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生活と意識調査/家族の崩壊を示唆する数字【社説】2007年3月13日

2007-03-13 22:47:21 | Weblog
生活と意識調査/家族の崩壊を示唆する数字【社説】2007年3月13日
http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh070313.htm

 日ごろ、子供とのコミュニケーションもままならないお父さんやお母さんたち。ぜひ家族との触れ合いの時を持ち、家族のありがたみや家庭の役割を改めて考える機会を持ってほしいものだ。

誤った独断が心に浸透
 内閣府が小中学生と保護者を対象とした「生活と意識に関する調査」で、平日、子供との接触時間が「ほとんどない」と答えた保護者は12・7%と、二〇〇〇年の前回調査から5・4ポイント増えた。また、子供の悩みの内容を「知らない」とした保護者は、ほぼ半数の49・3%もいた。親子の会話の無さを浮き彫りにしている。
 その一方で、携帯電話を持つ割合は、中学三年では78・4%、ほぼ五人に四人。中学生のメールの送受信は一日に「十回以上」が43・5%に上り、「六-九回」は18・4%、物言わぬ電子コミュニケーションが盛んになっている。

 戦後六十年、物質的豊かさと個人主義がともに追求された結果、「カネさえあれば快適な生活(空間)が保障される」という誤った独断が人々の心に浸透していった。本来、生活の潤いは、家族同士の朝晩のあいさつから始まり、精神的規範や心の交流が円滑に働いてこそ生まれる。

 ところが極度に発達した通信器や、“家事代替器”であるハンディタイプの電化製品は、容易に手に入れることができるようになった。家族と顔を突き合わさなくても、日常生活にさしたる不足、不満を感じることすらなくなった。そうした世代が増えてきたという現実がある。

 また、行政やジャーナリズムからの発信者の中に、国民、特に主婦たちに悪い影響を与える人たちが多く存在していることを見逃せない。雑誌などでも「自分で稼がないから半人前だ」「子供に縛られている」「主婦の自立」などの文言が躍っているのをしばしば見掛ける。

 まるで、女性が家庭から離れて自己主張をすることが、現代女性の進んだ生き方であるかのような誤解を与えている。それをフェミニスト(女権拡張主義者)たちが意図的に煽(あお)り、健全な主婦の自信と誇りをこれでもか、というほどくじき、未婚の女性たちに対しても間違った価値観を植え付けていることもあろう。

 さらに、もっと深いところに、家庭崩壊の原因が潜んでいる。家庭は、家族がお互いの心を癒やし、明日への活力を生み出すための安らぎの場だ。同時に、従来、社会や国家に奉仕する人材を育成する教育の場でもあった。そこに一家の主人の権威があり、「家訓」が生まれ、それぞれの「家の風格」が実在した。

 だが今日、国家や社会に奉仕するという概念自体が薄れ、家庭は単なる物理的な避難所になった観さえある。家庭を重視する社会的根拠を見失ってはいないか。感覚的に居心地さえ良ければそれでいいし、それ以上の場所があれば、家庭は相対的に重視されない、というのではおかしい。


親子対話から家族再生を
 「男女を問わず、日本人にとって『家庭よりも会社の方が居心地がいい』は真実らしいですね。その証拠に専業主婦を離れて働きに出た女達はみんな会社が好きになる。彼女達の言う『家にいたってなんにもすることがないから』は働き蜂になってしまった会社人間の男達とおんなじセリフです」(橋本治『男になるのだ』ごま書房)との指摘もある。だが、これではいけない。まず、家庭に目を向け、夫婦の交流と親子の対話から家族再生の物語をスタートすべきだ。