僕を産んでくれてありがとう
僕が何者かわからないのに
産んでくれてありがとう
あなたの願いどおりに生きてゆけるか約束できないけれど
道が塞がったときは
どうか足元を照らしてください
導かれなくてもその光が僕の闇を打ち砕くはず
蹲ったままの僕の肩をどうか叩かないで
そっと見守っていて
いつか僕自身の足で立ち上がるその時まで
どうか傍で見ていて欲しい
あなたが見えなくなる時がくるかもしれない
それは反抗のように見えるかもしれないけれど
きっと僕はもがいているんだ
あなたもその昔そうだったんだなんて
その時の僕は思いもよらないのだろうけれど
僕を産んでくれてありがとう
生きる意味が判らないから
だから僕は生きている
そんなものに答えなんて出やしないことを
心のどこかで知っている
それでも僕は
生きる意味を考えるふりをしながら生きている
あなたの痛みや眼差しや頬の感触を
忘れないでいることの方がむしろ不自然で
それを悲しく思うあなたはとても自然なんだ
僕を産んでよかったですか
僕は産まれてきてよかったのですか
その答えはきっとこの僕の身体の中にある
あなたをいつか失う時と
僕自身が終わりを迎えるその時まで
僕を産んでくれてありがとう
こうして考える力と機会をくれたこと
きっと、僕は感謝してるんだ
だから、僕を産んでくれてありがとう