天才カカシの足を引っ張るもの

『オフィシャル・データブック』を見ると、ほとんどの忍のアカデミー
卒業年齢と中忍昇格年齢を知ることができます。

ナルトをはじめ、サスケ、キバ、シカマルといった仲間たちは、みな12歳
でアカデミー（忍者学校）を卒業しています。
その中で、シカマルだけがいち早く12歳のまま中忍に昇格しました。

では、先輩たちはどうだったのでしょう。
あの伝説の三忍は、6歳でアカデミーを卒業しました。さすがです。
うちはイタチは7歳で、アカデミーを卒業し、10歳で中忍になっています。

しかし、なんと言っても、特筆すべきは、はたけカカシでしょう。
アカデミーをわずか5歳で卒業して、6歳で中忍になっています。

中忍試験がどんなものかは、ナルトたちの受験のときの様子で、ある程度
わかります。
死者も出るような過酷な試験です。
わずか6歳、一般の子どもで言えば、小学校1年生にして、そんな試験をパス
し、部隊長クラスである中忍になったのですから、さぞかし里の話題を独占
したことでしょう。
木の葉丸軍団が9歳であることを思えば、驚異的な成長ですね、コレ。

そんなカカシのすごさを支えていたのは、おそらく、伝説の三忍をも凌ぐ
といわれた天才忍者、「はたけサクモ」の存在でしょう。

父の血を受け継ぎつつ、日々天才の技に接しているうちに、幼くして天賦の
才が開花したのだと思われます。

しかし・・・

その後のカカシを見ると、木の葉の最高ランクの実力者に成長したのは間違
いないとしても、三忍やイタチとくらべて・・・どうなの？　とクビを傾げざる
を得ません。

カブトには「あなたごとき」と言われ、イタチにも「オレなら時間はかから
ない」（＝あっという間にアナタを倒せる）と言われちゃってます。

これはどうしたことでしょう。

「むかし神童いま凡人」の好例なのでしょうか。
いえいえ、そうは思いません。

さすがに、大蛇丸や暁の動きに危機感を感じたカカシは、ガッシガッシと
（かどうかわかりませんが）修行に勤しみ、ついには万華鏡写輪眼を開眼
しました。しかも、おそらくはイタチとは別の独自の方法で。
これは、カカシがまだまだ計り知れない潜在能力を秘めていることの証です。

きっと、カカシの成長を鈍らせているのは、別の要因です。
もっと、ハッキリ言っちゃえば、天才カカシの才能開花の足を引っ張って
いるもの・・・それは、「イチャイチャ・シリーズ」です！

「イチャイチャ・シリーズ」は、自来也の著によるものですが、いまのところ、
『イチャイチャパラダイス』、『同バイオレンス』、『同タクティクス』の
三作が世に出ています。
巷では映画化されるなどの大ヒット作品とのことですが、忍者ではカカシ以外
でコレを読んでいる者を見かけたことがありません。

カカシにとっては、よほど面白いお話のようで、どうも、肌身欠かさず最新刊
を持ち歩いているのではと思えるフシがあります。
きっとガイはその間にも修行に勤しんでいるだろうというのに・・・。
ナルトたちの修行のときだけでなく、もしかしたら、Bランク任務あたりでも、
暇をみつけては読みふけっているかもしれません。
これはもう中毒です！

実力者でありながら「イチャイチャ・シリーズ」にハマッているところが、
またカカシのとぼけた味をかもし出しているという見方もありますが、カカシ
には、なんとか「イチャイチャ」中毒を脱してもらい、ぜひとも本来のすごい
実力を見せてほしいところです。