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コロナ後遺症の実態 退院後も疲労感や呼吸困難

2021-01-11 08:30:10 | 日記

下記の記事は日経グッディからの借用(コピー)です   記事はテキストに変換していますから画像は出ません

新型コロナウイルスの感染者数が激増するなか、このウイルスに感染・発症し、回復した患者の後遺症に関する情報も少しずつ蓄積されてきました。日本国内では、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)を発症し、軽症で済んだ若い患者が、PCR検査が陰性となった後も体調不良に悩み、元の生活になかなか戻れないなど、この感染症の後遺症と考えられるケースが報道されています。
世界でも、新型コロナウイルス感染症の回復後の患者を苦しめるさまざまな症状について調べた論文が、次々と発表されています。それらをいくつか紹介していきましょう。
軽症患者の半数に、1カ月後も味覚や嗅覚の異常
まずは、回復後も続く味覚障害と嗅覚障害について調べたイタリアの論文[注1]です。嗅覚や味覚の異常は、新型コロナウイルス感染症の初期症状として多く報告されていますが、イタリア・パドヴァ大学の研究者らは、こうした症状が1カ月も持続する患者が少なくないことを明らかにしました。
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対象となったのは、新型コロナウイルス感染症の発症時点で味覚障害または嗅覚障害があった113人の軽症患者です。これらの患者の経過を4週間後まで追跡したところ、55人(49%)は味覚障害・嗅覚障害の症状が消失していましたが、症状は改善したものの持続していた患者が46人(41%)、症状が継続または悪化していた患者が12人(11%)いました。これらの症状の持続は、新型コロナウイルスの感染の持続とは関係していませんでした。
入院した患者、退院しても約9割に何らかの症状が持続
やはりイタリアで行われた別の研究では、新型コロナウイルス感染症で入院治療を受け、2回のPCR検査で陰性が確認されて退院した患者143人がその後に経験した、さまざまな症状について報告しています[注2]。
143人の平均年齢は56.5歳、女性が37%でした。18人(13%)はICUに入院した患者で、77人(54%)が酸素療法を受けており、21人(15%)は非侵襲的な機械的人工換気(マスク式の人工呼吸器による換気)を、7人(5%)は侵襲的な機械的人工換気(気管チューブ、気管切開チューブなどを介した人工呼吸器による換気)を受けていました。入院期間の平均は13.5日でした。
発症から平均60.3日、退院からは36.1日の時点で、持続する症状の有無を調べたところ、症状がなかった人は18人(13%)にとどまり、残る125人(87%)には何らかの症状がありました。
持続していた症状として最も多かったのは疲労感(53%)で、続いて呼吸困難(43%)、関節痛(27%)、胸痛(22%)が多く報告されました。ほかには、せき、嗅覚異常、乾燥症、鼻炎、目の充血、味覚異常、頭痛、たん、食欲不振、咽頭痛、めまい、筋肉痛、下痢などが継続していました。症状の数が1つから2つだった人が46人(32%)、3つ以上あった人が79人(55%)で、QOL(生活の質)の低下は63人(44%)に認められました。
米国立アレルギー・感染症研究所(NIAID)を率いるAnthony Fauci(アンソニー・ファウチ)氏は、7月9日に行われた国際エイズ学会の新型コロナウイルス感染症プレスカンファレンスで「新型コロナウイルス感染症を発症し、治療を受けた後で、かなりの人が筋痛性脳脊髄炎(以前は慢性疲労症候群と呼ばれていた)に似た症状を示し、疲労感が強く、頭にモヤがかかったような状態で、集中できない日々が続いて、発症前の生活をなかなか取り戻せない、という話を聞いている」と語っています[注3]。
退院3カ月後も7割のCT画像に異常 4人に1人は肺機能異常
新型コロナでは退院後も後遺症に悩まされる患者が多いことが分かってきました。(写真提供:NIAID)
新型コロナウイルスの後遺症は、こうした自覚症状だけにとどまりません。中国鄭州大学などの研究者たちは、新型コロナウイルス感染症にかかり、退院した55人(軽症4人、中等症47人、重症4人)の患者について、退院3カ月後の胸部CT画像や肺機能を調べました[注4]。
その結果、35人(64%)に、退院後3カ月の時点でも新型コロナウイルス感染に関連した症状が残っていました。また、39人(71%)の胸部CT画像にさまざまな程度の異常が認められ、肺機能の異常も14人(25%)に見られました。
厚労省や呼吸器学会も調査に乗り出す
こうした情報に基づいて、日本の厚生労働省も7月10日、約2000人を対象に新型コロナウイルス感染症の後遺症についての調査を8月に開始すると発表しました。同省は、新型コロナウイルス感染症を発症し、退院後もさまざまな後遺症に悩む症例が医療現場から数多く報告されているものの、原因が明らかではないという事態を重視。重症者、軽症者からそれぞれ約1000人ずつ選んで、呼吸器の機能低下を中心に原因究明を進めることになっています。日本呼吸器学会も7月17日に、この問題に関する調査・研究を開始すると発表しました[注5]。
新型コロナウイルス感染症は2020年2月に感染症法上の指定感染症として定められたため、発症した人の医療費は、PCR検査の時点から公費で賄われます。しかし、PCR検査で陰性になり、退院が認められた後にも持続している症状や、新たに現れた症状に対する治療を受ける場合、自己負担は免れません。
若いから感染しても軽く済むだろう、あるいは、治療費は国が出してくれるから感染しても大丈夫、などと考えることは危険です。後遺症のような症状が長く続けば、身体的・精神的な苦痛に加えて、医療機関に通う時間も医療費もかかります。発症前の生活に戻るまでに、何週間も、何カ月もかかるかもしれません。「新しい生活様式」の下、日常生活を営んでいくためには、また、少しでも元の状態に近づけるためには、1人1人が、引き続き油断せずに感染予防策を徹底していくことが欠かせません。



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