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ジャンプ、読んだ?

「今週のジャンプ読んだー?」
みたいなノリで好きな漫画のレビューを中心に書いてます。
☆☆ネタバレです。ご注意を☆☆

持たざる者のレビュー

2006年09月26日 06時18分29秒 | その他
ハチミツとクローバー 9~10巻

堂々完結です。ハチクロ。
腹がよじれる笑いと、大人への過渡期にある学生達の、
切ないラブストーリーもとうとう終幕。

9巻と10巻はレビューする上でも切り離せないとの判断により、
まとめて感想を書かせて頂けます。
(管理人が9巻と10巻を同時に購入したためだったりもする..)

あ、もちろん ネタバレですけん☆



◆総括
9巻で起こったはぐの事故。そして森田兄弟の過去と復讐。
それがクライマックスを大きく左右する。

正直、ハチクロにしては原田さんのエピソード以外では一番重い。
というか、重いのはいいのですが。。

恋愛事情もいやおうなく急展開。
切羽詰った状況で答えを出さざるを得なくなった感じでした。
当人たちの決意云々ではなく。

まぁ現実もそんなものかもしれませんけどねぇ。

エンディングの竹本とはぐは良かった。
これぞハチクロ!!って感じでウミノワールドがラストスパート☆

最後の台詞、「君を好きになって良かった・・・」
うぅ、竹本ぉ。。って沢山の人がやられたと思う。

爽やかなこのエンディングが重い展開を吹き飛ばしてくれました。


◆根岸のおじさん
いきなりそこかよ!って。
しかし、一番感情移入したキャラ=根岸のおっさん です。

「持たざる者」。分かりますよー。ホントに。
まぶしすぎるヤツの近くに長くいると、ふと鬱に入る瞬間が
あります。


こいつに比べて俺は何なんだ?


なんて。考えても仕方ないことなんですけどねー。
立ち直るには自分と向き合うしかないんですよ。外に解決策を
見出そうとすると、根岸さんみたくなります。
自分ごと堕ちてしまいたい、そんな風に。
気持ちが分かっちゃいますね。
親友から、そしてその息子達から恨まれることさえ厭わないほど
自分を追い詰めてしまった彼。

カオルの気持ちも分かります。残酷に、冷徹に、復讐を遂行
することで自分さえも傷つけて・・・

しかし!追放された社長さんも、きちんと救ってくれた
忍&城山(&ウミノ)にMVP賞を。


◆真山とリカ
えー、既にハチクロ上では完結してたようで今回はギャグ要員(笑

いえいえ、ギャグだけじゃないですね。
真山の「恋愛に生きる」か「やりとげないといけないモノを持つ」か。
そーなんですよね。
常に恋人が居ないと不安なヤツもいれば、
恋愛モードON、OFFをスパッと切り替えられるヤツもいる。
(自分は後者です。いや、言い訳ではなくてね。いやいやぃゃ......)

ま、でもプロのストーカーに言われても(笑


◆あゆと野宮
なんだか一番ハッピー?っていうか甘酸っぱい?
野宮さん、青春スーツ装着完了です!!完全に。
あゆが簡単に真山を忘れられないのがいいんでしょうけど。
もう少し野宮が報われて欲しかったな。
オトナのプライドもかなぐり捨てて、あゆのことを想った野宮。


◆リーダー(犬)
相変わらず可愛い!この漫画の隠れた(隠れてない)マスコット☆
あ、ついでに山崎さん。頑張れ。リュパン。


◆花本先生
修ちゃん、急すぎ。
ってか恋愛面では竹本に感情移入してた者としては、
「ずりーよっ!!」って印象。敵う訳ないじゃないっすか。。

はぐへの思いの境目をあゆに問い詰め?られていましたが…
あったんですか?劇中に。無かったら、サギだーーーー!!


◆はぐ
修ちゃんへの愛情は、恋愛感情なのか、父娘のそれなのか?

それがハッキリしないのが、多くの読者にしこりを
残しているのでは、と勝手に。
恋愛として描いているんでしょうけど、どうしても親子愛に
映ってしまう。。

「絵を描く」それ以外の人生はない・・・・
彼女は強いワケではなく、必死なだけなんですよね、やっぱ。
森田の状況が違えば、彼を選ぶという選択肢もあったでしょう。

その選択肢を踏まえたうえで、はぐと森田それぞれに試練を与えたのでしょうか。
そしてその結果としてのこのストーリー。


◆竹本(4級)
さてさて。ここで主人公。
正直なところ。

自分探しの旅、って苦手なんです。
日常で自分をぶつけられないから非日常にそれを求める。
それは至極当然な流れです。

自分探しの旅を執拗に勧める人が、その考えが苦手なんです。
そんなもんじゃないだろと。

自分と向き合うのは日常でもできるし、日常を捨てるっていうのは
ある意味逃げですよ。重荷が減るわけですから。
すべて背負って、それでも立ち向かうのがその人を一番強く
するんじゃないですか。

自分探しの旅をするのが嫌だというんじゃなくてね。
なんと言ってよいのやらやら。

閑話休題。

森田氏によって自分探しランクが下げられてしまった
竹本君ですが。

彼女の傍にいてあげるべきか、自分の道を行くべきか。
彼の選択は正しかったと思います。
もしはぐの傍に居ること選んでも、例え奇跡的に彼女が竹本を選んだとしても。
あの状況のままではもたれ合って生きるだけだったと思うし。
支えあう、協力しあうのと、もたれ掛かるってのは違う。


やっぱこの作品の中で1番成長したのは竹本くんでしょう。
自分と向き合うことができて、やるべきことも見つけて。
はぐとの恋にも自分で決着を付けて。
色んなことに葛藤する彼の姿に感情移入した男子は多いのでは。

きちんと、自分の決意ではぐに気持ちを伝えられたのは、
彼女を取り巻く3人の男のなかでも彼だけ。
最も漢気溢れるヤツに成長しちゃいました。


実らなかった恋に意味はあるのか・・

あったんです。

はぐちゃん オレは 君を好きになってよかった・・・


彼女の、ハチミツとクローバーで作ったサンドイッチと、
そして優しい想いを噛み締めながら。


影が薄い?いえいえ、彼こそがハチクロの主人公です。