写真展オープニングのご挨拶です
1 塩湿地「春国岱」の雲
日本・北海道 根室
2021年の夏、北海道の東端、根室の「春国岱(しゅんくにたい)」を旅した。冬の厳しい季節に閉ざされた地域は夏になると美しい輝きを見せてくれる。真っ青な空と透き通った水面。その両方にぽっかりと浮かぶ白い雲。2つの景色の境目にアカエゾマツの原生林が広がり、見事な風景に思わすシャッターを切った。
2 大西洋クルージングの黄昏
スペイン・カナリア諸島
近年火山が噴火してニュースになっている大西洋上の島カナリア諸島へ数年前に旅した。よく晴れた日の午後、テネリフェ島からグランカナリア島まで船で移動。冬のクルージングながら暖かい海風が気持ちいい。黄昏時にテネリフェ島を振り返ると名峰テイデ山に沈む夕陽がくっきりと美しく、夢中で撮った1枚。
3 大阪万博『太陽の塔』の今
日本・大阪
1970年に大阪で開催された万博(万国博覧会)のシンボル『太陽の塔』を49年ぶりに訪れたのは一昨年の秋だった。長らく封印されていた塔の内部が公開されるということで探索。エスカレーターで最頂部まで登って螺旋階段を降りてくると、人類の歴史が年表状オブジェで表現されている。
昭和の寵児と言われた岡本太郎の着想に脱帽。
4 日本最南端の碑
日本・沖縄 波照間島
かつて4年くらい続けて日本最南端の有人島、沖縄県の波照間(はてるま)島で年越しをおこなった。ある年の大晦日、夕方に自前の自転車で最南端碑(北緯24度2分)へ行ってみると空の雲のすき間から日が射して海面を照らしている。初めてみる光景に神秘的なものを感じてシャッターを切った。これは“天使の梯子”と呼ばれるらしい。
5 サグラダファミリアの空
スペイン・バルセロナ
2011年の冬バルセロナを訪れた。世界遺産のサグラダ・ファミリアの空は青い。かの建築家ガウディの設計で1882年に着工された教会はまだまだ完成途上。人間の命の時間を超えて幾世代にもわたってつくり続けられている。いったい何年経ったら完成するのだろう、と考えながら写した一枚。
6 岳南電車の窓から見た富士
日本・静岡
東海道線の吉原駅(静岡県)から発車する岳南(がくなん)電車は全長9.2kmの短い区間だが、富士山麓をゆっくり走るローカル路線。ガタンゴトンと走っていく電車の車窓にはいつも寄り添うように富士の姿が顔をのぞかせる。ふと窓を見ると富士山の手前に扇状に雲が広がっていた。窓枠を額縁にしてパチリ。
7 グレートオーシャンロードの雲
オーストラリア・メルボルン
オーストラリア南部の都市メルボルンから西へ200kmほど海岸線をドライブするとグレートオーシャンロードと呼ばれる絶景の続くエリア。“12使徒”といわれる岩礁群の向こうに水平線に沿って雲がたなびいている。あの向こうには南極大陸があるのだろうか・・と想いを馳せる私。
8 小舟から見たメコンの空
ベトナム・メコン川
数年前の5月のGWにベトナムへ旅した。東南アジア特有の蒸し暑い気候にイヤ気がさして、メコン川の小舟に乗ると吹く風が気持ちいい。メコンデルタの茶色い水面と青い空の対比が素朴な風景をつくりあげている。鄙びた舟の窓から見える景色がどことなく懐かしい記憶をよみがえらせてくれた。
9 ビルの間に見える青空
スウェーデン・ストックホルム
時間に追われず、のんびりと旅の街歩きを楽しんでいると、ふと・・ビルのすき間から見える空に目が向くことがある。建物の直線的なラインで区切られた空も、構図的にメリハリがきいていて好きだ。近代的なストックホルムのメインストリートは夏の乾いた風と強い日差しが北欧特有の透明な空気感をつくり出している。
