70の瞳

笑いあり涙あり、35人の子どもたちが生活する児童養護施設「さんあい」の出来事や子どもと職員の声をお聞きください。

水温む

2019-02-21 16:46:39 | 愛すべき子どもたち

今週はぐっと暖かくなり春の訪れを実感することができ感謝です。一週間前まではこの地方では「赤城おろし」と言われる北風が吹荒れて震えていました。気温もそうですが何よりも日が長くなったのが嬉しい限りです。さんあいの子どもたちは、第2波のインフルエンザの流行に気を付けながら今日も元気で外で遊んでいます。中学校と高校の学期末試験が来週という事で、元気で遊ぶのはいいけど勉強が心配な職員です。

人間の小さな心配は尽きない一方で、季節は淡々と廻って行きます。

中高生を何とか期末テストの勉強に集中させようと、学習ボランティアによる夜の学習会を交流ホールで行いました。自分の部屋じゃ、ついゲームに手が行っちゃうもんね。

 

もうすぐ午後5時、でもこの明るさです。ここは関東平野のど真ん中、日が沈むのも遅い。

 

ポニーちゃん、もう少しで電気毛布は必要なくなるね。

 

ウサギのレン君は、寒いときは自分で掘った穴に入ります。でも、ここは熊谷地方です。レン君の苦手なのは夏です。

コメント

人手不足

2019-02-18 18:33:39 | 愛すべき子どもたち

日本全体で労働人口が減少している中で、児童養護施設を含む児童福祉関係の職場で深刻な人手不足が問題になっている。野田市の児童虐待死事件では、児童相談所の対応が批判される報道の影に、現場の人手不足という大きな問題が存在することを忘れてはならない。

3月24日には埼玉県内の児童福祉施設が合同で就職セミナーを開催する予定だ。児童福祉に関しては、昨今ネガティブな報道が圧倒的に多いように思われる。でも現場では、子どもとの暖かい関係の物語もたくさんあるし、子どもの成長を実感できやりがいを感じることも多いのだ。

https://san-ai-jidouyougo.net

児童養護施設の仕事は、やりがいがあり楽しい仕事でもあるということを、これからも発信してゆきたい。

大変なこともあるが、みんなでおいしいものを食べられる。これほど感謝で楽しいことはあるだろうか。そんなことが多いのが児童養護施設の仕事です。

 

 

 

コメント

バレンタインデーとMちゃん

2019-02-15 15:58:42 | 愛すべき子どもたち

小1女児のMちゃんは、自分の気持ちをストレートに表現できないタイプの子だ。できないのか、遠慮しているのかわからない。たまーにお母さんと面会しても何となく遠慮しているところが見受けられる。普段さんあいで生活していると「お母さんに会いたいな~」、「いつ頃お母さんはきてくれるかなー?」とか頻繁にお母さんへの想いを口にするが、いざお母さんに会うとその気持ちをストレートに表現しない。

そんなMちゃんのお気に入りの服は、ピンクのトレーナーとグリーンのパンツだ。どちらも春秋に着るものだが、真冬にもかかわらずいつも着ていて中庭あたりで遊んでいるのが常だ。「Mちゃん、その服好きなんだ。いつも着てるもんね。」と尋ねたら、「だって、ママに買ってもらったんだもん。」と静かに答えていた。お母さんの前では大好きな想いを言葉や行動で表現できないMちゃんだが、買ってもらった服をいつも着ることでその想いを表現しているようだった。

昨日は、バレンタインデーだった。さんあいの女の子たちも職員や男児にお菓子やチョコを配っていた。いわゆる義理チョコか、はたまた3月14日の倍返しを期待してのことか? もしMちゃんがお母さんと暮らしていたら真っ先にお母さんにチョコをあげたであろう。

 

東京は雪がちらついたそうですが、今日の深谷地方は寒かったけど良く晴れていました。

 

 

コメント

行事食(節分)

2019-02-13 01:00:00 | 愛すべき子どもたち

節分の行事食は、太巻き寿司と御汁ものが基本形でした。でも材料は一緒でもそれぞれのユニットのアレンジは自由で、様々な形の夕食になりました。職員の皆様、アイデアと調理ご苦労様でした。

 

こちらのユニットはスタンダードな太巻きです。汁は具沢山の味噌汁です。デザートのムースの他に節分の豆も添えられています。

 

こちらは、手巻きにしました。具の中には納豆やお肉もあります。また子どもたちの中にはマグロよりサーモンが好きな子が多いようですね。

 

こちらは幼児さんのために玉子の巻物も作りました。鬼のパンツの模様を海苔で表現したようです。豆の入れ物といい節分の雰囲気があるれる夕食です。

 

こちらも手巻きにしました。お野菜を一杯食べられるように汁物はお鍋にして出しました。

 

 

 

