ハウスメーカーのメリットって何?
ハウスメーカーという確立した定義があるわけではないのですが、例えば住宅展示場に出展している建築会社を想像してみてください。
規模の大小・構造・価格による違いはありますが、設計と施工を一括して請け負う建築会社、と理解しておきます。一般的に、そのようなハウスメーカーに建築を依頼するとき、以下のようなメリットがあるといわれています。
設計と施工を一括して依頼できる→手間の少ない家作りが可能
大手メーカーとしての実績や信頼性→安心度
品質管理・工事管理・工期の短さ→経済性・住宅性能の均一化
コンセプト別の商品群と、標準仕様がある→分かりやすさ
住宅展示場を使った販売方法→イメージのしやすさ
しかし、現実には、必ずハウスメーカーに依頼したらメリットは満たされるのでしょうか?周囲を見てみてください。ハウスメーカーで建てたから満足しているといえる幸せな方がどれくらい居るでしょう?満足している方もいれば、メーカーを相手取って訴訟にまで発展しているというケースもあります。現実には、項目によっては会社ごとに違い、必ずしも保証されるメリットではありません。それはメーカーに勤めメーカーの裏側まで知ったRECOMの社長が肌で感じたことです。
RECOM社長は慶応大学卒業後、大手住宅メーカーに就職、営業・設計・現場監督を経て28歳で独立、2000年9月現在のRECOMを設立しました。住宅メーカー時代は注文住宅を設計販売し実績を積み重ね、最終的には贅沢な110坪の豪邸建設も任せていただけるまでになりました。当時から展示場販売が全盛時代、カラー広告もガンガン打ち、イメージCMを流し、メーカーはかなりの販売経費をかけ集客していました。メーカー販売方法は今もさほど変化していません。内部にいて分かったのですが、問題は、ハウスメーカーは、その経費は全てお客様に転嫁して、価格に上乗せしているという点です。実にメーカー価格の3割ほどが経費と言われています。しかもその経費の多くが、演出する為の広告費。内部で働いていれば誰もが感じる(分かる)ことですが、後で挙げるように、ハウスメーカーと工務店の価格差の差は、現場レベルではなく大半がこういった広告宣伝費用であることが見えてきたのです。
それなのに、CMやイメージでなんとなく「良さそう、安心だ」ブランドを買うような気持ちで「●●の家って言ったら名前が通っていてかっこいいじゃない?」という感覚だけで、なんとなく家を決めていく人が案外多いのにも驚きました。それもひとつの満足であれば、ひとそれぞれでいいと思いますが、私は内側にいてそう思わなかった。イメージ通りのそのメリットが本物か?というと疑問のあることがたくさんあったし、実際に住む施主様に本当に幸せな家を建てて欲しい、そう思えてきて、RECOMで新築事業を始めました。
ハウスメーカーで家を建てるならここがポイント
私がみたハウスメーカーの真の姿から、幸せな新築を建てていただくために気をつけるべき点を挙げてみました。
設計と施工を一括して依頼できる→
実際には営業と設計は完全分業制。実際にお客様の希望を伺う営業が建築知識が全く無いため、お客様に技術的なアドバイスをしたり、お客様の要望を設計に伝えきることが出来ない。これが無駄にお金を掛けることにもなり、行き違いトラブルの原因になっている。「営業がいい人だ」というだけで、いい家は作れないと痛感したのです。
大手メーカーとしての実績や信頼性→
全国展開をしている会社は実績数をきいただけで安心してしまいます。しかし、建築棟数と「安心できるか」という内容は比例しません。建築数が多くても、多くの現場でトラブルを抱えている会社は沢山あるのです。また、トラブルとまでは行かなくても、完成の施主立会いで、残工事が山ほど出るのも常でした。
建材の品質管理・工期の短さ→
