薩摩おごじょ

薩摩狂句勉強中です。

第38回にがごい会フォト狂句最優秀賞発表!で自由吟(地)

2012-08-31 07:21:21 | 日記


(地)
夏祭(なっまつ)い 笑顔(えご)が太鼓(てこ)をば 
弾(はず)ませっ 
     扇香(8月19日掲載分)(夏祭りの太鼓)

(寸評)
この句は、写真と句がぴったり合体した典型的なフォト狂句ではないでしょうか。
太鼓を打っている、楽しそうな少年の笑顔が句の中にしっかりと塗り込められているように感じました。弾んだリズミカルな太鼓の音が聞こえてきそうな句です。
読み手の視覚だけでなく聴覚にも訴える力をもった良い作品に仕上がっていると思います。

さらに、中七と下五で擬人法を使ったことがさらにその効果を高めているといえましょう。さすがでした。

(人) 残念ながら今月は該当作品なしとさせてください。 

※今月の「蛇の足」
今回も私が気付いたことを、順不同で書いてみます。

〇課題吟から
1.「竹島」を単に「しま」と読ませるのは無理があります。しかも、今話題になっているから分かりますが、やがては耳で聞いたときは何処の「しま」なのか分からなくなるでしょう。無理な読ませ方は出来るだけ避けるようにしましょう。

2.「笑(わろ)っ」→「笑(わ)るっ」の方が一般的な表現です。

3.「効(き)っち聞(き)っ」「我慢(きば)っ頑張(きば)った」は同じ音を繰り返した面白い表現ですが、薩摩狂句の面白さはその「句の内容」で表すことが大事だという先人の教えがあります。
いわゆる「言葉遊び」は別のジャンルになると考えた方がよいでしょう。

4.「僧侶(そりょ)」という言い方は無理でしょう。文字を見れば分かりますが、耳で聞いたときには何のことか分からないのではないでしょうか。文字に頼りすぎないようにしましょう。

5.「遅刻(ちこ)っ」→「遅刻(ちこっ)」 同じ「っ」でも動詞の場合と名詞の場合はその「位置」が違うことは以前申し上げたとおりです。再確認を。

6.「老人夫婦(おんじょみと)」→「老夫婦(おんじょみと)」

7.「噛(か)んちっも動(い)ごかん亭主(てし)」→「噛(か)ん付(ち)てん動(いご)かん亭主(とと)い」「動(い)かん亭主(てし)」だと中六の字足らずになります。

〇自由吟から

1.「亭主」を「と」と読ませるのは一般的ではないようです。「とと」か「てし」の方がよいでしょう。

2.「賑(にっ)げ」→「賑(にっぎゃ)け」。「にっげ」は無理な省略だと思います。

3.「食卓(しょっ)」はやはり無理でしょう。「しょくたっ」。

4.「格上げっ」→「格(か)く上(あ)げっ」。

5.「実(み)の事(ご)あっ」→「実の如(ご)ちゃっ」
 
                     文責 黒柱