山岳小説

2012-05-25 | 雑記・本

2012-05-25 たまには読書の事でも書いてみよう

週の中間(水)は出来るだけ温水プールに行き、2時間ほど水泳を楽しむ事にしている
23日も昼食を済ませて何時もの様に2時過ぎに自宅より車で20分の所にある市設プールに出かけた
プールは割かし空いているが、午後5時より小学生のスイミング教室が始まるのでその前に
済ませる事にしている
この日も上半身を主に鍛える為の泳ぎをして5時少し前に上がり、自動販売機に100円玉を
投入し 出て来た牛乳で喉の渇きを潤しをしている時に 親御さんに送られた子供達が
脱衣室に元気良く入っていく。

明るい駐車場に出た夕食までには未だ時間がある、どこか寄り道をして帰ろうかと思いながら
車に乗り込みプール用のカードをサイドボックスに仕舞った
そこに既に読み終えた沢木耕太郎の【イルカと墜落】の文庫本が有った
    (沢木著書で登山家 山野井泰史夫妻を描いた 【凍】もいい本ですよ)

そ~だ 本屋を覗いてみよう

本屋さんに入り、何時もは文庫本が並ぶコーナーに足を運ぶのだが今日は何故か
入口近くを覗いてみた 真新しい新刊本が明るい照明を受けて並べられている
読みたい様な本が出ているかな~と 目配りしていると両脇を高く詰まれた本に挟まれた
少し分厚い文庫本に目が留まった 太田蘭三の長編推理小説【脱獄山脈】
税込み760円なり 本を選ぶのに時間は掛からなかった。

夕食を済ませ自室で【脱獄山脈】を読み始めた。

湖は生きている。
赤い釣り帽子の下に白い髯をのぞかせた中年の釣り人は、竿を振りながら、そう思った。
竿を出したときには、湖面にうすく靄が流れて、奥多摩湖は眠っているかのように・・・

と この本は静にすべり出していき読者である私の心まで奥多摩に引き込まれていく様に
次々と頁をめくっていた。
この本を手にし裏表紙に書いてある八行のあらすじに、今年五月の連休に足元まで行きながら
登ることが出来なっかた、奥秩父の山を描いているから本能的にこの本を選んだ様だ

今日(25日)読み終へた その感想は

ある目的で多摩刑務所を脱獄した主人公と外3名(4名登山未経験者)に途中から若き山ガール1名が加わり
5名が辿った山歩きは
奥多摩湖から登り始め日本百名山の雲取山や甲武信ヶ岳の秩父山地の峰々を通り越、
警察の大捜査網を掻い潜りながら、電車バスで上高地に移動槍ヶ岳の北アルプスから飛騨山脈を全て通り
新潟糸魚川市の日本海に接する親不知へぬける大縦走を舞台としている
25日間 歩行距離約400km(推測) であった

脱獄者は『殺人犯2名・窃盗犯・詐欺犯各1名』それに人生を悲観した若き山ガールの5名は
主人公のリーダーが4人を導きながら逞しく行動力に優れ的確に状況判断していき、
脱獄者はリーダーに素直に従い【懲役山岳隊】として山旅を続けた。
長き山歩きの中で4人は【自然の美しさと山の素晴らしさ】がわかりそこには犯罪者はいない
改心した立派な岳人のパーティーであった。五人ともがこのまま何時までも山を歩き続けていたいと
お互いに思い、山で結ばれた【心の絆】が一層強くなった。

終編は男と女のお互いの心の思い違いや、真の犯人を追い詰める迫力が意外な展開で描かれている。

多くの山岳小説が山を知る知識の一部として私は楽しく読んでいるが、
【太田蘭三】作家も他の作家と同様に豊富な登山経験を基にした著書が沢山あり
その中の一冊【脱獄山脈】を選んだ事は正解であり
読み途切れる事無く、楽しく一気に読ませていただいた。

  
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