「ふきのとう」102号・あとがきより
去年、いじめ自殺が相次いで報道され、教育再生会議が先日、いじめている子どもの出席停止を打ち出しました。でも、子どもの世界だけにいじめが横行しているのではありません。職場いじめもあります。企業は労働者を苛酷な労働条件で、上司は部下を評価やノルマで、政府は自分たちの政策失敗のつけを痛みとして庶民や弱者にまわし、夫は妻にDVをして、いじめています。いじめる子どもも、もしかしたら家庭で虐待をされていたり、成績でしか評価されていないかもしれません。その母親は夫からDVを受けていたり、孤独な子育てをしているのかもしれません。その夫は不安定で苛酷な仕事で苦しんでいるかもしれません。いじめの背景に子どもたちをとりまく環境、学校を含め大人たちの社会を問うことなしに、いじめる子どもの出席停止で、いじめが解決するとは思えません。