コメント

寒中のミニ運動会

2019-02-11 15:38:45 | 愛すべき子どもたち

寒い祝日となりましたが、かねてより計画していた幼児さんと小学生で運動が苦手な子どもたちの運動能力強化のために「ミニ運動会」を実施いたしました。会場は交流ホールです。朝10時に集まった子どもたちは、まず準備運動から始めてました。そして、肺活量の向上の運動、手先の運動、バランス感覚の運動、全身運動等を行いました。今回は子どもたちの身体の成長を考える「療育タスクチーム」が企画・実施いたしましたが、これからも子どもたちの成長状況を見ながら実施してゆきたいと思います。

 

まずは準備体操です。寒いけどみんな元気一杯です。

 

ストローでピンポン玉を吹いてゴールするゲームです。 肺活量と他の筋力も必要になります。

 

 バランス感覚ゲーム、木の板の上を落ちないようにゴールします。落ちないように下ばかり見ていると遅れてしまいますね。

 

手先の運動ゲームの後は、ジュースを飲んで少し休憩しました。一応2チームに分けての競争なので、それなりのエネルギーが必要です。

 

最後は芋虫ゲームです。全身の筋力を使います。また真直ぐに進むために平衡感覚も必要です。

 

 

 

 

 

 

コメント

普通の日曜日

2019-02-10 13:26:34 | 愛すべき子どもたち

昨日の深谷地方の降雪は少なく、今回の大寒波の影響は受けませんでした。一応、もしものために宿直の他に何人かの職員が泊まり込みましたが、積雪の影響はありませんでした。子どもたちは、何時ものように教会へ行き普通の日曜日を過ごしています。ここではインフルエンザはピークをすぎていて、現在休んでいる子どもはいません。そんなわけで子どもたちは、何時ものように元気で外で遊んでいます。そう、普通の日曜日が一番です。


寒けどお日様は輝いている午前中、元気な子どもたちは中庭でリレー競争を始めました。


こっちは鬼ごっこグループ。温かいお部屋もいいけど、みんなで外で遊ぶ方のは楽しいね。


お隣でのラクビー場ではおじさんたちのチームが練習しています。さすがラクビーが盛んな土地柄です。


ぺんぺん草は白く可憐な花をつけて「春はもうそこだよ!」と人間に教えてくれます。

コメント (1)

受験シーズンに思う

2019-02-08 12:23:05 | 愛すべき子どもたち

受験シーズンに入った。今年のさんあいは、高校受験の中学3年生が2名いる。実は、1人の子は希望する高校へのチャレンジに敗れ、次に希望する高校へ出願した。でも職員はあまり心配していない。成績よりもその子の持っている社会性や協調性、コミュニケーション能力を考えると、きっと将来大きく道から外れるような人生を歩むことは無いのでは、と推察するからである。

このことは逆もしかりで、学力が高くても社会性や協調性、コミュニケーション能力がないと、いつまでも心配である。子どもたちが通う小中学校の成績表には、一枚開いて左側全面に各教科の成績が細かく記されている。そして右側の上段に生活の様子いわゆる社会性に関する項目が大雑把に記載されいて、下段に出席状況の数字が機械的に書かれてある。保護者は左側の成績に一喜一憂する。しかし人生長い目でよーく考えみると、周りと平和にうまくやれて、そして健康で登校できること、これほど大切なことはない。

日本に生まれたからには、受験も無視はできない。これを一つの節目で勉強に励むのは悪いことではない。でも人が社会で生きてゆくためには、社会性や健康が一番大切なことで、学校の成績表がそこを示してくれて、子どもたちが毎年成長してくれたら願う。

 

元さんあい職員が働く南アフリカの障害児施設。能力の開発と健康と社会性が一番大切な学習に柱だ。

 

 

 

コメント

野田市の児童虐待死から学ぶこと

2019-02-05 13:24:30 | 愛すべき子どもたち

虐待による痛ましい事件がまた起こってしまった。児童相談所間の連携と情報共有の不備、学校間の連携と情報共有、様々ことが検証されている。その中で大きな批判の矛先を向けられているのが、父親からの虐待を訴えた児童のアンケートのコピーを渡してしまった市の教育委員会の対応である。

勿論、ありえない行為であり、単なるミスでは済まされない事案だ。しかし児童の死を無駄にしないために、冷静になって児童養護施設の現場から批判されている当事者目線で考えてみたい。児童養護施設は保護者に居ない児童 虐待を受けている児童その他環境上保護を要する児童を入所させて、これを擁護し、、、、と児童福祉法41条に規定されている。施設は寄る辺のない児童に安心安全を提供し養育する場である。

さて今回のケースのように、さんあい職員が子どもが記した親の虐待に関するアンケートを出せと親から何度も恫喝されたらどうだろうか? 職員は恐怖を感じるだろう、そしてそれは人によっては極限状態までになってしまうかもしれない。では書類を出すのも止む無しと行動するのか?絶対にそのようなことはあり得ない。それは子どもの安心安全を守るプロ組織としてあり得ない。一方で最前線に立つ職員と組織の極限状況も冷静になって考えなければならない。

