幾度となく巡りきた春の朝。
ガタガタという聞きなれない音に気付いて目覚めた時、
お寝坊のマロンがなぜかいつものベッドにいなくて、
少し離れたスタンドミラーの淵に頭をのせるようにして、
見たこともない痙攣をおこしていました。
慌ててかけより、どう触れていいかわからない中で、
とりあえずこれ以上危なくならないように見守りながら、
かかりつけの獣医さんに電話。
【痙攣をおこしている間は触らず、おさまったら連れてきてください】
何が起きたのかもわからず、
永遠と思えるような時間が経ってから、
やっと病院に着いた時には、
マロンの目は見開かれたまま、
首は斜め上に傾いた状態でした。
点滴を受け、数時間預かっていただき、
ひとまず連れて帰っていいと言われたものの、
あまりにも頼りない様子に不安しかなくて、
そもそもこれがまだ現実だと受け止められなくて、
マロンを抱きながら涙ばかりがこぼれました。
おそらく脳梗塞による脳障害。
CTやMRIで調べないと詳しいことはわからないけど、
検査のための全身麻酔が、
もうすぐ17歳のマロンにとってリスクが高すぎる。
原因がわかったとしても手術の負担も大きすぎる。
対症療法で、まずは命を繋ぐことが大事だと思う。
先生の所見は最もなことで、
『命を繋ぐ』という言葉の重さに胸が潰れそうでした。
ここから数日は記憶が曖昧で、
とにかくマロンの命を繋ぐためにできること以外は、
溶けてしまうのではないかと思うほど、
ただただ泣いていました。
何かサインがあったのに見落としていたんじゃないか。
ごめんね、マロン、気づいてやれなかった。
なんでマロンがこんな目に遭わなきゃいけないのだろう。
マロンが元気でいることが当たり前で、
今日と同じように明日も元気だと思い込んでいた私は、
しばらくは、夜になると、
『明日の朝が来たら、なんだ夢じゃん、悪い夢見てしまった…ってなりますように』と
毎晩祈っていました。
まもなくトリミングに行く直前のボサボサでもかわい♡
ミカ