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新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

バクマン。

2015-10-26 23:54:00 | 映画
「バクマン。」
監督 大根 仁
主演 佐藤 健、神木隆之介

(物語)叔父が漫画家だったサイコーは、ひょんなことからクラスメートのシュージンと組んで漫画家を目指すこととなる。絵をサイコーが担当し、ストーリーはシュージン。最強のコンビの誕生だ。憧れの女の子、亜豆(アズキ)は声優志望。サイコーは自分の漫画がいつかアニメになったら、ヒロインの声を亜豆に演じてもらい、その後結婚する約束を取り付ける。恋と仕事、二つの夢を叶えるため、サイコーとシュージンは、集英社の週刊少年ジャンプ編集部へ、描き上げた原稿の持ち込むのだった…。

    ☆     ☆

 NHKで放送されていたアニメシリーズは、父娘で毎週楽しみに見ていました。今回実写化されることになり、しかも、主演が娘の大好きな佐藤健くんと神木隆之介くん(イケメン好きな娘だ…)。TVで予告編CMを見て以来、もう「連れていけ」の連呼で、結局、妻を含めてみんなで見に行くこととなりました。

 見た感想ですが、娘は大喜びでした。僕も、まあ楽しんだかな。お話はジャンプで連載を持ち始める頃までですが、うまくまとめてあります。かなり改変はしていますが。

 雰囲気は良いです。サイコーとシュージン、新妻エイジ、福田、平丸、中井の各ライバル漫画家たちのキャラもきちんと描けていると思いました(新妻先生は、もうちょっと弾けてほしかったかなあ…と思わないでもないけれど)。

 役者さんも、うまい人を揃えています。桐谷健太さん(auの浦島太郎ね)相変わらずいい男。新井浩文さん(「ど根性ガエル」のゴリライモ)、相変わらずいい味出してます。あと、皆川猿時さん(「あまちゃん」の南武ダイバーの先生)に、リリー・フランキーさん、宮藤官九郎さんと、僕の好きな人が大集合。その意味では贅沢なキャストで、堪能しました。

 ラストで、この後二人が描くことになる作品を教室の黒板に書き殴っていたのに、娘と二人でウケていました。

 興行成績が良ければ、続編があるのかな。あるんなら、今回出なかった蒼樹紅(あおき こう)を出して欲しいなあ。蒼樹先生への中井先生からの一方的な片思いのエピソードは、単なる恋愛にとどまらず、実は創作活動の厳しさを如実に表していて、この作品に欠かせない重要な要素だと思うんですよね。



 劇場フロアに飾ってあった、カーボンフリーズされたハン・ソロ。「スター・ウオーズ」ファンには説明不要ですね。

 エピソード7、見に行きたいなあ(*^_^*)。

 でも、その前に「グラスホッパー」が…。予告編で見て、山田涼介くんが出るっていうだけで、「絶対見る」って、娘が。まあ、僕も見たいからいいんだけど、ほんと、イケメン好きな娘(^_^;)。





タルコフスキー3連発~その3

2015-07-19 11:19:17 | 映画


「サクリファイス」
監督 アンドレイ・タルコフスキー
主演 エルランド・ヨセフソン

(物語)元俳優のアレクサンドルは、今は引退して田舎に妻と娘、息子の4人と家政婦2人(住み込み1人と通い1人)で生活している。息子は喉の手術の直後であるため、今は言葉を発することができない。
今日はアレクサンドルの誕生日で、近所の郵便配達人オットーと、友人であり一家の主治医であるヴィクターを招待し、みんなで夕食を食べることになっていた。

オットーから貴重な古地図をプレゼントされ、喜ぶアレクサンドルだが、夕食の準備の最中に衝撃波を伴った爆音が轟き渡る。やがて、テレビのニュースが、驚くべき事実を伝えるのだった…。

   ◇    ◇

タルコフスキー3連発の最後の作品となります。監督の遺作ですが、見るのも3つ目ともなると、こちらも慣れてきた部分があるのか、今までに比べて分かりやすかったです。素直に、素晴らしい作品だと思います。

映像は相変わらず、たまらなく美しい。珍しく多数の登場人物により織り成す物語は、演劇的で、思索的でありつつも、破滅的。静かなのに見応え十分で、思わず画面に引き込まれている間に、時間が経ってしまいます。

テレビの伝えるニュースが、物語のターニング・ポイントとなるので、どんなニュースかは書きません。ラストの展開に思わず「えーっ、そんな」と叫んでしまいました。

監督は、人間というものが、最後まで信じられなかったのかもしれません。




タルコフスキー3連発~その2

2015-07-01 13:02:00 | 映画


「ノスタルジア」
監督 アンドレイ・タルコフスキー
主演 オレーグ・ヤンコフスキー

(物語)18世紀のあるロシア人音楽家の研究のため、女性通訳と共にイタリアを縦断しているロシア人男性。旅先の温泉地で、信仰に基づき妻子を7年間も自宅に幽閉した初老の男と出会う。ロシア人は彼から話を聞こうとするが、間を取り持つ通訳と仲違いしてしまう。

通訳が怒って立ち去った後、男達は雨漏りのひどい家の中、2人きりで話をする。初老の男は言う。「私は家族だけを守ろうとして家に閉じ込めたが、失敗だった。世界を救わなければならない。ロウソクを手にしたまま温泉を渡りきることができれば、世界は救われる」

