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Life is ART!

高齢者施設で活躍しているアートワークセラピスト達の旬な声をお届けします。

人と関わるということ

2013-08-30 15:30:00 | 素敵な現場
こんにちは。kyokoです。

いつの日だったか、某新聞で「認知症とわたしたち」という記事を読みました。

シニアの現場に関わっている私にとっては、関連するいろいろは

記事に関わらずすぐ目に留まります。

そこには、職員が利用者の方への声のかけ方で、

ご家族の方が感じる安心感の違いや

利用者の方に表れる様子の違いが書かれていました。

それを読んで、私はどうかしら。。。と客観的に振り返ることもします。


私達はアートセラピーを提供する際には、安心で安全な場を心掛けています。

一言で安心で安全な場といっても、様々な意味合いが含まれているなと感じています。

特に大切にしていることは、シニアの方達が自分らしい表現が出来る場であること。

そして、シニアの方達の心や気持ちに寄り添っていくことです。




今月訪れたシニアの現場の様子から、少し振り返ってみたいと思います。


来室された時、「こんにちは。」とご挨拶すると、

E様はすぐに「ねむたいわ。」とおっしゃいました。

私は「ねむたいんですね。E様のペースでゆっくりやっていきましょう。」と

お伝えすると、ニッコリとして頷かれました。

さらに近くにいたサポーターが、踊るような格好で手を動かしながら、

「E様、今日はたくさん歌ったり体も動かしたりするんですよ。」とお伝えすると、

E様もサポーターと同じように体を動かしながら満面の笑みに。

さらにはその後、ねむたいと一言もおっしゃらず、熱心に表現されていましたよ。

作品が出来上がった瞬間にご自分へ拍手を送られている姿を目にした時、

私達も温かい気持ちになりました。


またこんなことがありました。

ワーク中に、炭鉱節を歌と共に踊ることに。

皆さん踊りが思い出せないということで、私達が見本をお見せすることにしました。

すると、突然Y様が立ち上がられたので、

「Y様も一緒に踊ってくださいますか!」とお伝えすると、

「いいですよ。踊りましょうか。」と落ち着いた面持ちで答えられました。

踊りだした途端、ノリノリに!とっても活き活きとされていました。

Y様のエネルギーと共に他の皆さんもエネルギーアップ!!!

見本といっていましたが、座っている皆さんも既にしっかりと手を動かされていました。

そして、いつもは手が痛いとおっしゃっているH様も

高らかに手を挙げられていた姿を発見した時は嬉しくなりました。


またこんなことも。

M様は大きな声を出しておられました。これはM様がお元気な証拠です。

しかしながら、K様にとっては耳障りだったようです。

「うるさい!」と大きな声でおっしゃいました。少しご立腹の様子。

その時はK様に「うるさいんですね。」とお伝えすると、

「うん。」と頷かれ、暫くすると穏やかな表情に戻られました。

M様も最後まで大きな声で話されていましたよ。


ここで挙げた現場の様子はほんの一部です。

しかも一見アートセラピーに関係のないことのように思われるかもしれませんが、

作品を作ることだけがアートではないのです。

表現すること全てがアートと捉えると、

この瞬間瞬間に表現される全てが大切だと感じるのです。




日々現場では、何が起こるかわかりません。

その時にどのように対応するか、どのようにお声掛けするかのマニュアルもありません。

もはや『どのように』とは考えていないかもしれないな。。。と最近思います。

一人の人として関わらせて頂く、そんな感じかもしれないな。。。

だからこそ、自分の心と体を整えておくことが大切だと改めて感じています。



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さて、現場で行われているプログラムを通して、
高齢者の心のケアを学べる講座があるそうですよ。
関わりについても触れられそうですね!

9月8日スタート 全4回
「シニアアートワーク初級認定」

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