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新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

日本映画史上に輝く名作

2014-06-03 21:16:46 | 映画


「幕末太陽傳」
監督 川島雄三
主演 フランキー堺

(物語)時は幕末。行き交う人々で賑わう品川遊廓。ある男が仲間と連れ立って上がったお店で散々ドンチャン騒ぎを繰り広げますが、実は一文無し。仲間は先に逃がして、自分はのらりくらり勘定払いを誤魔化していたものの、いよいよそれも通用しないとなると、開き直って代金分働いて返すと言いだす始末。店主夫婦としても、番屋に突き出しても一文にもなりませんから、男の言い分を聞いて、居座らせてしまいます。当然こき使うつもりですが。
佐平次と名乗るこの男、働くとなったら、まあコマネズミのように働くこと働くこと。如才なさを発揮して、みるみるうちに店中の人気者になっていくのでした。
ところで、このお店には、高杉晋作を始めとする長州藩の攘夷の志士達も出入りしていました。明治維新直前の不穏な世相を背景に、様々な人間模様が展開していきます…。

   ◇    ◇ 

数年ぶりに見ました。昭和32年公開の川島監督の代表作。日本映画史上に燦然と輝く、大傑作コメディです。

この画像は左幸子さんが何故かでかでかとセンターに来ていますが、主役はフランキー堺さん演じる町人の佐平次(何だか他人とは思えないお名前)。落語の「居残り佐平次」をベースにした物語に、テンポの良い台詞の掛け合いが小気味良く、笑っているうちに二時間があっという間に過ぎていきます。高杉晋作役の石原裕次郎さん、久坂玄瑞役の小林旭さん、遊女役の南田洋子さんに左幸子さん等々、当時の日活オールスターキャストで繰り広げられる、豪華で賑やかな時代劇コメディです。

これは絶対お薦め。このところ川島監督作品を立て続けに取り上げたのも、ひとえにこの映画を紹介したいがため。

見たことのない方は、是非一度ご覧ください。



妊娠を巡る騒動記

2014-05-19 22:33:08 | 映画


「愛のお荷物」
監督 川島雄三
主演 山村聰

(物語)増え続ける人口抑制のため、国会で産児制限を声高に主張する厚生大臣。だが、大臣の女性秘書は彼の息子と交際中で、煮え切らない彼氏に決断を迫るために半ば計画的に妊娠。また、大臣の妻も、四十代後半にして妊娠。国会の論戦も山場に差し掛かった今、身内の妊娠が公になれば、「言ってることと、やってることが、あべこべじゃないか」と野党の集中砲火を浴び、ひいては大臣の進退に関わる事態にもなりかねない。内々に無かったことにしようと画策する大臣に、息子カップルの逆襲が始まる。更に、結婚を間近に控えた次女と不妊に悩む長女夫婦も加わって、いよいよ事態はこんがらがって行くのでありました…。

   ◇   ◇   ◇

昭和30年公開。先月取り上げた「あした来る人」と同じ川島雄三監督の手によるドタバタコメディです。産児制限や性道徳の確立を信条とする保守政治家の一家に、にわかに巻き起こるベビーラッシュをユーモラスに描きます。

三橋達也さん演じる長男が、最初はいかにも世間知らずの若旦那だったのが、実はそうじゃなかったり、そのお相手の北原三枝さん(石原裕次郎夫人ですね)が、知的で、キュートで、ウエストがびっくりするほど細くて。

やっぱり川島監督はコメディが良いですね。

あくまでもウエットにならない笑いと、全体に漂う良い意味での軽さが心地好い、秀作です。

しかし「産児制限」なんて、今の少子化社会では考えられない話ですよね。昭和30年頃といえば、戦後処理も一段落して、これから高度成長期に入っていこうという時代。今とは隔世の感があります…。



あした来る人

2014-04-10 20:35:02 | 映画


「あした来る人」
監督 川島雄三
主演 月丘夢路

(物語)芦屋に居を構える会社社長梶は、東京での常宿にしているホテルの一室で、娘八千代の紹介で来たカジカの研究者曽根と会う。彼の研究書の自費出版費用の融資を依頼された梶は、実は八千代とは知り合ったばかりと正直に話す曽根の実直な人柄を見込み、自分は出さないが学術研究に理解のある有望な投資家を紹介すると約束する。

