

さて,前回は次のことを宿題にしていた。
Q1 なぜ S-rS を計算すれば求めることができるのか。
Q2 どうしてその発想が出てくるのか。
Q3 その発想が出てくるようにするにはどう勉強すればよいか。
回答していこう。
すべての問いに対するヒントは,
等比数列の和の公式をどのように導いたか
である。
教科書を見て確認しよう。

r倍することで,
途中に同じ項が現れ,引き算することでそれらがキャンセルされる。
結果として,最初と最後の項だけが残り,容易に計算できるのである。
(途中でキャンセルされて・・・というのは,階差を作ることによって実現する,ということも引き出しとして持っておこう。これについては次回。)
数学における暗黙のルールがあって,
長いものには巻かれろ
という原則がある。
今回は,(等差数列)×(等比数列)の形になっているものであったが,
まずはこのことを見抜き,どのように計算すればよいかをじっくり考える。
知っているのは,等差数列の和の公式,等比数列の和の公式。
等差数列を表す式は1次式,等比数列を表す式は指数式,
どちらが強いかといえば,等比数列の方である。
したがって,
等比数列の和を求める方法を利用して,
今回の Σ(等差数列)×(等比数列)を求めよう,
という発想である。
最後に,このような発想が出てくるようにするためには,どのように勉強すればよいか,が気になるところである。
よく,公式や定理は導けるようにしておこう,と言われるが,それは,公式や定理が入試に出る,というよりも,応用問題で用いる解法の根本原理がそこに潜んでいるからである。やみくもに公式や定理の証明をしていても無味乾燥かもしれないが,ここにつながっているのだ,ということを実感することが大事である。ところが,自分でそこに気づくことは難しいだろう。ここで出していこうと思っている。
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