ボクは広告です

CMから考える広告の教科書

Facebookのパーソナル広告

2012-02-23 23:55:38 | 広告/ニュース
Facebookが今年中に上場するというニュースで大騒ぎになりました。世界で8億人以上が参加、友達つながりは1000億人にも。まさに世界最大のSNSと言ってもいいでしょう。立ち上げたのはマーク・ザッカーバーグという若者で23才の時というからびっくりです。現在は27才、推定資産は1兆円を超え、6億円の家を買ったそうです。新しいアメリカンドリームの誕生ですね。
さて、このFacebookは今までのSNSと何が違うのでしょう。一番大きな特徴はプライバシーの公開ですね。いままでインターネット上では匿名が多く特に日本ではいまでも匿名による投稿が多くあります。これにより言いたい放題で無責任な書き込みがあふれていました。それをFacebookは原則実名にしました。「匿名」を「実名」にすることでSNSの使い方が180度変わりました。出身校、出身地、勤務先から友達を探しつながっていく、これはいままでのSNSにはないことでした。日本でも最初は抵抗のあった「実名」もみんながつながってくるとごく自然なものに変りました。むしろ実名であることが安心感につながり、Twitterや他の投稿もFacebook効果で実名が増えました。実名によってつながる。これこそザッカーバーグさんの目指したものでした。
ところでFacebookの収入はというとほとんどが広告収入です。テキスト+画像の一般的な広告からLike広告、投票広告、無料サンプルが得られるサンプル付き広告、イベント広告、ビデオ広告、などなどFacebookウオールの右画面にはずらりと広告が並んでいます。企業だけではなく個人でも気楽に広告が出せるようになったのです。たとえばパーティの参加呼びかけ、演奏会のお知らせ、イベント告知が数千円で出来ます。いわゆるパーソナル広告が可能になったのです。実名が原則なので年齢や地域も指定できます。つまり、来て欲しい、買って欲しい、知って欲しいターゲットに絞って表示できます。予算も自分で決められます。そのうち地域を絞って「迷子になったペットを探してください」とか年齢を決めて「結婚相手募集」などが登場するかもしれませんね。
パーシナル広告は以前からアメリカでは当たり前にありました。自分の年収を書いて「恋人募集」などの広告がニューヨークタイムズ紙にいっぱい掲載されていました。新聞の場合は広く多くの人に広告するので費用がかさみます。その点Facebookなら予算に合わせてターゲットを絞ってピンポイントで表示することができますからこちらの方が有効かもしれません。いずれにしても実名のFacebookがさらに浸透すれば、それに合わせてパーシナル広告はさらに増えるでしょう。企業広告も対象を絞ってピンポイントに狙えます。2011年、Facebookの広告収入はヤフーを抜いてインターネット広告でトップになりました。いまは企業広告が上回っていますが、やがてパーソナル広告が企業広告を上回るかもしれません。
またFacebookそのものがパーソナル広告ではないか・・そんな気配が見えてきました。会社の人事担当者がFacebookで人材をチェックというニュースも現れました。Facebookそのものが新しい広告掲示板なのかもしれません。世界でこれだけ人気になるとはマーク・ザッカーバーグさん自身もびっくりでしょうけど、「われわれは金を稼ぐ手段としてサービスを作っているのではなく、よりよいサービスを作るために金を稼いでいる。」となれば上場により得た資金でまた新たなサービスを展開するのでしょう。すごい若者が現れたものですね。

2012/02/23

ちょっとブレイク「原発の話です。」

2012-02-20 18:11:31 | 広告/ニュース
ブレイクがおおすぎますね。すみません作者が疲れてます・・こういう時は原発の話でも。というわけで電力会社のCMに出ていた人の話です。特に原子力発電推進のCM。今となってはまずいでしょう。と、中にはお詫びブログを書いている人もいました。しかしこれはしょうがない、みんなお金が欲しい、いくらあってもまだ欲しいのがお金です。お金をくれたら出ちゃうでしょうね。今回の事故の前に「原子力は危険だから私は原発推進CMに出ません。」と言っていたら「あんたはエライ!」とヒーローになっていたのに・・ざんねんっ!ですね。「日本は資源がないからこれからは原子力に頼らないと電気の供給は出来ない。原子力は絶対安全です。」さすがにもうこれからは言えなくなりましたね。
そこで、原発推進CMに出ていた人をまとめてみました。東京電力は元NHKでキャスターの草野仁さん、関西電力は楽天イーグルス監督の星野仙一さん、中部電力は弁護士の北村靖男さん、経済評論家の勝間和代さん、タレントの薬丸祐英さん、原子力環境整備機構は岡江久美子さんといったところです。たいした識者ではありませんが弁護士や評論家もいます。お詫びはしてもギャラを返す人はいないでしょうね。まもなく3.11から1年になろうとしています。1年の節目に被災地へ寄付しますか?しないでしょうね・・コノヤロー!ってか。