10 森と湖と空と
フィンランド・ユバスキュラ近郊
森林と妖精の国フィンランドの首都ヘルシンキでレンタカーを借りて、北部のパイヤンネ湖へ車を走らせた。夏だというのに湖をわたる冷涼な風が心地よい。車で湖沼ドライブを楽しんだ後、車を停めてふと見上げると森の向こうに空が見える。あたかも妖精が現れそうな北欧の空は曇り空の下しっとりとした気配が漂っている。
11 ワールドトレードセンター
アメリカ・ニューヨーク
同時多発テロ事件で襲撃されたニューヨークのワールドトレードセンターへ行ってみると、すでに新しい高層ビルが建っていた。グラウンドゼロと呼ばれる広場にはテロで亡くなった三千人近くの方々の名前が石碑に刻まれている。青空に映えるビルのてっぺんを見上げると犠牲者の魂が天に宿っているようで敬虔な気持ちになった。
12 Kさんのジャンプ
日本・富山
仙台のバーAndyのイベント“三郎丸蒸留所見学ツアー”で富山へ行った。富山市内でスタッフとお客様方が合流し、「富山ブラック」ラーメンを食べながら昼ビールで乾杯。その後、世界一美しいとも評された富山親水公園のスターバックスでカフェを楽しんだ後、みんなでぶらぶら散策していると・・・お客様でアメリカ出身のKさんが突然ジャンプ。ビックリながら富山の青空によく映える。
13 サンマルコ広場は海鳥が舞う
イタリア・ベネチア
ビザンツ様式のモザイクタイルで知られるサンマルコ寺院はベネチアのシンボル。臙脂色に装飾を施されたタイルに囲まれた広場から青空を眺めているとすぅーっとカモメが飛んできた。ここぞとばかりに一瞬のシャッターチャンスを逃さず写した一枚。
14 鴨川沿いの桜
日本・京都
2017年、桜満開の京都に一週間滞在した。持参した折りたたみ自転車を組み立てて、宿泊先のユースホステルから花の京都を堪能する日々。鴨川の桜並木は抜けるような青空に映えて美しい。青とピンクの組み合わせが、これから暖かくなっていく古都の春を予感させてくれる風景。
15 アメリカ滝とカナダ滝
カナダ・ナイアガラの滝
カナダのナイアガラ展望塔から撮った1枚。向かって左がアメリカ滝で右がカナダ滝。世界三大瀑布のひとつに数えられるこの滝は地形のダイナミックさや、流れ落ちる水量の豊かさが目を見張るばかりだ。滝の上に浮かぶ雲も北米大陸の遥か遠くまで連なっていて、雄大さを見せてくれる。
16 南米の月夜
アルゼンチン・ブエノスアイレス
2020年、コロナが広がりはじめた3月に駆け込みで西回り世界一周をおこなった。最後に滞在した街がブエノスアイレス。明日は帰途につくという滞在3日目はあいにくの大雨。やむなくゲストハウスで一日読書して過ごしたが、夜になってようやく晴れて星月夜が広がった。残念な気持ちと嬉しい気持ちの入り交じった一枚。
17 夕暮れの三日月
ハンガリー・ブタペスト
ブダペストはドナウ川両岸に開けた街。日も暮れかかった黄昏どきに川の渡し舟でブダ地区からペスト地区へ移動する途中、宮殿の向こうにシャープな三日月を見上げた。セーチェニー橋(鎖橋)や国会議事堂のライトアップで知られるブタペストだが、こういうシックな風景も悪くない。
18 フォース鉄道橋
スコットランド・エジンバラ近郊
スコットランドの首都エジンバラは北海のフォース湾に開けた街。その湾に架かる鉄道橋がフォース鉄道橋だ。1890年に完成し、2015年には世界遺産にも登録されている。真っ赤に塗られた全長2500mにおよぶ橋梁が青空に映える姿は壮大。
折しも海鳥が宙を舞っていた。
19 鐘楼からの夕暮れ
イタリア・ベネチア
