休館日導入、会社負担で旅行、誕生日祝いなど
天童温泉の旅館「いちらく」(天童市、佐藤哲也社長)は、年中無休が一般的な旅館業で休館日を設けるなどし、働きやすい職場づくりを進める活動を始めた。従業員のワーク・ライフ・バランスの実現、人材確保などが目的。かみのやま温泉の「あづま屋」(上山市、吾妻永朗社長)も趣旨に賛同して同様の活動に取り組む。休館日に予約が入った場合は互いを紹介し合い、旅行会社などのニーズにも応える。
旅館の仕事は接客、土産物販売、調理、フロント対応、清掃など多岐にわたる。24時間誰かが働いているような状況で、労働時間が長いといわれる業界だ。「旅館に泊まってゆっくり過ごすために来るお客さまを迎えるのに、サービスを提供する側が働きづめではいけないのではないか」。そう感じた佐藤社長は、働きやすくプライベートも充実させられる職場づくりについて従業員の提案を受けながら検討してきた。
昨年秋からは、従来宿泊客一人一人にお膳で出していた朝食をバイキング方式に変更。担当する従業員を少なくできただけでなく、さまざまな品種のご飯を用意することで新しい楽しみも宿泊客に提供できた。
今月からは月1回の休館日を設定する。今月は20日、来月は4日の予定。宿泊予約は半年ほど前から入り始めるため、同時期から旅行会社などにも説明してきた。旅館いちらくの従業員数は50~60人。現状でも月8日程度の休日は確保できているが、休館日を設けることで休みを取得しやすくなる。このほか▽費用の半分を会社が負担するレクリエーション旅行に年中行けるようにする▽宿泊割引券や飲食券などの選べる誕生日プレゼントを用意する―といった取り組みも始める。
佐藤社長は「サービス業は人材が資本。旅行を楽しむなど家族との時間が充実すれば、お客さまへのサービスの質も向上していくのではないか」と語る。景気の回復傾向から幅広い産業で人手不足が表面化しており、働きやすい職場づくりを進めれば優秀な人材確保の面でも有利になる。
かみのやま温泉のあづま屋でも4月8、13、28日に休館した。レクリエーション旅行の導入も検討したいという。佐藤社長は「取り組みが業界全体に広がればいい」と話している。
★山形新聞より抜粋
にほんブログ村
最新の画像もっと見る
最近の「日記」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事