2012/02/20

究極のデジタルサイネージ

2012-02-19 12:25:22 | 広告/ニュース
デジタルサイネージって何だ?いわゆる電子看板と言われていたものです。お店の前に営業時間などの文字が流れているあれが当初のものでした。それから液晶パネルやインターネットの普及で今は大きく変わりました。ショッピングセンターやスーパーの店内では7インチほどの液晶で商品紹介をしています。また100インチ以上の液晶で館内を紹介したり、病院ではタッチパネルで病棟の紹介をしています。液晶がLANと接続されていて情報がインターネットでいつでも変えられるものもあります。これらをすべてデジタルサイネージとするともう電子看板などという表現では説明仕切れませんね。
先日、ソニーなどの電気メーカーが一斉に決算発表しました。ソニー、パナソニック、シャープいずれも大幅赤字。最大の原因が液晶パネル分野の急激な落ち込みです。昨年テレビのデジタル化が完了し、家庭用液晶テレビが行き渡った事、韓国などの後発メーカーの追い上げ、また大きな地震やタイの洪水などの災害も影響しました。ところがソニーの社長は決算発表のとき、液晶からは撤退しないと言いました。デジタルサイネージを含めてソフト事業を成長させるため液晶パネル生産は続けるというものです。デジタルサイネージの分野がますます拡大すると見込んでいるのです。
街にあふれるデジタルサイネージ、これはもう見慣れた光景になりましたが、先日JT系の自販機メーカーが自販機の前面すべてが液晶パネルのものを開発していることが話題になっていました。液晶にペットボトルをはじめ商品が映っていてタッチパネルでその商品にタッチすれば出てくるものです。さらにその液晶パネルはテレビモニターにもなっていてニュースやお知らせが見られるという訳です。これは究極のデジタルサイネージと言ってもいいのではないでしょうか。災害時の緊急放送にも対応していくそうです。日本にはものすごい数の自販機がいたるところにあります。これらのすべてがインターネットにつながれたら緊急時に大きな威力を発揮するだけでなく自販機そのものが一大広告媒体にもなるのです。
看板の延長とか電気で光るお知らせぐらいに思われてきたデジタルサイネージ、しかし液晶パネルの進化とインターネットの普及でまったく形の変わったものに生まれ変わりました。テレビを見るための液晶が店内POPから街の看板へそして自販機へと広がりました。液晶タッチパネルの進化は自販機のように新しい媒体を作り出します。そのうちテレビがインターネットに変わればテレビそのものが液晶パネル広告、デジタルサイネージに変わるのです。デジタルサイネージがすべての広告を制覇してしまうのかもしれません。もう電子看板と言う言葉はなくなりますね。

2012/02/19

顔認識~ハイブリッドテレビ~

2012-02-05 13:18:39 | 広告/ニュース
ペットボトルや缶コーヒーの自動販売機で顔認識により前に立った人に“おススメ“を表示するものがあります。これは自販機にカメラが搭載されていて顔の輪郭や肉のたるみに合わせて年齢とか男女の別などをあらかじめ記録されているデータから瞬時に判断するものです。一種のおもしろグッズ的な存在でまだ大ヒットというわけではありませんがこの技術、実はいろんなところで研究されこれからの生活に大きく影響を及ぼしそうです。
テレビはインターネットとつながり今後はネット経由で簡単にテレビ番組を見ることができます。アメリカのホテルではすでに多くがネットテレビになっています。リアルタイムでニュースを見ているつもりがネット経由の1日前のものだったということがありますね。当然今放送されているテレビ番組も見ることが出来ますから合わせるとものすごいチャンネルの中から見たいものを探すことになります。何がいいのか分かりません、見たいものを探せず見逃すこともあります。そこで登場するのが顔認識システムです。
テレビにカメラを搭載してテレビの前に来た人の年齢や男女を判断しおススメ番組を表示します。テレビを見る人がひとりなのか複数なのかも判断します。ハイブリッドテレビという位置づけでNHKがすでに開発しています。もしハイブリッドテレビが登場すれば面白半分で結構売れるのではないでしょうか。自分の部屋にテレビがない若い女性が多くいます。スマホで忙しくてテレビを見る時間がないのです。しかしハイブリッドテレビなら置いてもいいと思うかもしれません。チャンネルを探す手間が省けるし、どんな番組がおススメで出てくるのか、みんなはどんな番組を見ているのか興味がありますからね。
昔から人は他人の噂に興味があります。他人が何を食べているのか、どんな服を着ているのか、何時に寝て何時に起きる、どこへ旅行に行ったなどなど噂は一気に広がります。その結果、みんなとほぼ同じ事が良いことであり、自分も標準でありたいと思うのです。狭い島国の日本では特にこの傾向が強いのです。
この心理を利用しているのがステルスマーケティングです。ステマといわれるもので、大々的な広告ではなくいわゆる口コミを利用してさりげなく分からないように宣伝するものです。ステルスなのです。「食べログ」のステルスマーケティングが問題になりました。やらせ業者がカネを稼いでいたのです。「さくら」を使って口コミをしていました。これは良くありません。しかしその結果「食べログ」を運営しているカカクコムはイメージダウンになりましたが、「食べログ」を信じて行った消費者にはそんなに大きな被害はありません。お店にはじめて行った時、当たり外れはあるものです。良いお店にはまた行きますがはずれの店にはもう行きません、結果そのお店は繁盛しないことになります。ともあれ「食べログ」のせいでネット広告の信憑性が再び損なわれました。悪徳業者を使ったり事実と違ったステマをしていては逆効果になるという見本ですね。広告に限らず「噂」や「デマ」に振り回されている人がいっぱいいます。他人がしているから自分もする、という発想は自分で考えることをやめてしまいます。自分の事は自分で考える、みんながそうすればウソの広告も見破れるのではないでしょうか。
ところでハイブリットテレビは本当の年齢が把握できるのでしょうか。実年齢より若く見える人はどうなるの?気分の良い時や悪い時のおススメなんて分かりますか?それよりハイブリットテレビがステルスマーケティングだったら・・わあ、もう訳が分りません。大変な時代になりそうですね。

2012/02/05