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新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

みんな善人

2015-02-18 00:01:29 | 映画


「わが恋せし乙女」
監督 木下恵介
主演 原保美

(物語)赤ん坊の時に牧場の前に捨てられていた女の子と、牧場の跡取り息子。2人は実の兄妹のように仲良く育ちます。やがて戦争で出征し、戦後復員してきた兄は、五年ぶりに成長した妹を見て、自分が兄妹としてではなく、女性として相手を愛していることに気付きます。ところが…。

   ◇   ◇

今年になってから、ぼちぼち木下恵介監督の映画を見ています。数多くの木下作品でヒロインを演じている、高峰秀子さんからの繋がりなんですけどね。

で、ブログで紹介するにあたっては、まずは定番「二十四の瞳」を、と考えたのですが、一緒にレンタルしたこの作品を先に見たところ、これがえらい拾い物で、気が付いたらポロポロ涙が流れていましたので、こっちを先に紹介してしまいます。しかも、この映画には高峰さん出てないんだけど(笑)。

さて、兄を演じる原保美さん(男性です)が、柳葉敏郎さんにちょっと雰囲気が似ていて、実に爽やかな好青年なんですが、本当に骨の髄までいい人なんですね。彼のみならず、ヒロインである妹、母、その他登場人物が全ていい人ばかりで、この映画には一人も悪人が出てきません。みんなが互いに相手を思いやり、全てが愛と優しさに満ち溢れています。しかも、反戦の主題も織り込まれているし。

昭和21年制作の古い作品であるため、フィルムの傷があったり音声が悪いのが若干見辛いところですが、心洗われる美しい映画です。

僕は、泣いてしまいました。




なんと気持ちのいい連中だろう

2015-01-17 08:45:49 | 映画
「ルパン三世 カリオストロの城」
監督 宮崎駿
主演 (声)山田康雄

(物語)国営カジノから大金を奪取したルパンと次元。愛車フィアットの中で大成功にウハウハの2人でしたが、ふとルパンの顔が曇ります。

「ゴート札だよ」

「幻の偽札と言われるあれか?」

かくしてゴート札の謎を求めて、「世界で一番小さな国連加盟国」カリオストロ公国へと乗り込んで行く2人。五ヱ門を呼び、銭形のとっつぁんもわざわざ呼び寄せ、先に全く無関係に潜入していた不二子も巻き込んで、この国の可憐な姫、クラリスと、ゴート札を巡る大活劇が始まるのでした。

   ◇    ◇ 

金曜ロードショー三週連続ルパン特集の開幕を告げる伝説の名作の登場であります。もう何十回も見てますけど、やっぱり見てしまう。今回も、家族揃って見ていました。

あー、面白かった(*^-')b。

今や世界的巨匠となった宮崎駿監督の劇場映画第一回監督作品で、今では名作の仲間入りしているこの作品ですが、実は公開当時の興行成績は、パッとしなかったんですね。ただ、僕ら当時のアニメファンには、強烈にヒットしたんです。既に「ルパン」第一シリーズや「ハイジ」「母を訪ねて三千里」などのアニメーターとして知られた存在ではあったけど、この作品と、だいたい同時期にやってた「未来少年コナン」の2作で、僕らにとってはアニメを語る時には欠かせないビッグネームになりました。

もうたまんないですね。あのアクション。崖を這い登り、森を疾走するフィアット。アニメでしかあり得ないマンガチックな演出なんだけど、ちゃんとサスが効いてるんですよ(笑)。そういうところをきちんと描いてるから、マンガなんだけどリアリティーが出る。あの動き、タイミング、全て手描きで、撮影も絵を一枚一枚手作業で撮ってた時代に、本当に凄いと思います。

処女作には、監督の全ての要素が現れると言いますが、宮崎監督の場合も同じことが言えると思います。監督の場合は、アクションとヒューマニズム、環境問題への関心の高さ、権力を振りかざす者への反発、それとユーモア、といったところでしょうか。

皆さん大抵一度は見ている作品だと思いますが、もし見ていない方がありましたら、是非ご覧ください。これが宮崎駿です。



幸福の黄色いハンカチ

2014-12-01 22:33:16 | 映画
「幸福の黄色いハンカチ」
監督 山田洋次
主演 高倉健

(物語)好きな女性にフラれてヤケになった欽也。勢いで仕事を辞め、新車を買って旅に出ます。目的地は北海道。雄大な大自然が俺を待っている!