初老の男は「いずれ、大きなことをやる」と言い、2人は別れる。

かねてからの不満も爆発した通訳は、ローマに帰ってしまう。男は一旦はそのまま滞在先のホテルに留まるが、自分も引き払おうとした時、通訳から電話が入る。あの初老の男がローマに来て、3日間演説を続けているという…。

   ☆    ☆

タルコフスキー2本目です。

この作品は、タルコフスキーが初めてソ連以外で製作し、そのまま自国には帰れなくなってしまったという、いわくつきの映画であります。カンヌ映画祭で賞を取るなど、大変評価の高い作品で、毎度ながら映像の美しさには息を飲みます。


タルコフスキー自身を思わせる主人公の孤独と苦悩は、わからなくもない。でも、彼らのように、家族を顧みない勝手な振る舞いをする気にはならない。一人になりたいと、思うことはあるけれど、実行はできない。この映画の登場人物は、みんな心に闇を抱えているように見えます。


ただ、映像は本当に美しいです。タルコフスキー作品全体に共通するモチーフである「水」が、今回は特にふんだんに出てきます。



タルコフスキー3連発~その1

2015-06-23 00:43:41 | 映画


「ストーカー」
監督 アンドレイ・タルコフスキー
主演 アレキサンドル・カイダノフスキー

(物語)ある日、突然現れた"ゾーン"と呼ばれる謎の閉鎖区域。立ち入り禁止となっているにも関わらず、その中心にあるという「何でも希望の叶う部屋」を目指す人々は跡を絶たない。

今、ここにも「ストーカー」と呼ばれる案内人の導きで、大学教授と作家という、2人の男がゾーンの中心目指して歩みを進めるのだった…。

   ☆    ☆

ずっと前に、この監督の代表作「惑星ソラリス」を取り上げたことがありますが、この監督は、有名な割には作品を目にすることが少ないんですよね。TVでもあまり放映されないし。

僕がこれまで見たのは、「惑星ソラリス」と、ずっと前にNHKのBS2でやってた「鏡」の2本だけ。

見たい気持ちを何年も抱えて来ましたが、今、TSUTAYAで、ちょうどタルコフスキーのキャンペーンをやっているんですね。

「ストーカー」「サクリファイス」「ノスタルジア」の3本が目立つようにコーナー作ってあって、これはもう、見るしかない。

で、まずこの作品を借りました。

「ストーカー」とは、現代使われてる意味とは違って、ゾーンへの案内人みたいなもの。どうも、何人も居て、組織的に営業してるみたいですが、映画を見ているだけでは、よく分かりません。

分からないと言えば、ゾーンもよく分からない。いったい何がどうなっているんだか…。


この映画は、よく分からないことだらけです。

でも、分からないのがタルコフスキーなんです。

「惑星ソラリス」も、正直よく分からない映画でした。「鏡」は、もっと分からない。

でも、映像は美しいのです。

何だかよく分からないけど、凄いのです。

とにかく見入ってしまうのです。

この世界には、自分の手に余る代物というのが、存在するものです。

その価値を、素直に認められる人間でありたいと思っています。分からないなら、分からないなりに。


取りあえず、原作小説買っちゃったよー。




二十四の瞳

2015-02-23 22:47:43 | 映画


「二十四の瞳」
監督 木下恵介
主演 高峰秀子

(物語)昭和3年4月、小豆島の小学校分教場に、一人の新人女教師が赴任します。名前は大石先生といいましたが、小柄だったので、付いたあだ名が「小石先生」。彼女は一年生12人の担任になりますが、子どもたちには慕われたものの、洋服を着て自転車で通うハイカラな格好が、保守的な村の人々の反感を買ってしまいます。

そんなある日、子どものイタズラで落とし穴に落ちて足をケガした大石先生は、自宅から遠い分教場まで通勤するのが難しくなったので、本校に転任してしまいました。分教場の子どもたちは、五年生になれば本校に通いますから、四年後、晴れて五年生となって大石先生と再会した12人の子どもたちでしたが、やがて先生と子どもたちは、病気や貧困、戦争といった、社会の様々な濁流に飲み込まれていくのでした…。

   ◇    ◇

木下恵介監督と、主演の高峰秀子さん、お二人の代表作として知られる作品。今回、何年ぶりかで見直しました。全編、叙情溢れる美しい画面作りは、まさしく木下演出の真骨頂。上映時間は二時間半あまり。決して短くはない映画ですが、一気に魅了され、時間を感じさせません。

冒頭、昭和29年芸術祭参加作品との字幕が出ますが、昭和29年って、日本映画の大豊作だった年なんですね。パッと思い浮かぶだけで「七人の侍」に「ゴジラ」に、この作品。調べたら他にもありそうです。

前半は子ども時代の話、後半は大人になった子どもたちと大石先生のその後の人生を描きますが、それは、まさにあの戦争とぴったり重なる時代。この映画には、戦闘シーンも空襲シーンも一切出てきませんが、この作品に込められた反戦の思いは、見る者の胸を強く打ってきます。

終盤の展開には、涙が止まりませんでした。

永遠の名作と思います。

なお、一年生時代、六年生時代の子役と、大人になった後の俳優さんが、すごくそっくりなのにびっくりします。高峰秀子さんの著書「いっぴきの虫」によれば、まず、そっくりな兄弟姉妹をオーディションで12組24人選び、その後、子役に似た大人の俳優を探したんだそうです。作品のリアリティを出すために、そんなところに手間隙をかけたんですね。そうして選ばれた大人の中に、デビュー直後の田村高広さんがいます。さすがにお若いです。