ラジオCMを考える時、良い文章を考えようとするクリエイターがいますが、これは間違いです。ラジオでは文章は見えません。声なのですから文章が言葉(声)になったときどう伝わるかを考えなくてはなりません。見た目には良い文章でも言葉にするとインパクトがなかったり違う意味で伝わってしまうこともあるからです。文章が響きになったときを考えてコピーを作ります。
30秒以上のCMではセリフなどを入れてドラマのようなものも作れますが、20秒以下ではそのひとコマになります。無理にストーリーを入れても放送されたとき連呼型のようなインパクトの強いものに負けて埋もれてしまいます。クライアントがときどきこう言います。「スタジオで録音しているときは良いコマーシャルだと思ったけど、ラジオで聞くとちょっと違う、なにか弱い気がする。」実際に多くあることです。録音スタジオではそのコマーシャルしか聞いていません。しかもテストも含めて何回も聞いています。静かなところで耳を傾けて聞いているのとラジオから他のコマーシャルと一緒に聞くのでは状況が違うからです。クリエイターは録音スタジオでは放送された状態で一番良いものになるように作らなくてはなりません。
テレビと同じようにラジオでもシズルは有効です。むしろ映像のないラジオの方がシズルが印象に残る場合もあります。焼肉が鉄板の上でジューという音を作り「深夜2時まで営業」とやれば聞いていると行きたくなります。また海辺を想像させるような波の音だけを流し「海に来ませんか・・」などで海辺のレストランのコマーシャルになります。文章のないSEだけのコマーシャルも可能です。清流の音に風鈴が入って「○○の水ようかん」で上品なコマーシャルが出来ます。告知CMが多いラジオでは説明を早口でしているコマーシャルよりむしろ印象の強いものになります。言葉も音楽もシズルと考えればラジオのコマーシャルはすべてがシズルと言ってもいいかもしれません。「これでどうだ!だからなんだ!ダイマル」などと言って「だ」だけを強調するコマーシャルは文章には何も意味がないのですが「ダイマル」は印象に残ります。
またラジオで印象に残るCMを作るには音の特徴を知ることも大切です。印刷されている文章は読み直すよう事ができますが、音はもう一度前には戻れません。絶え間なく耳に入ってきます。そして聞き終わった後に何を言っているのか分かるのです。つまりラジオのコマーシャルはひとつひとつの言葉より聞き終わった後の印象がもっとも重要なのです。音楽には作詞と作曲があります。良い作詞に良い曲がついて良い音楽になります。ラジオCMを考えるとき作詞の事ばかり考えて作曲の事を考えないと録音したとき良いコマーシャルになりません。美しい文章や優れたコピーだけではラジオのコマーシャルは出来ないのです。
それにしても民放ラジオのCM時間は大変長く感じます。2分しゃべって3分コマーシャルなんてときもあります。でも良いCMと悪いCMの区別がつくと少しは聞いていられるかもしれませんね。
次回はビデオ編集の基本です。
2011/12/13
30秒以上のCMではセリフなどを入れてドラマのようなものも作れますが、20秒以下ではそのひとコマになります。無理にストーリーを入れても放送されたとき連呼型のようなインパクトの強いものに負けて埋もれてしまいます。クライアントがときどきこう言います。「スタジオで録音しているときは良いコマーシャルだと思ったけど、ラジオで聞くとちょっと違う、なにか弱い気がする。」実際に多くあることです。録音スタジオではそのコマーシャルしか聞いていません。しかもテストも含めて何回も聞いています。静かなところで耳を傾けて聞いているのとラジオから他のコマーシャルと一緒に聞くのでは状況が違うからです。クリエイターは録音スタジオでは放送された状態で一番良いものになるように作らなくてはなりません。
テレビと同じようにラジオでもシズルは有効です。むしろ映像のないラジオの方がシズルが印象に残る場合もあります。焼肉が鉄板の上でジューという音を作り「深夜2時まで営業」とやれば聞いていると行きたくなります。また海辺を想像させるような波の音だけを流し「海に来ませんか・・」などで海辺のレストランのコマーシャルになります。文章のないSEだけのコマーシャルも可能です。清流の音に風鈴が入って「○○の水ようかん」で上品なコマーシャルが出来ます。告知CMが多いラジオでは説明を早口でしているコマーシャルよりむしろ印象の強いものになります。言葉も音楽もシズルと考えればラジオのコマーシャルはすべてがシズルと言ってもいいかもしれません。「これでどうだ!だからなんだ!ダイマル」などと言って「だ」だけを強調するコマーシャルは文章には何も意味がないのですが「ダイマル」は印象に残ります。
またラジオで印象に残るCMを作るには音の特徴を知ることも大切です。印刷されている文章は読み直すよう事ができますが、音はもう一度前には戻れません。絶え間なく耳に入ってきます。そして聞き終わった後に何を言っているのか分かるのです。つまりラジオのコマーシャルはひとつひとつの言葉より聞き終わった後の印象がもっとも重要なのです。音楽には作詞と作曲があります。良い作詞に良い曲がついて良い音楽になります。ラジオCMを考えるとき作詞の事ばかり考えて作曲の事を考えないと録音したとき良いコマーシャルになりません。美しい文章や優れたコピーだけではラジオのコマーシャルは出来ないのです。
それにしても民放ラジオのCM時間は大変長く感じます。2分しゃべって3分コマーシャルなんてときもあります。でも良いCMと悪いCMの区別がつくと少しは聞いていられるかもしれませんね。
次回はビデオ編集の基本です。
2011/12/13