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新・さひょ君のらくがき帳

僕と妻と娘、3人の日常と僕の趣味を書いたブログです。

機動戦士ガンダムF91

2012-11-01 08:14:18 | 映画
「機動戦士ガンダムF91」
監督 富野由悠季
主演 (声)辻谷耕史、冬馬由美



久し振りに見直しました。

「逆襲のシャア」の後、新シリーズ開始を告げた作品。描かれた戦争が終わっていないなど、続編を思わせるラストになっているのですが、多分、興業成績が良くなかったんでしょう。これっきりとなりました。

でも、これ一本で独立した作品としても充分観賞できます。

このお話は、戦争ロボットアニメであると同時に、主人公二人とその親との世代間の断絶と、子どもの自立の物語でもあります。
シーブックにとっては父との死別と母との和解、セシリーには、父と解り合えないままの死別(しかも父を自分の代わりに殺してくれたのは彼氏)と、生家からの完全な出奔がなされたことで、二人の自立の物語は幕を閉じるのです。

富野監督が人間を肯定的に描き始めたターニング・ポイントともなった作品で、今見ると、後の「Vガンダム」とのストレートな継続性以外にも、「∀ガンダム」とのキャラクター造形の類似など、後の作品の萌芽が見られるのも興味深いところです。

なお、主題歌は森口博子さんの「ETERNAL WIND」。彼女最大のヒットとなり、念願の紅白歌合戦初出場を果たした名バラードです。



激走!5000キロ

2012-10-17 00:07:00 | 映画
「激走!5000キロ」
監督 チャック・ベイル
主演 マイケル・サラジン

いい加減、元気を出したいので、そんな時は好きなものに限ります。

ニューヨークからロサンゼルスまで突っ走る、ルール無用のアメリカ大陸横断レース…と言えば、僕らの世代なら「キャノンボール」を思い出す方も多いと思いますが、こちらの方が早いんです。えっと、77年製作ですか。僕は小学校の時に映画館で見た記憶がありますが、本当にマイナーな作品らしくて、検索しても数えるほどしかヒットしません。

監督もキャストもみんな無名。多分、予算は車代で全部消えたんでしょうね。登場する車だけは超豪華。詳しくない僕でも、ポルシェやフェラーリくらい分かります。名車の数々が、走る、走る、ひたすら走る。しかも容赦なく汚す、壊す。クライマックスは水が引いた川底を激走するコブラとデイトナのデッドヒート!

ひたすら車が走るだけで、一本映画を作ってしまった。スタッフのその潔さが何より痛快な、隠れた名品です。最後の最後に、警察にしてやられるオチも楽しい(それにめげないところも)。

TSUTAYAの発掘良品コーナーで見つけました。

頭空っぽにしてどうぞ。

では、夜も遅いので寝ます。

お休みなさい。



アニメの実写映画化

2012-10-13 10:08:29 | 映画
「梅ちゃん先生」の夫役だった松坂桃李さんを、最近あちこちで見かけます。今公開中の映画もありますが、今度は、昔のアニメの実写版に主演するらしいですね。
僕ら世代なら名前だけでも間違いなく知っているだろうという、超有名作品。

「科学忍者隊ガッチャマン」

近年多いですよね。70年代のアニメやマンガの実写映画化。キムタクの「ヤマト」や山下智久君の「あしたのジョー」は見ましたが、「意外に良くできてる」とは思ったけど、正直「ちょっと違うな」と。少なくとも、僕ならこんな作品にはしない。

よく言われる二次元キャラを人間が演じる違和感…では、ない。もっと根本的な部分で、作る側が元の作品の本質を理解していない。それが、完成した映画に出てしまっている。

そもそも、何故今更?と思うんですよね。30年もその上も前のアニメを今頃焼き直すことに何か意味があるのか?オリジナルを知らない若い世代には、どうでもいいことでしょうけど、好きな人間には重要なことです。

今これをやる理由。

今更やる理由を作品できちんと語ってくれるならいいんです。

興行である以上は、一番の理由が金儲けであることは言わずもがなの話。でも、観客に金を出させるに見合った、製作者側の心意気を見せて欲しいのです。

卑しい作品や志の低い作品には、はっきり言ってTSUTAYA旧作レンタル料の百円ですら勿体ない。

リメイクが全て悪い訳じゃありません。「怪物くん」は最初「え~っ!!」て思ったけど、見たら納得。「妖怪人間ベム」は、企画の時点で、これをリメイクするとチョイスした製作者側のセンスを感じましたし、実際、TVシリーズは素晴らしい出来でした。

今回「ガッチャマン」で、製作者が何を語ろうと言うのか。正直どうもピンと来ない。なんか、期待薄な感じがします…。

桃李さん好きなんですけどねえ…。



夫婦愛

2012-10-11 00:25:24 | 映画
「武士の一分」
監督 山田洋次
主演 木村拓哉

山田監督の「藤沢周平三部作」のラストを飾る渾身の一作。妻を演じる壇れいの健気さと、クライマックスに爆発するキムタクの沸騰する怒りに、画面から目が離せません。

藤沢文学には、常に理不尽な現実と絶望の闇が付き物です。だけど、それを踏まえた上で「人間如何に生きるべきか」を問いかけている、そんな気がします。

ラストシーンは、大方予想はついたんだけど、分かっていても、やっぱり涙が溢れました。

心洗われる、美しい映画です。




名優の死

2012-10-05 22:10:07 | 映画
夕方に大分市内で打ち合わせを終えて職場に戻る車中、カーラジオのニュースで聞いた時は耳を疑いました。

大滝秀治さん逝去。

この前見た「あなたへ」で、その健在ぶりを確認した直後だっただけに、ショックでした。

「特捜最前線」のおやっさん役が、最初の出会いだったでしょうか。「犬神家の一族」に始まる市川崑監督の金田一耕助ものには、毎回必ず出ていらっしゃいました。主役ではないけれど、大作、話題作のあちこちにちょこっとずつお顔を拝見することが多く、正に名バイプレイヤーに相応しい名優でした。その朴訥かつ飄々とした演技から醸し出される、何とも言えない味わいが大好きでした。

今まで、沢山の感動をありがとうございました。

日本映画界は、また、寂しくなります。

などと書いたら、大滝さんの笑顔が見えた気がします。なあに大丈夫だよ、と…。