羽をひろげて
motogpライダーになる事を目指しながらも、事故により他界した長男ショウの意思を引き継いで頑張るアイとヨウの記録です




岡山国際のシリーズを終えて3週間後の11月末。
鈴鹿サンデーロードレースにチャレンジしてきました

今年のNGK杯は例年と異なり鈴鹿の改修工事にともない
西コースでの開催ということで、日程も変則的なスケジュール。

ショウは小学校をお休みして、金曜からサーキット入
土曜は別クラスが開催される為休憩し、日曜にワンデーという流れでした。
鈴鹿サンデー自体初参戦なので、これが普通と思えば違和感もないので
ライダーも全く気にしていないようでした



=金曜日=

パドックではあちらこちらでテントが飛んだり壊れたり。
かなりの強風が吹き荒れる中の練習走行。

前週の練習走行で初めてロガーを積んで走った結果
発覚した問題点を注意して走るように言われ
ショウは必死でその部分を直すように走ります
(結果的にはその時もなおっていなかったんですけどね
一生懸命走ってはいるものの、なんだかパッとしない走り
レースを直前にして強気になれる材料を持てないまま一日終了



=土曜日=

レース前なのにゆっくりした朝を迎え
普段行った事がない、朝マックで腹ごしらえ。



妹アイの買い物に付き合わされて疲れたショウ
昼過ぎからサーキットに入りゴソゴソ。
お風呂に入った後はテントの中でメカさんと楽しく食事をしました



=日曜日=

そしてついにやってきたレース日
今まで参戦してきたのは岡山国際のシリーズ。
経験したそれとは全く雰囲気が違っていて
ピーンと張り詰めた空気が伝わってきます
その感覚はライダーにもヒシヒシと伝わり
ショウも時間が近付くにつれて緊張度が高まり口数も少なくなってきます。



=予選=

緊張の中で予選がスタート。
周りはグイグイとペースを上げていきます
ショウもなんとかジワリジワリとあげていきますが
キャリアたっぷりの国際ライダーやハイレベルなジュニアライダーが
多数エントリーしているこのレースでは
少々の頑張りではすんなり上位に位置することは出来ません
それでも緊張の中、自己ベストに近いタイムで8番グリッドを確保
ほぼ自己ベストなので上出来でした
が、しかし、逆に言うとこの時点で自己ベストということは
決勝を前にして、もう打ち手がないということでもありました

わずかなお昼休み。
決勝に向け、マシンを完璧に仕上げていくメカさん。
ひたすら、緊張に耐えるショウ。
刻一刻と決勝の時間が近付いてきます。



=決勝=

いつも岡山でのスタ前は最後に出て行かせるメカさん。
「そろそろ、行きましょう
この日、今年初めて見るメカさんの早目の仕掛け。
「マシンは完璧」と言うメカさんからも気合が発散されています。

その気合にびびるショウ
チョッピリ目が泳いでいるのが見てわかります。
きっと緊張と不安が今まで経験した事のない勢いで
襲い掛かっているのでしょう。
(私にはわかりました。なぜなら私も怖かったから


いつの頃からかスタート前にするこの姿勢≫

不安な表情をしながら、いよいよコースに入って行きます。
「こんなんじゃ、ゼッタイチャント走れない。。。
でも、しょうがないよな。初めてだし。。。まだ小学生だし。。。」
なんて、自分に言い聞かせながらショウを見送りました


上位が見えるこのポジションが更に緊張を誘う?≫

グリッドについたショウは、1周して落ち着く

と思いきや、更に目が泳いでいて、私と目が合うと
「助けて~」という懇願の表情

ここでアイコンタクト



私  :「ごめん、お父さんも不安

ショウ:「そんなぁ~、だれかぁ~~~



そんな不安なショウを見捨てるようにグリッドから退去します


スタートが下手で不安がいっぱい≫

不安なショウにお構いなく、エンジン音が高まり一斉にスタート。
ショウは?

いつもはスタートで最後尾近くまで落ち込むショウも
今回は3ポジション落しただけでなんとかスタートできました
ショウとしてはRSに乗るようになって一番最高のスタートです。
トップ集団はショウのペースをはるかに上回るペースで後続を引き離します

ショウは10位、9位・・・と1つずつポジションを挽回。
しかし、I選手に追いついた時に巧みなラインに翻弄され
ショウは自分のラインを数周見失います
そして、なんとかI選手の前に出た時は既に前のグループは
ストレート1/3ほどの距離にまで広がっていました。
このままのポジションキープでレースはおしまいかなぁ~
と思っていましたが・・・。

レース終盤、ショウのスイッチが思いっきり入ります
レースアナウンスで
「12歳の中山翔太がベストラップ」と聞こえます
自己ベストを一気に突破し、前の集団を追い始めます。
単独の走行で数周の間自己ベストを更新し続けて
残り2周で前を走るU選手、F選手のすぐ後ろに追いつきました。
ショウのタイムはついに28秒台に突入
そして、ファイナルラップ。3台のマシンは接近戦
前を行く2台のマシンは我が家のメカさんも絶賛する、最高のマシン
こちらはメカさんが完璧に仕上げているとはいえ、ノーマル車両
技も作戦もないショウはストレートで抜けなければ
無理でもコーナーで仕掛けるしかありません。

前で走るF選手がU選手をあちらこちらで仕掛けようとしています。
「やるなら一撃で」そう決めたショウは
「強引やけど、ケ○○、ごめんな」と心でさけび
西コース最終コーナーとなるスプーンの1個目でF選手のインへ
そして、U選手よりも早く立ち上がるため
コーナーリングスピードを上げながら
2個目を出来る限り早く全開で立ち上がります。
3台のマシンは集団の前でゴールする為に精一杯体を伏せて全開走行。
そして、ゴールライン横並びでゴール。
結果は・・・


集団の2番手。0.05秒の中に3台という激しい争いでした。


トップ争いではありませんでしたが、初めての鈴鹿で初めてレースらしい
良いバトルが出来て完全燃焼のショウとピットの仲間たち

結果は6位(鈴鹿選手権3位)

鈴鹿選手権での表彰では不慣れな帽子のかぶり方でお立ち台。


今シーズン4度目となるノーマルアワード賞を
バトルファクトリーさんからいただきました
初参戦にしては出来すぎたレースでした



同じレースに参加された皆様、先輩ライダーの皆様には
一緒に走らせてもらえたことに心から感謝します

この鈴鹿で1年間チャレンジしてきたロードレースは終わりました。
色んな方に「来年はどうするの?」と聞かれるのですが
な~んにも決まってないです。
チーム、メカさんと一緒に冬の間ゆっくり考えたいと思います。

チーム、メカさん、そして支えてくれた皆様
1年間、本当に本当にありがとうございました



最後に・・・

嬉しくて、私の主観いっぱいの記事なので
親バカいっぱいの表現で気分を害された方もいらっしゃるかと思います。
申し訳ありませんでした

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