梶には、東京に自分が出資して洋裁店を持たせた、杏子という女性がいた。何かと彼女の世話を焼く梶だが、彼女にはあくまでパトロンとして振る舞い、一線は越えない関係を保っていた。

八千代は、仕事と趣味の登山にしか興味のない夫、克平に愛想を尽かし始めていた。今日も、自分が犬嫌いなのを知っていながら子犬を貰ってきた夫といさかいになってしまう。

梶への口利きのお礼に、八千代夫妻宅を訪問する曽根。子犬のことがきっかけで知り合う克平と杏子。

それぞれの間の微妙なバランス関係が、少しずつ揺らぎ始めていた…。

    ◇    ◇

'55年公開の日活映画。
川島雄三監督の「幕末太陽伝」という映画が大好きで、TSUTAYAで今やってる日本映画のキャンペーンで監督の作品がいくつかあるので、まず、これをレンタルして見てみました。

設定だけ見たら、平日午後1時半からのフジテレビ、東海テレビ制作枠でやってそうな、百%のメロドラマ。でも、原作の井上靖の持ち味なのか、中盤以降、人間関係はかなりもつれますが、あまりドロドロした展開にはなりません。全体に、乾いたスタイリッシュな仕上がりになっているのは、川島監督の個性も大きいでしょうね。

曽根役の三國連太郎さんと克平役の三橋達也さんが、もう若くてかっこよくて、同じ男なのに見惚れてしまう(笑)。杏子役の新珠三千代さんが、物語のキーとなる女性杏子を好演しています。

メロドラマだけど、男目線が強いかな。女性から見ると、不満が感じられる内容かもしれません。



隠れた名作です

2014-03-30 23:15:09 | 映画


「合衆国最後の日」
監督 ロバート・アルドリッチ
主演 バート・ランカスター

(物語)あるアメリカ空軍ミサイル基地の核ミサイルセクションが占拠された。犯人は、この基地のシステム開発にも携わった元空軍将校率いる刑務所脱獄犯グループ。核弾頭を搭載したICBM9基を人質に、大統領との直接会話を通じて彼らが要求したのは、一人あたり一千万ドル相当の少額紙幣と、エアフォース1(大統領専用機)による安全な国外逃亡、そして、ベトナム戦争開戦にまつわる、ある機密文書の公開だった…。

   ◇   ◇

77年公開のアメリカ映画。実は、ずっと見たくて探していた作品です。TSUTAYAの発掘良品コーナーで、やっと見つけました。

監督は、これも名作、「攻撃」という戦争映画を演出したロバート・アルドリッチ。監督らしい社会派的視点が、今作にも色濃く出ています。

核ミサイルを人質に犯人が政治的な要求をするという図式は、今では珍しくありませんが、今作で問われているのは、国家としての矜持です。後半一時間は、アメリカ大統領の大統領たる資格を、直球真っ向勝負で問うているように感じました。

ハッピーエンドとは言い難い無情なラストが、僕には大変重い。

好きな映画が、また一つ増えました。




ジャッキー

2014-03-21 00:41:42 | 映画
ところで、デアゴスティーニは、いつも、どこで僕の好きなものを調べてくるのでしょうか?

毎回毎回、出す雑誌が僕の心をくすぐるので困っています(もっとも、大抵はくすぐられるだけで、財布の口は開かないのですが)。

でも、今回は負けました。

だって、これだもの。



ジャッキー・チェンDVDコレクション。第1号が「プロジェクトA」、第2号が「酔拳」。写真は2号だけですが、当然、1号も買いました。第3号は「スパルタンX」だそうで、これも買っちゃうと思います。

全号揃えるのはお財布が厳しいけど、でも、あと「ポリス・ストーリー」や「蛇拳」、「五福星」、「プロジェクト・イーグル」なんかは、是非欲しい気が…。

デアゴスティーニめ、人の心を惑わす悪い子だ(笑)。