メーカーの中にはモデルハウスの中に色々な実験装置を置いて体験してもらい、建材のよさ=住宅性能の良さをアピールしている会社もあります。インテリの方なら(特に数字に絶対の信頼を置く理系のお仕事の男性などは)かなり魅力に感じることでしょう。ここで気をつけたいのは、全体のバランス。建物の一部分だけ必要以上に強度があって(その分コストがかかっている)も、全体としての住み心地は?数字だけ、強度だけを過信しても無駄にコストがかかるだけということもあります。工事の精度については、ハウスメーカーだからといって一流か?というと地元の工務店と大差ない…というか、地元の工務店や大工さんが下請けで入っているので”同じ”です。工期については、同じ木造軸組み工法なら今はメーカーと工務店の差はあまりなくなっているとおもいます。実際に、RECOMのHOUSFULで2.5ヶ月~3ヶ月ですから一般的なメーカーと同じでしょう。(2×4などの工法はもっと工期が短くなります)
コンセプト別の商品群・標準仕様→
家を一からオーダーで建てるのは、実に様々な選択項目があり、大変な労力です。特に初めて家を建てる方にとってはある程度間取りが出来ているほうが労力が少なく分かり易いでしょう。標準仕様が決まっていて分かり易い。これはメーカーの一つのメリットです。重要なのは、その会社のコンセプトが自分たちにあっているかということ。標準仕様で満足しない部分が多くなればオプション追加となり、どんどんオプション費用がかさみかえって高くなってしまいます。
住宅展示場にはマジックがある→ モデルハウスは見た目だけを重視し、通常突貫工事で建築します。住む為の家ではないので、高熱費効率を考えていないことも。冷暖房機が沢山付いているかもしれません。開口部が大きければ外気温度・日射の影響を受け易いですから、建材や工法の工夫などをしていなければ、夏暑く冬寒いかもしれない。開放的な間取りはカッコイイですが、実際のライフスタイルに合うでしょうか?お客様がいらしたら、「隠したいところ」なんてないですか?モデルハウスは、「住むため」の家ではなく「見せるため」の家だと言うことをどうぞ知ってください。
本来の現場の精度よりイメージ先行。これがハウスメーカー現実なのです。その証拠に、メーカーの営業マンは自分の会社で自宅を 建てたがらないことが多とよく聞きます。値段のわりにお粗末な現場を観てしまったからです。だから、自分の家を自分の会社で建てたくない営業マンのいる会社が多いのです。
地元工務店のメリット
地元の工務店には大きく分けて2種類あります。一つは、大工さんの集まりの従来型工務店。もうひとつは、最近とても増えたフランチャイズ工務店です。
従来型の工務店は、地元での建築の歴史があり、大工さんを抱えているのでアフターメンテナンスもこまめに行っているところも多いのが好印象。洗練されたサービスというよりも、職人さんらしい飾らない温かなサービスの会社が多いように思います。広告宣伝費、営業経費あまりかかっていないので、ハウスメーカーなどに比べると、やや建築費は抑えられるでしょう。ただ、システマティックになっていないので、見積もりも遅いかもしれませんし、デザインセンスを求める方には物足りないところもあるかもしれません。
この工務店の良さと、メーカーの良さのいいとこ取りをしよう、と最近増えているのがフランチャイズです。もともとの工務店が効率的な営業方法を求めてフランチャイズに加入するところもありますが、建築とは無縁だった不動産屋がシステムだけを「買って」その実下請けの工務店に仕事を丸ごと投げている(これを業界では「丸投げ」といいます)こともあります。当然ながら、不動産屋は建築の勉強をしたわけでもなく、打ち合わせも下請け工務店を読んでさせるだけ。本当の注文住宅を求める人にとっては、設計も打ち合わせも満足の行くレベルで行うのは難しいでしょう。こういったフランチャイズ工務店も、いわゆる「ローコスト住宅」が主流ですから、ハウスメーカーよりも価格が安いことが多いです。しかし、問題はその中身です。家は損得だけで買うのは危険です。アフターメンテナンスの問題もあります。「安いから買った」という家に、何十年も住み続けることが本当に貴方の満足なのか?考えてみることをお勧めします。