoracoacrominalis
-鎖骨枝 R. clavicularis
-胸筋枝 R. pectorales
-三角筋枝 R. deltoideus
-肩峰枝 R. acrominalis
○外側胸動脈 A. thoracica lateralis 前鋸筋の上を垂直にさがりこの筋に分布。長胸筋とは無関係に走ることも多い
-外側乳腺枝 R. mammarii laterales
○肩甲下動脈 A. subscapularis
-胸腹壁静脈 Vv. thoracoepigastricae
-肩甲回旋動脈 A. circumflexa scapulae
-胸背動脈 A. thoracodorsalis 肩甲骨外側縁に沿って走り、広背筋と前鋸筋に分布。
○前上腕回旋動脈 A.circumflexa humeri anterior
○後上腕回旋動脈 A.circumflexa humeri posterior
●腕神経叢 Plexus brachialis
○鎖骨上部 Pars supraclavicularis
1.肩甲背神経 N. dorsalis scapulae
2.長胸神経 N.thoracicus longus 外側胸動脈に沿って前鋸筋に分布
3.鎖骨下筋神経 N. subclavius
4.肩甲上神経 N. suprascapularis
5.肩甲下神経 N. subrascapularis
6.胸背神経 N. thoracodorsalis 広背筋へ分布
○鎖骨下部 Pars infraclavicularis
1.内側胸筋神経 N. pectoralis medialis 大、小胸筋に分布
2.外側胸筋神経 N. pectoralis lateralis 大胸筋に分布
3.筋皮神経 N. musculocutaneus
4.内側上腕皮神経 N. cutaneus brachi medialis
5.肋間上腕神経 Nn. intercostobrachiales
●浸潤性乳管癌 infiltrating ductal carcinoma / invasive ductal carcinoma
●非浸潤性乳管癌 ductal carcinoma in situ; DCIS
●乳管内進展巣 extensive intraductal component; EIC
●EICの中でもcomedoタイプは広範囲に広がりやすく再発しやすい
●乳管内癌の局所再発の予測 Van Nuys Prognostic Index; VNPI
●MMGのEIC検出感度は40~80%
●USではEICは主腫瘤の周囲に低エコーの管状構造物として描出されることもある
●乳がん診断能として造影CTとMRIとは施設で違う
●乳頭分泌液擦過細胞診
●穿刺吸引細胞診 Fine needle aspiration cytology; FNAC
●Core needle biopsy; CNB
●vacuum-assisted large core needle biopsy; Mammotome TM
●胸筋合併(定型)乳房切除術 Halsted-Meyer法 =乳房+大胸筋+小胸筋+腋窩リンパ節 適応:大胸筋広範囲浸潤
●胸筋温存(非定型)乳房切除術(Patey法) =乳房+小胸筋+腋窩リンパ節 適応:腋窩リンパ節転移が著しい
●胸筋温存(非定型)乳房切除術(Auchincloss法)=乳房+腋窩リンパ節
●乳房扇状部分切除術 quadrantectomy =Bq+Ax
●乳房円状部分切除術 wide excision =Bp+Ax
●腫瘤摘出術 tumorectomy, local excision, lumpectomy =Tm+Ax
●腋窩リンパ節Level I:小胸筋外側縁より外側(brachial, subscapular,central,pectral)
●腋窩リンパ節Level II:小胸筋背側(Subpectoral)、および胸筋間(Interpectoral; Rotter)
●腋窩リンパ節Level III:小胸筋内側縁より内側
●鎖骨下リンパ節:最上部鎖骨下リンパ節(Halsted)を含む
●胸骨傍リンパ節
●鎖骨上リンパ節
●乳房温存療法の適応 :日本乳癌学会「乳房温存療法のガイドライン1999」
1. 腫瘍の大きさが3.0cm以下であること
2. マンモグラフィーなど画像上、広範な乳管内進展を示す所見がないこと
3. 多発病巣がないこと
4. 放射線照射が可能であること(重篤な膠原病、放射線照射の既往、患者が放射線を希望しない場合などは適応外)
5. 患者が乳房温存療法を希望していること
●Bqの適応
1. 腫瘍-乳頭間が2cm以上ある
2. 術後照射しないつもりで手術的に根治する(美容的側面を犠牲にしない)
3. 乳管内進展による切除断端陽性を回避するために円状部分切除では不十分な場合
●乳癌のTNM分類
T0:原発巣を認めないもの
T1:しこりの大きさが2cm以下
T2:しこりの大きさが2cmより大きく5cm以下
T3:しこりの大きさが5cmより大きい
T4:しこりの大きさに関わらず、胸壁が固定されたり、皮膚の浮腫や潰瘍、衛星皮膚結節を生じているような場合。炎症性乳がんも含む
N0:リンパ節転移が無い
N1:乳がんが見つかった乳房と同じ側(同側)のわきの下のリンパ節に転移を認めるが、可動性良好
N2:わきの下のリンパ節に転移があり、かつリンパ節ががっちりと互いに癒着したり、周辺の組織に固定している状態
N3:わきの下のリンパ節に転移があり、また/もしくは胸骨の近くのリンパ節に転移がある
M0:遠隔転移がない
M1:遠隔転移がある
●ステージ分類: http://www.csp.or.jp/network/kisoChisiki/nw_Kensa_L1.html
●早期乳癌とは腫瘤の大きさが触診上2.0cm以下で、転移を思わせるリンパ節を触れず、遠隔転移のないもの
●リンパ節転移 0個: 5生率=90%以上 10生率=80%以上 再発なしの10生率=70%以上
●リンパ節転移 1-3個: 5生率=60-70% 10生率=40-50% 再発なしの10生率=25-40%
●リンパ節転移 4個以上: 5生率=40-50% 10生率=25-40% 再発なしの10生率=15-35%
●術後薬物治療のストラテジー
ER(+) PR(+) → ホルモン療法 : 閉経前 (1)LH-RH アゴニスト (2)抗エストロゲン (3)黄体ホルモン剤
: 閉経後 (1)抗エストロゲン剤 (2)アロマターゼ阻害薬
HER2(+) →分子標的療法: トラスツマブ(ハーセプチン)・・・(1/W 1.5hr 単独またはタキソールと)
【ホルモン薬】
●抗エストロゲン剤
TAM タモキシフェン(ノルバテックス):10年後の生存率20%増加、骨粗鬆症リスク減、子宮体癌リスク増
TORトレミフェン(フェアストン)
●LH-RHアゴニスト
ブセレリン(ゾラデックス)
リューブロレリン(リュープリン)
●アロマターゼ阻害薬
ファドロゾール(アフェマ)
ANZアナストロゾール(アリミデックス)
EXEエキセメスタン(アロマシン)
●黄体ホルモン剤
MPAメドロキシプロゲストテロン(ヒスロンH)
【分子標的薬】
●トラスツマブ(ハーセプチン)には心筋抑制作用がある
かきかけ