それらを考えたときに、このようなケースはさんあいでは警察への通報という選択肢を取るだろう。相手を恫喝する行為は、脅迫罪の疑いもあり警察への相談事項だからだ。我々児童福祉の現場に立つものはプロとは言え恫喝や脅迫の対応は専門外だ、頑張る必要はない。いやむしろ対応できないケースは専門機関、この場合は警察と連携して子どもの安心安全をまもるべきだ。

一方で、すべてのケースで警察と連携あるいは情報共有すべきというご意見もあるが児童の個人情報やその他の理由から行き過ぎていると考える。そこでさんあいでは、新年から具体的にどのようなケースの時に警察に通報し助けを求めるかというガイドラインを設けて運用している。今回の野田市のケースから学び、ガイドラインに加筆・修正する予定である。

地味な作業と日常への運用であるが、児童福祉と関わる様々な現場が一つ一つの悲しい出来事を我が事として受け止め、二度とこのようなことが起こらないように行動することが天に召された幼い命に敬意を払う事だと信じている。

 

 

昨年の夏休み前に、深谷警察と連携して行った子どもたちのための防犯講習会。

 

 

 

 

 

 

コメント

てがみ

2019-02-02 23:00:00 | 愛すべき子どもたち

前回の投稿に続きて季刊誌「児童養護」から福島県の施設の女性職員の投稿記事を紹介します。

 

「てがみ」

2年前に退園していった小学生女児のことを今でも時折、思い出しては考える。5年前に実習生として初めて本施設へ入った時、その寮にいたAちゃんは、決まってパズルを延々とやらせたがる子であった。別れ際、手紙をくれた。「パズルやってくれてありがとう、また遊ぼうね」その後本施設に就職が決まり、Aちゃんのいる寮の担当となった。3日間しか関わらなかった私のことをAちゃんは覚えてた。また遊べるねと笑顔で言ったあの顔を今でも思い出せる。話すことが苦手で、素直になれなくて、でも構ってほしくて、うまく言えずに書いたAちゃんの手紙はひどかった。「先生、自殺しろ」 今思うとAちゃんなりの精一杯の構ってほしい合図だったのだが、当時は嫌われているのだと激しく落ち込み、泣いた日もあった。どうしたらAちゃんに受け入れてもらえるのか考えた。その後もAちゃんの気持ちに気づけず、なんどもぶつかり、話をした。仲直りをするとき、決まってAちゃんは手紙を書いてくれた。それから何度も何度も互いに手紙を書いた。Aちゃんが退園する少し前、他の子一緒に恥ずかしそうにくれた手紙を今でも見て考える。Aちゃんがいたから今も私はここにいる。「ずっと前ひどいこと書いてごめんね、お仕事頑張ってくれてありがとう、だいすきだよ」

 

児童養護施設の職員は、子どもの一言で落ち込み、また涙することも多い。でも消えることのない宝物を子どもたちからもらえることが最大の醍醐味かもしれない。

 

楽しいことよりも、むしろ苦しい経験の方が職員と子どもの距離をちじめてゆくようだ。

 

 

 

コメント

スキンシップ

2019-02-01 14:34:07 | 愛すべき子どもたち

全国には615の児童養護施設があり、約32,000人の児童が約17,000人職員とともに生活をしている。それらの施設が加盟する全国児童養護施設協議会という組織が出版している『児童養護』という季刊誌がある。その中で児童と職員の触れ合いを紹介するコーナーがあり、愛媛県の施設の女性職員が書いた「スキンシップ」というお話を、ここに紹介したい。

「スキンシップ」

「触らんとって」 これは、私が初めて担当した小学校5年生の女の子を握ろうとした時に言われた言葉だ。「担当が先生でよかった」とうれしい言葉をいってくれた矢先のこと、出会って3か月がたった夏の日だった。「私、あんまりスキンシップすきじゃないんよね」とフェローするかのようにその子が戸惑いながら笑顔を浮かべていた光景を今でも思い出す。あれから2年がたち、その女の子は中学1年生になった。反抗期を迎え、漠然としたイライラを抱えながらも、バレーボール部に入部し、部活に勉強にと、日々頑張っている。「お前が担当とか最悪」「もうここに来るな」等、私に対する暴言を数えるときりがない。しかしその一方で、「先生、大好き」「明日試合やけん頑張れって言って」と甘えん坊な一面も見せてくれるようになり、それがたまらなく愛おしい。言葉だけではなく、「先生ぎゅってして」「横来て、一緒に寝よう」出会ったばかりの頃は嫌がっていたスキンシップも自ら求めてくれるようになった。児童養護の世界に飛び込んで3年目。泣き言ばかりの毎日であったが、その変化に気づいた時、涙がでるほど嬉しかった。これからたくさんの経験を重ねながら、一緒に成長してゆこうね。


施設で暮らす子どもたちは、ときに職員に暴言を吐くことがある。でもそれは職員との温かい関係に飢えていることの現れでもある。これを読んだ他の施設職員も、「ある、ある」っと頷きながら読んでいるに違いない。

 

寒い冬は触れ合っていた方がお互いに温かいことを、ウサギさんはよく知っているようです。

 

 

 

 

 

 

 

 


コメント