終わり
終わりは
静かで優しい
すべてのことは
始まりそして終わる
よきことが終わるのは
淋しい
けれどその淋しさも
静かで優しい
世の命の終わりも
また静かで優しい
それが無であろうとそうでなかろうと
この静けさと優しさは
魂の思い
永遠を眺める神々の思い
終わり
終わりは
静かで優しい
すべてのことは
始まりそして終わる
よきことが終わるのは
淋しい
けれどその淋しさも
静かで優しい
世の命の終わりも
また静かで優しい
それが無であろうとそうでなかろうと
この静けさと優しさは
魂の思い
永遠を眺める神々の思い
最後の言葉
ただ必要なのは
永遠への可能性を開かれた
魂であることを知ること
ただそれだけだ
物ではない
体でも心でもない
死をも越えていく
魂なのだ
教義も組織も儀式も必要ない
祈りや修行や善行すら必須ではない
自らの魂を知り
何を為すかを自ら考えることだ
救われることも
願いが叶うことも
考えの外に置き
ただ己の魂の姿を覚知することだ
長い旅
ここまで来た
それをもっと喜べればいい
迷い転びながらも
ここまで来たのだから
目的地ではない
けれど地獄に着いたわけではない
少しずれているにしても
おおまかの方向は合っているはず
心はひねくれ者
喜びを埋めようとする
もっと進めと責め立てる
それはそれで放っておけばいい
ただ自分の澄んだ目で
長い旅の姿を見据えればいい
陶冶
自己を成長させることほど
難しくしんどいものはない
頑なに抵抗する何かがいる
安逸の道はあまりに甘美で
夢の実現なんてどうでもいい
富や権力は害悪だ
けれど人はだいたいそれに向かう
最も大切なことから目をそらせるために
失敗に苦しむ中で
罪に打ちひしがれる中で
むしろ自己は成長する
誰もがそんな過酷な道を選んでいる
それは信じがたいこと
そしてそれゆえ生は尊い
帰ろう
帰ろう
あの村に
もうどこにもないけれど
われらが帰ればまた蘇る
炎は楽しげに踊り
風は古代の夢を語る
水車の立てる物憂い子守歌に
鳥たちは溌剌とした恋物語を乗せる
われらは知るだろう
われらが天使であった日の輝きを
決意して村を後にした時の悲しみを
苦い記憶とわずかばかりの成長を土産にして
あの静かで潤いに満ちた村に帰ろう
光で作られた大地に身を横たえ歌を歌おう