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Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

アートの力

2012-03-30 23:06:00 | 素敵な現場
大阪のkyokoです。

春といっても肌寒い日が多かったですね。

この数日でやっとポカポカした陽気になりました。

この時を待っていたかのように、窓から見える木蓮が白い花を咲かせてきました。

ミモザの黄色は一層鮮やかになってきています。

桜も茶色く硬い蕾から黄緑色が見えてきて・・・

樹によっては花が咲き始めています。



これからこの景色が桜色で染まることを想像するだけでわくわくしてきます。


このワークを考えていた頃はまだこのような色は見えていなかったけれど、

心の中で自然と描いていました。

それに伴って、ふわっと温かな気持ちになってきました。

日本には四季があり、季節ごとに感じる色がある。

春には春の色。

そしてひとそれぞれが感じてきた思い出の色がある。

それをふんわり広がる質感のパステルという画材を使って表現したら

気持ちよさそうだな。。。

そんな想いから、それぞれの思い出の色をパステルを使って表現することに。

小さな色紙に好きなだけ、何枚でも。

そして、それらを綴るように飾っていただきました。


みなさんは春といえばどんな景色を思い浮べるでしょうか?

それはどんな色でしょうか?

シニアの皆様はというと、

「春は桜のピンクよ。」

「入学式を思い出すわね。その時にしょってたランドセルの色が思い出されるわ。」

「春霞の靄がかった感じかな。」

など、それぞれの春の景色から色を思い浮べていかれます。

そうして話したり、色を選んで塗り広げていくうちに・・・



U様はピンクを選び、色をゆっくり優しく塗り広げながら、

梅を思い浮べておられたようです。

そしてピンクの花びらを一枚ずつのせていかれました。

黙々と

丁寧に

ゆっくりと

とても大切なものに触れておられるようでした。

そして、『昔の夢 忘れじ』と一文字一文字に気持ちを込めて記され、

「心に秘めております。」と温かな眼差しでおっしゃいました。



よーく見ると、「れ」という文字が書かれていません。

ワークが終了し片付けているとU様が戻ってこられて、書いて仕上げられましたよ!

ご自分の作品をずっと見つめていらしたので、ハッとされたんでしょうね。



Y様はいろんな色を使い分けて次々と色をのせていかれました。

「物語のように何か綴っていきたいと思ってね。」と言われ、

春の小川のせせらぎや春霞の様子などを納得いくまで表現していかれました。



一緒にいらした職員の方からも「素敵ですね!」と歓声が上がります。

「認知症が思ったより進んでおられて・・・

作品をご覧になってご家族のみなさんが大変喜ばれているんですよ。」と

終了後に施設の方から伺いました。



O様は振り向くと花びらにどんどん色づけされていました。



サポーターが歌と共に舞わした桜吹雪です。

これに色をつけるということは想像していなかったのですが、

きっとO様の遊び心でしょうか。豊かな発想ですね。

それを使いながら華やかな春を表現されました。



O様は最近調子が悪かったそうで、

表現されているお元気そうな様子や作品からエネルギーが溢れていて、

施設の方も驚かれていました。


アートは心を豊かにする

アートは心を癒す

アートは人を元気にする

アートは人と人をつなげる

そんなアートのいろいろな力を改めて感じました。

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