さて、いざ北海道に到着した欽也ですが、網走駅前でほとんど無理やりに通りすがりの若い女性をナンパすることに成功します。朱実と名乗るその女性と一緒に旅をすることになった欽也でしたが、二人は近くの海岸でもう一人、勇作という名の中年男性と道連れになります。

欽也が朱実に無理やり迫って拒否されたり、そのことで勇作から説教されたり、車が脱輪したり、欽也がお腹を下したり、ドタバタした旅を続ける3人でしたが、実は勇作には誰にも言えない過去がありました…。

   ◇    ◇

金曜ロードショーの、健さん追悼ノーカット放送を見ました。

実は僕、以前はこの映画をあまり好きではなかったんです。お話の展開が見え見えで、予定調和な気がして。

でも、今回数年ぶりに見直して、評価が変わりました。やはり名作なのだと思います。…だってね、どうなるか全部分かって見ているのに、泣いちゃったんです。あのラストに。見事に、してやられました。

山田洋次監督の代表作となった作品ですが、健さんにとっても、同時期の「八甲田山」と並んで、任侠ものから脱皮するきっかけとなった記念碑的作品です。

心洗われる、優しい映画です。見ていない方は、是非一度ご覧ください。



ニュースを見て

2014-11-18 21:23:24 | 映画
驚き、そして泣きそうになりました。

高倉健さんが、亡くなりました。

このブログを始めたばかりの頃、NHK「プロフェッショナル」でお見かけしたのをきっかけに、健さんの映画を何度か立て続けに取り上げたんですよね。

あの時、珍しく夫婦二人で映画館で見た「あなたへ」が、結局遺作となりました。

子どもの頃見た「八甲田山」に圧倒され、「新幹線大爆破」に興奮し、大人になってから見た「鉄道員(ぽっぽや)」や「あなたへ」に、しみじみと心を暖めていただき、本当に大変お世話になりました。

数多くの感動を、ありがとうございます。

謹んで、ご冥福をお祈りします。




話題のハリウッド版

2014-08-10 00:56:20 | 映画
「GODZILLA」
監督 ギャレス・エドワース
主演 アーロン・テイラー=ジョンソン

(物語)1999年、フィリピンで謎の巨大生物の死骸と卵が発見される。卵は二つあり、一つは既に孵化した後だった。その同じ頃、日本の原子力発電所で謎の地盤振動による爆発事故が発生。そこで働くアメリカ人技師は、妻を目の前で死なせてしまう。

15年後、技師夫妻の一人息子フォードは、海軍で爆発物処理を担当する将校として働いていた。彼は、15年前の事故現場周辺の閉鎖地域に、父が無断侵入して逮捕されたとの連絡を受けて日本に飛んだ。そこに待ち受ける運命も知らずに…。

   ◇    ◇ 

話題のハリウッド版です。

前記事に書いた通り、一人での外出をこれ幸いと、見させていただきました。

エメリッヒ監督版の悪夢(笑)を憶えている身としては、ドキドキものな部分はあったのですが、楽しめました。日本の作品をよく研究されていると思います。

ハワイ、サンフランシスコと暴れ回る怪獣達。しかも、通常兵器が通用しない。ともかくデカイ、強い!怪獣による街の破壊や、怪獣同士のバトルが繰り広げられる最中に、人間の手により展開する対怪獣の作戦活動。基本的な作品の骨格は、日本のものに敬意を払って作られていると感じました。CGは当然凄いですし。

まあ、これなら悪くはないかな、という感じです。ただ、反核のメッセージは弱かったですね。折角、渡辺謙さんの役名が「芹沢博士」なのに、残念なことです。