千日詩集

1日1編1000日詩(のようなもの)を書く

第83日

2020-09-21 | 

  橙色の廃墟

都会の街は
夕暮れがよく似合う
昼の厳粛さでも夜の糜爛でもない
中途半端な空白が訪れる

オレンジ色の日差しは
冷たさやけばけばしさを中和し
妙に甘い切なさで
疲れた心を包み込む

通りの主役は
学校帰りの小中学生
無邪気な華やぎは失われていない

夕暮れの街は廃墟に似る
静かさと遠さがかすかに匂う
それは遠い未来の幻像だろうか