子どもたちと私と面白かった本

こども文庫を続けていて、
面白かった本をとりあげてみます。

『ももたろう』

2005年12月02日 | Weblog
      
 『ももたろう』               『ももの子たろう』  
  松居直 文                ぶん おおかわえっせい
  赤羽末吉 画                え みたげんじろう
  福音館書店                 ポプラ社  

うちの子が幼稚園児だったころには、桃太郎の絵本もあまりなくて、福音館書店のがいちばん良いと思い、よく読んでやりました。表紙の赤羽さんの絵がお気に入りで(母が?)、男の子ならかくあるべしと夢を持たせてくれたものです。桃太郎の話は骨組みがはっきりしているので、ほとんどの人が語れる数少ない昔話だと思います。子どもが喜ぶ繰り返しもいろいろ加えて話すこともできます。
 福音館版は結末が嫁取り話になっていて、桃太郎は鬼の差し出す宝物は断ることになっていますが、小学校高学年ころの息子に桃太郎のあらすじを聞いてみると、お姫さまではなく宝物を持って帰る話になっていました。どこかでちゃっかり宝物を手に入れて来ていました。このお話を喜ぶ年ごろは、嫁取り話より宝物のほうが面白いのでしょう。
 その後、文庫ではポプラ社の「むかしむかし絵本」版を、迷っているお母さんには、結末のことなどちょっと言って、比べて選んでもらうようにしています。 ほかに桃太郎絵本もありますが、「三ねんねたろう」の話と重なるような部分のある複雑なのは勧めていません。
 ついでに言うと、流れてきた桃をおばあさんがまず自分が食べて、「なんともうまいももっこだ。おじいさんにも……」と言うところ、この話を子どもに読んでやっていたころは、桃を買っても当たりはずれ多くて、どれがおいしいか食べてみなくては分からないと思っていたので、おばあさんの言葉に私は妙に納得したものです。   

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