ベネチアは海を埋め立ててつくられた運河の街。自動車が走る道路はなくて、物流はもっぱら小舟によって行われている。サンマルコ寺
院の鐘楼から眺めたアドリア海は空がほんのり茜色に染められていた。コバルト色したアドリア海と空とのマッチングが美しくて写した一枚。
20 高架橋の自転車道
デンマーク・コペンハーゲン
デンマークの首都コペンハーゲンは自転車の街だ。海沿いの運河に開けた街は起伏がなく、スイスイと走ることができる。入り江に面した港から空を見上げると高架になった自転車道を走る人々。このように海を見渡せる自転車専用道路が都会の真ん中にあるというのは、日本ではなかなか見ることのない風景だ。
21 厚岸ウイスキー蒸留所
日本・北海道
北海道の東部、釧路から根室へ向かう中間地点に厚岸(あっけし)町がある。一年中牡蠣を養殖できるほど自然豊かな水が湿原から海に流れ込んでいる。湾の入り口につくられたウイスキー工場を訪れると冷涼とした空気がたちこめていた。あと数年したらスコットランドのような素晴らしい原酒が醸し出されることに違いない。
22 フィヨルドクルージング
ノルウェー・フロム村
入り江深く海が入り込んでできた地形がフィヨルド。6月というのに曇天で寒い日にクルージングを楽しんだ。切り立った山肌を縫うように船は奥へ奥へと進んでいく。北欧に特有などんよりとした空の下、ヤッケをきてマフラーを巻いて寒さを耐え忍んで撮ってもらった一枚。スカンジナビアの爽やかな(?)空気感に浸ることができた(*_*;
23 大聖堂に架かる虹
ドイツ・ドレスデン
ドイツの首都ベルリンからチェコへ列車で移動する途中1泊だけ国境近くの街ドレスデンに滞在した。エルベ川沿いに開けたこの街は聖母教会など旧市街の古典建築で知られる。中央駅前からトラムに乗ってエルベ川を渡ったとき旧市街地区のカトリック旧宮廷教会に虹が架かった。
24 マーマレード色の雲
ドイツ・ドレスデン
ドイツの東の端、ドレスデンを訪れたとき、午後からザーッと雨が降って、止んで、虹を見た後、西の空に雲が広がった。夏の天気はめまぐるしく変化するということを体感した一日。強烈な光線がつくる明暗差にちょっと戸惑ったが、ビル群をシルエットにして鮮やかなマーマレード色の雲を生かしてみた。
25 マネースーフ橋を渡るトラム
チェコ・プラハ
モルダウ川岸に開けた街、チェコのプラハは、川に架かる数本の橋の上を真っ赤なトラムが頻繁に行き交っている。ボート遊びを楽しんでいる大勢の人々の姿から、モルダウ川が市民の憩いの場になっていることがよくわかる。思わず学生時代に歌った合唱曲「モルダウ」を思い出した。
26 年末の那覇行き定期船
日本・沖縄県 南大東島
12月30日南大東島発那覇行きの定期船に乗ると、船内はお正月を故郷で過ごす出稼ぎ帰りの方々で一杯だった。甲板に車座になって酒盛りをしている方もいらして、郷愁感が漂う。大東島のサトウキビ製糖業や公共工事は、こうした人々によって支えられている。360°海に囲まれた太平洋の真っただ中で、暮れてゆく年の瀬の空が美しい。
27 湘南ビーチと富士山
日本・神奈川県
藤沢駅前にホテルをとって、マイチャリ🚲で湘南周辺をサイクリングした。江ノ島から海沿いのサイクリングロードをのんびり走っていくと茅ヶ崎のサーフィンポイントで空の上に富士山がくっきり見えた。サーファーと富士山のマッチングが面白いと思い撮影した。山がこれだけ近くに見えるのは富士山が超ビッグなサイズである証。
以上で作品は終わりです。ご覧いただきありがとうございました。
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